東京湾唯一の自然島

猿島

神奈川県横須賀市が所有する東京湾最大の自然島で、唯一の無人島「猿島」。1995（平成7）年に国から横須賀市へ移管されて以降、一般に公開され観光地として親しまれている。面積は約55,000平方メートル、周囲は約1.6キロメートルと30分程度で島を一周できるくらいの程よい大きさ。アクセスする方法は京急線「横須賀中央」駅から徒歩15分ほどの場所にある「三笠ターミナル」から連絡船が出ている。所要時間はわずか約10分、海水浴やバーベキュー、釣りに自然散策、ハイキングと多彩な楽しみ方が用意されている。

島内に入るとまず目を奪われるのは手付かずの大自然。原初のままの自然を残す一方で、戦中に東京湾を守る要として利用されてきた歴史を持つ猿島、砲台や弾薬庫の跡が今も残っており、『要塞の島』としての一面も持つ。猿島桟橋から5分ほど歩いた場所に要塞エリアがある。当時の緊迫感を彷彿とさせる重厚な雰囲気はぜひ自身の肌で感じ取ってもらいたい。フランス積みという方式で積まれたレンガの建物は、日本に数カ所しか存在しない希少なものなのだとか。澄んだ空気の自然と、戦争の歴史を今へと紡ぐ歴史遺産が融合した稀有な存在なのである。