戸塚エリアガイドTOTSUKA AREA GUIDE

一度住んだら離れられない、地域とつながり助け合う街/「とつかママつながりラボ」インタビュー

戸塚エリアの子育て中のママを中心とした子育てコミュニティ「とつかママつながりラボ」は、2019(令和元)年の発足以来、インスタグラムとツイッターでの情報発信、情報共有を活動の主体にしながら、地域のママと地元の商店、事業者、地域コミュニティをつないでいる情報プラットフォーム。SNSならではのスピード感と精度の高い口コミ情報が、戸塚に暮らしている子育て世代にとって“頼れる存在”となっています。

このSNSを手がけているのは、現役のママであり、元小児病棟看護師である小笹さん。これまではコロナ禍の影響でSNSの運営が主体となっていましたが、今後はいろいろなオフラインでの交流も企画されています。そんな思いのあれこれを、戸塚の子育て世代向けカフェ「こまちカフェ」で聞いてきました。

「とつかママつながりラボ」の小笹さん
「とつかママつながりラボ」の小笹さん

自身の経験を元に生まれた、育児の不安を解消する地域コミュニティ

――まずは、小笹さんが「とつかママつながりラボ」を立ち上げられた経緯についてお聞かせください。

小笹さん きっかけは、私自身の実体験にあります。幼少期、社宅に住んでいたため親以外の大人に頼ることが当たり前の生活をし、ママ同士が仲良くしているのもごく当たり前のことでした。

大人になり小児病棟の看護師になりましたが、ママたちと話をしていると「夫以外に頼る人がいない」「友達がいない」「寂しくて泣いている」という方が多かったんです。子どもたちの病気はもちろんですが、ママたちの育児の不安も大きいんだなとすごく驚きました。

その不安をどうにかしたいと思い大学院に通い勉強もしましたが、医療現場での育児支援には限界があることに気がつきました。どうしても生命の危機に瀕している方の対応が優先になってしまい、孤立感を訴えるママたちの話をゆっくり聞くことはできないんです。そういったママたちに対して、医療現場では何ができるんだろうかとずっと問い続けていました。

インタビュー取材を実施した「こまちカフェ」さん
インタビュー取材を実施した「こまちカフェ」さん

そんな時に東日本大震災が起き、病院の仲間たちが「保育園に電話をしてもつながらない」「子どもの様子を知りたくても、地域に友達がいない」という状況になり、“ご近所のつながり”の重要性を痛感しました。孤立感を防ぐことも大事なことですが、緊急時に徒歩圏内に頼れる人がいないと困るんだなということを目の当たりにし、「もし自分が子育てをする側に立ったら、地域のコミュニティ作りをしたい」という気持ちが生まれたんですね。

その後、夫の転勤で大阪に引っ越して子育てをスタートしたのですが、見知らぬ土地のため知り合いが本当にいなくてすごく苦労をしました。行政や出産病院の母親学級に行ってみても参加者同士の交流はなく、ヨガに行ってもみな無言・・・。たくさん参加したイベントのなかから、ようやく同じくらいの妊婦の仲間ができ、「一緒に出産頑張ろうね」「初めてのお出かけ一緒に行こう」といった話ができて、とても嬉しく安心にもつながりました。

地域のママの出会いの場となっている「こまちカフェ」
地域のママの出会いの場となっている「こまちカフェ」

子どもが3歳の時に故郷の戸塚に引っ越したのですが、そこで出会ったのが「こまちカフェ」さんでした。ここはまさに、ママたちの出会いの場を作ってくれるカフェだったため、私も仲間を作り「こまちパートナー」というボランティアに参加して、気の合う仲間を見つけて立ち上げたコミュニティが「とつかママつながりラボ」になります。

有益でリアルなママの声が集まる「とつかママつながりラボ」

――「とつかママつながりラボ」の現在の活動内容について教えてください。

小笹さん 発足は2019(令和元)年で、もともとは行政機関から「ママ主催のイベントをしてみませんか」と声を掛けていただいて、そのために作った団体でした。ただ、すぐにコロナが流行りイベントが全て無くなってしまったため、これまでの主な活動はインスタグラムを中心としたSNSでの情報発信になりますね。

自分で街を歩いて、いろいろな方と出会って情報を集めてそれをフォロワーさんにシェアする。フォロワーさんも「ここに新しい店ができたよ」「ここは子供と一緒に行けるよ」「ここは店員さんがすごく子供に優しくしてくれた」といった情報を共有してくれるので、それをまたシェアしています。

さまざまな情報が集まる「とつかママつながりラボ」のインスタグラムの投稿
さまざまな情報が集まる「とつかママつながりラボ」のインスタグラムの投稿

ほかにも、さまざまなお困りごとの相談などもSNS上で飛び交っていますね。たとえばコロナに罹患した時に、「どこにキットが売ってたよ」「どこの病院が空いていたよ」というような具体的な情報を交換したり、もちろん子どもの成長に関する不安の相談などもあって、お互いに助け合うためのプラットフォームとして活用してもらっている感じですね。

私は一応運営の立場にいますが、正直“中の人”は誰でもいいと思っています。誰かがこうしてコミュニティを立ち上げて発信してくれれば、戸塚以外でもいろいろな地域の人が助かるんじゃないかなと思います。ただ、お金が一切発生しない仕組みなので「やりたい人が参加してくれれば」という形になるのですが、だからこそママのリアルな声が集まる、本物の口コミが聞けるコミュニティになっていると思います。

一緒に運営してくれている仲間のママたちにも、報酬がお支払いできないので申し訳なく思っているのですが、「関われて楽しかった」「戸塚のことを知れて良かった」と言ってくれているので、ありがたいですね。

――今後はイベント等も復活されていくと思いますが、どんな企画を考えられていますか?

小笹さん ひとつは、子育て支援拠点の方に声をかけていただいている「とつかっこ夏祭り」への参加ですね。毎年お声を掛けていただいて、昨年度はコロナ禍の感染拡大で中止となりましたが、一昨年に双子みつご向けのワークショップを開催しました。今年は「横浜アレルギーラボ」さんとコラボでワークショップを開催する予定なので、ぜひご参加いただければと思います。

「とつかママつながりラボ」過去のイベント開催時の様子
「とつかママつながりラボ」過去のイベント開催時の様子

ほかにも、フォロワーさんから「お茶会をやってほしい」「ランチ会をやりたい」といった声もいただいていて、今後はそういった企画も実現していきたいですね。

――日々の活動の中で、心がけていることは何でしょうか?

小笹さん 現在、看護大学で非常勤で仕事をしているのですが、学生たちからよく「子育て支援は行政の仕事じゃないんですか?」と聞かれます。ただ私達は、行政が動いてくれるのを待つのではなく、「自分たちで助け合って生きていこう」「自分たちで楽しい街を作っていこう」と動かないと、何も変わっていかないと思っています。その気持ちが今の活動につながっていますね。

それから、コロナ禍を経験して今まで当たり前にできていた「リアルに会えて、おしゃべりができて、子ども同士を遊ばせることができる」ということのありがたみを感じたので、実際に会うということを、今まで以上に大切にしていきたいと思っています。

戸塚の多彩な地域コミュニティ・人とつながる取り組み

――活動を通して、地域のほかの子育て支援団体などとの交流やコラボ企画などがあれば教えてください。

小笹さん まずはコラボとして、私も以前メンバーとして関わっていたのですが「ウェルカムベビープロジェクト」という団体さんと一緒に作っている「ウエルカムベビーマップ」があります。グーグルマップの中に「子連れ歓迎のお店」をアイコンで表示して、お店からお子さん連れ歓迎のメッセージが読めるようになっています

この中には私が独自に調べた公園情報も紹介しているので、ぜひ見てみてください。今後もどんどんコンテンツが増えていく予定なので、楽しみにしていてください!

あとは子育て支援拠点の「とっとの芽」さんからお声がけをいただいて、イベント会場として使わせていただく予定もあります。ほかにもさまざまなコミュニティがありますので、さまざまなコラボ企画を実現できたらなと思っています。

「こまちカフェ」には、戸塚エリアのママや作家さんの作品も並ぶ
「こまちカフェ」には、戸塚エリアのママや作家さんの作品も並ぶ

今後はそういったリアルのイベントや街歩きの中でも交流を広げて、ママ友に限らず近所のベーカリーの店員さんでも美容院の美容師さんでもいいので、ご近所の知り合いを増やして、いざという時に頼れる人間関係を作ってもらえたら嬉しいです。

私自身もこの「こまちカフェ」に通って店員さんと仲良くさせてもらって、子どもの成長を見守ってもらった感じがあり、それがすごく安心につながっています。これから戸塚で子育てをするママたちにも、そうした体験をしてほしいなあと思っています。

一度住んだら離れられない、戸塚に住む人と街の魅力

――戸塚はどのような点が、子育て世代にとって魅力的でしょうか?

小笹さん 一番はやはり「人のつながり」かなと思います。戸塚は昔からの街なので、町内会の活動がすごく盛んなんですよ。お餅つきに夏祭りに盆踊り、町内会の運動会もあって、多世代の交流ができて良いと思いますし、私自身もすごく楽しんでいます。

そしてとにかく人が優しいんですね。子どもと歩いていると、よく声をかけていただけます。そうした人の優しさは、住みやすさにつながっているんじゃないかなと思います。

便利な商業施設もそろう、「戸塚」駅前の様子
便利な商業施設もそろう、「戸塚」駅前の様子

もちろん交通も便利で「戸塚」駅は2路線が使えますから片方が止まっても大丈夫で、私のように必ず出勤しないといけない職種の方には特におすすめです。買い物も、大型商業施設が駅前にどーんとあるので、駅に出ればなんでもそろって、不便はないですね。

――子育て世代の方におすすめしたい場所を教えてください。

小笹さん 私が子どもとよく行くのは、「戸塚」駅から車で5分くらいのところにある「舞岡ふるさと村」です。ここではいろんな収穫体験ができるんですよ。じゃがいもや、さつまいもに、みかんなど。都会的なところもある一方で自然や緑が豊かで土にも触れられて、都会と田舎の両方のいいところを持っているというのは、戸塚ならではの魅力だと思います。

子どもも楽しめる、「舞岡ふるさと村」でのじゃがいも掘り体験の様子
子どもも楽しめる、「舞岡ふるさと村」でのじゃがいも掘り体験の様子

――最後に、これから戸塚で暮らしたいという方にコメントをお願いします。

小笹さん 私は戸塚で生まれて、いろいろなところで暮らして結局また戸塚に戻ってきたのですが、それくらい魅力があって一度住んだら離れられないのが戸塚だと思います。

子育て中の方はまず、ラボのSNSをフォローしていただいて、この「こまちカフェ」さんにも足を運んでみていただきたいです。戸塚には子育て支援に関連する団体さんが多くあって活発に活動しているので、戸塚に来たからには、子育てを思いっきり楽しんでほしいです!

「こまちカフェ」
「こまちカフェ」

とつかママつながりラボ

代表 小笹さん
instagram https://www.instagram.com/totsukamama.tsunagarilabo/
twitter https://twitter.com/totsukamama
※この情報は2023(令和5)年6月時点のものです。

「こまちカフェ」
「こまちカフェ」

今回ご協力いただいたお店、「こまちカフェ」

「子育てをまちでぷらすに。」を合言葉に、ママ・パパの想いや願いを共有して、一緒に出口をみつけていくコミュニケーションの場を提供している。ゆっくりカフェやランチを楽しむのはもちろん、同じ世代の子を持つ家族を対象としたイベントへの参加もおすすめ。

所在地:神奈川県横浜市戸塚区戸塚町145-6 奈良ビル 2F
電話番号:070-5562-9555
営業時間:10:00~17:00
定休日:日曜日、祝日、第2月曜日
https://comachicafe.com

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