地域による安心のバックアップで、子育てを楽しめる街/インタビュー「とっとの芽 サテライト」
利用者にとって“第二の実家”と思ってもらえるようなひろばを目指している「とっとの芽 サテライト」。戸塚区内には2ヶ所ある「とっとの芽」だが、今回訪問したのはそのサテライト。夏には水遊びができる庭を有し、JR「戸塚」駅から徒歩7分ほどの距離にある同施設を訪ね、施設の特徴や、子育てファミリーにとっての戸塚エリアの暮らしの魅力について、お話をうかがいました。
“第二の実家”のように、ホッとできる場所「とっとの芽」
――まずは、「とっとの芽 サテライト」の概要について聞かせてください。
酒井さん 「戸塚」駅東口を出て徒歩7分ほどの距離に、2019(令和元)年3月にオープンしました。利用時間は9時30分から午後3時30分で、休館日は日曜日、祝日、そして月曜日です。すべり台のあるひろばをはじめ、赤ちゃんが安心して過ごせるベビーコーナー、その奥には授乳コーナーもあります。そのほかにもキッチンや、砂場があるお庭、絵本・本コーナーもあります。また、戸塚区内の子育て情報をわかりやすく分類して提供している情報コーナーにも力を入れており、子育て中のママ達がお喋りしたり、ホッとできる場所となれたらなと思っています。
利用者さんにとっては、“第二の実家”のように感じていただけたら嬉しいです。年齢、性別、出身地、国籍、障がいの有無に関係なく、誰もがゆったり過ごせるひろばを理想としています。実際に、“ただいま”と言って入ってこられる方もいますし、それに対して私たちも“おかえり”と返します。利用者さんにとって実家のような安心できる場所を提供しつつ、おたがいさまの精神を大事にし、関わり合いと触れ合いを通して、私たち自身も学び、ともに成長しながらつながりの輪を広げていけたらと思います。
――東戸塚エリアの「とっとの芽」と、こちらの「とっとの芽 サテライト」との違いはありますか?
酒井さん 運営法人は同じですので、“すべての親子が大切にされ、笑顔がひろがる社会へ”いうビジョンをはじめ、ひろばとしての基本的な機能は変わりません。違いがあるとすれば、東戸塚が便利な駅前ビルのテナントであることに対し、サテライトはお庭があり戸建て、という立地の差ぐらいです。
――1日あたりの利用者数と、利用目的についてはいかがでしょうか。
酒井さん 平均すると1日50組前後の利用があります。コロナ禍前は80組のときもありましたから、だいぶ数が戻ってきているとはいえ、まだまだ少ない状況ですね。0歳と1歳が利用者の75パーセントを占め、以前は午前10時頃の利用が一番多かったのですが、今はピークの時間帯が午後2時前後に移っています。利用者さんのなかには、“ここが大好きなんです”と定期券を購入して通われる方もいらっしゃいます。
利用目的としては、子どもを遊ばせたいという方が多いのですが、お母さんになられた方だけでなく、妊娠中の方にもぜひ気軽に来ていただきたいですね。それと、土曜日も開所していますので、共働きのご家族もたくさんいらっしゃいます。なかなか職場で育児のことを話す機会がないパパたちも、ここでは存分に子育てトークや情報交換を楽しんでいただけるようにしています。仕事をしていれば、男性だけで育児について話す機会は少ないと思いますので、ここでつながりの輪を広げていただけると嬉しいです。
利用者さんは、居心地のいい場所をともに築いていく仲間だと思っています。利用者さんからもアイディアをいただきながら一緒に形にしていくことを大切にしています。
戸塚には子育て家族を応援する取り組みがたくさん
――戸塚区の子育て支援の特色・魅力について、どのような印象を持たれていますか?
酒井さん 戸塚区は横浜市全18区のなかで最も面積が広く、エリアごとにそれぞれの地域性がありますが、共通して言えるのは、戸塚にはどの地域にも、子育て家庭を応援したいという熱い思いで活動している方がたくさんいるということです。
そのような方々と連携し、地域の子育てをよりよくするための活動、情報交換をする場としてエリアごとに「地区別子育て連絡会」があります。広い戸塚区ですが、こうしたネットワークを築くことで、どのご家庭でも身近な場所で子育て支援の活動につながることができるようにしています。
――「横浜子育てパートナー」が在籍されているそうですが、具体的にどのようなことを相談できるのですか?
酒井さん 離乳食を食べてくれない、なかなか寝てくれないといった、具体的な育児に関するご相談内容から、ご自身の体調や家庭のことも含め、どのようなことでもお伺いしています。誰かに話をするだけで気持ちが軽くなることもありますし、内容によってはしかるべき窓口をご紹介もします。相談に行くというのではなく、思っていることを話にいくという気持ちで、気軽に来ていただければと思っています。
若い人が多く、子育てを厚く支援してくれる戸塚区の魅力
――戸塚エリアで子育てをするということ、それと子育て世帯におすすめのスポットがあれば教えてください。
酒井さん 戸塚は、横浜やみなとみらい、湘南や鎌倉といった街からとても近いのですが、混雑している場所ではありません。ですので、交通の利便性を確保しながら、落ち着いて生活ができる街だと思います。また、ほどよい都会感がありながら、豊かな自然にもめぐまれ、ホタルが見られたり牧場でジェラートが食べられたり、果物の収穫体験もすぐそこで楽しめたりといったバランスが魅力ですね。
おすすめのスポットについてですが、ひとつは「舞岡公園」です。豊かな自然があり、秋には稲の収穫体験もできますよ。それと、「こまちカフェ」は食事中にボランティアさんによる見守りがあるなど、子連れにやさしいカフェなので、お子さんと一緒に行きやすいと思います。
――今後の展開、目標はありますか?
酒井さん 8月5日には、私たちの主催による「とつかっこ夏まつり」があります。夏祭りというのは地域と親子をつなぐ入口になると思っています。コロナ禍で地域とのつながりが少なくなってしまった現状から、こうしたイベントをきっかけに“戸塚に住んでよかった”と思ってもらえる方を、1人でも増やしたいなと思っています。
――最後に、戸塚エリアに移ることを検討されている方にメッセージをお願いします。
酒井さん 横浜市18区のなかで、戸塚区は年少人口割合が2番目に高い自治体です。最近は大型マンションの建設などもあり、子育て家庭を街中で見かけることも多く、勢いを感じます。戸塚は、子育てを支えてくれる地域のバックアップと落ち着いた生活環境がある町なので、ぜひ安心して暮らしを楽しんでいただければと思います。とっとの芽にもぜひ遊びにいらしてください。一緒に戸塚での生活を楽しみましょう!
とっとの芽 サテライト
酒井 香子さん
所在地:神奈川県横浜市戸塚区上倉田町957-1 ヴィラ桜1F
電話番号:045-410-7010
URL:https://www.tottonome.com/pages/80/
※この情報は2023(令和5)年7月時点のものです。