スペシャルインタビュー

親子連れも外国人も♪ 幅広い客層に愛されるボーダーレスな「Free Culture」

「藤沢」駅北口から徒歩3分。カフェレストラン「Free Culture」は、通りから一本入った「サミットストア 藤沢駅北口店」の裏にある。人通りの少ない立地だが、2002(平成14)年のオープンから20年以上この地で営業してきたため、地元の人にはよく知られている。

今回はそんな地元に愛される店舗のオーナーシェフ、島田健太郎さんに、お店のこだわりや周辺エリアの魅力について伺った。

オーナーシェフの島田健太郎さん
オーナーシェフの島田健太郎さん

世界を旅した経験から、多彩な文化が入り混じった店をオープン

――まずは「Free Culture」の特長や、店名の由来をお聞かせください。

島田さん:若い頃にアジア、アメリカ、ヨーロッパなど海外のあちこちを旅して、国や地域によって多くの違いがあり、それぞれの良さを感じました。そこから、さまざまな文化をミックスしたボーダーレスな感じの店を開いて、いろんな人に来てほしいと思い始めたことが開店のきっかけです。「Free Culture」という店名には、そんな思いを込めています。

メニューも、違った好みやバックグラウンドを持つ人全員が楽しめるよう、ご飯ものからピザやラップまで幅広く用意しています。実際に外国人客もよく来ますし、訪れる年齢層も幅広いです。

人通りの少ない場所なので、テラス席も快適
人通りの少ない場所なので、テラス席も快適

――お店の雰囲気にもこだわりを感じます。場所に藤沢を選ばれた理由や、大切にしていることをお聞かせください。

島田さん:飲食店を開くにあたり、まずは好きなサーフィンと両立できる場所を探しました。サーフィンだけなら僕の出身地の千葉にもいい場所はありますが、自分がイメージする飲食店をやるにはちょっと田舎かなと。それで最終的に、街と海が近い湘南がいいなと思いました。中でも藤沢は人口が多く街の雰囲気も好きだったので、ここに決めました。

サーフィンと飲食店の経営の両立ができる環境が決め手
サーフィンと飲食店の経営の両立ができる環境が決め手

島田さん:オープン当時この場所は「サミットストア 藤沢駅北口店」も周辺のマンションもなく、もっと開けた場所でした。でも、小さなお子さん連れの方も安心して来られるので、車通りが少ないのは悪くないと思っています。夏には観光客の利用もありますが、基本的にはこの辺に住んでいる人が来ることが多く、昼間は親子連れもいらっしゃいます。

ずっと変わらず心がけているのは、いろんな人が入りやすい店であること。そして、手作りであることと幅広いメニュー提供できることを大切にしています。

木のぬくもりを感じる店内は、まさに誰でも入りやすい雰囲気
木のぬくもりを感じる店内は、まさに誰でも入りやすい雰囲気

新鮮な湘南野菜を使ったフードやドリンクでおもてなし

――地元の野菜を使った料理も多いようですが、地野菜を使ったおすすめ料理があれば教えてください。

島田さん:ランチタイムにはパスタが出ることが多いですが、選択肢が多いせいか、全体的にはどのメニューも偏りなく注文いただいています。

知り合いにも農家さんがいて、いろんな野菜を一生懸命育てているのを知っていますから、できるだけここ湘南の野菜を使いたいと思っています。

JAさがみの農産物直売所「わいわい市藤沢店」に並ぶものを見ると、この辺ではいろんな野菜が採れることが良くわかります。だから店でも、さまざまな種類の野菜を使っています。スムージーとフレッシュジュースもたくさんあるので、ドリンクでも楽しめますよ。

湘南で採れたバジルとジャガイモを使ったジェノベーゼ
湘南で採れたバジルとジャガイモを使ったジェノベーゼ

――お店ではときどき音楽イベントを開催されているようですね。どんな内容のものが多いのでしょうか。

島田さん:コロナ禍もあって昔に比べれば減りましたが、相変わらず音楽イベントはやっています。今夜もアフリカ系のジャンベという太鼓の音楽イベントをやる予定です。私は昔からロック、レゲエ、ジャズが好きなので、そういうジャンルが多いですね。

出演者はメディアには出ず、ライブで各地をまわっているツアーミュージシャンがほとんどです。彼らが横のつながりで他のミュージシャンを紹介してくれることもあります。サッカーのワールドカップ中継をプロジェクターに映したこともありますが、基本的には音楽ライブが多いですね。

実際のイベント告知ポスター(提供:「Free Culture」) ※イベントはすでに終了しています。
実際のイベント告知ポスター(提供:「Free Culture」) ※イベントはすでに終了しています。

――今後、新メニューなどチャレンジしてみたいことなどがあればお教えください。

島田さん:料理もイベントも楽しいと思ってやっているので、これからも変わらずやっていきたいなと思います。新メニューではないですけど、食材を買いに行ったときに菜の花とか旬のものが出回っていたら、パパっと何品か考えて日替わりメニューや今日のオススメとして出すとか、そういうのは今すでにやっています。野菜だけでなく魚介類にも旬があるので、自然とメニューに反映されます。季節のメニューを考えるのは楽しいですし、お客さんにも喜んでいただいています。

みずみずしく食感の良い新鮮野菜が絶品!「鎌倉野菜のバーニャカウダ」
みずみずしく食感の良い新鮮野菜が絶品!「鎌倉野菜のバーニャカウダ」

移住者など多様な人が暮らす、穏やかで寛容な藤沢エリア

――藤沢エリアの魅力やおすすめのスポットなどがあればお聞かせください。

島田さん:藤沢の一番の魅力は環境の良さではないでしょうか。アクセスが良く、自然環境もいい。ちょっと行けば江ノ島があって、鎌倉があって、茅ヶ崎がある。湘南って、それぞれ街の雰囲気が全然違うんですよね。例えば鎌倉は歴史ある街で、ちょっと敷居が高い感じ。それに対して藤沢は寛容な雰囲気があって、移住者などいろんな人が多いエリアだと感じます。すぐ近くの江ノ島は多くの人が訪れる人気観光地ですが、藤沢は隣である分穏やかです。

国道134号をまたぐ鵠沼海岸歩道橋。左側へ渡れば「鵠沼海浜公園」が広がる。
国道134号をまたぐ鵠沼海岸歩道橋。左側へ渡れば「鵠沼海浜公園」が広がる。

島田さん:この辺りのおすすめスポットは「鵠沼海岸」です。ここから一番近い海で、自転車で20分ぐらいで行けます。左に江ノ島、右に富士山が見えて景色がいいんですよ。冬は富士山が雪で白くなりますし、季節の移ろいも感じられます。サーフィンもし放題ですしね。

富士山を背にサーフィンができる「片瀬西浜・鵠沼海水浴場」
富士山を背にサーフィンができる「片瀬西浜・鵠沼海水浴場」

あとは料理も雰囲気もいい友だちの飲食店がたくさんあります。長くやっているので飲食店同士のつながりも多く、藤沢の個人店は特に仲がいいような気がします。

――この辺りにはどんな人が多いと思われますか?特徴や印象などあれば教えてください。

島田さん:僕の友だちや知り合いに関して言えば、アーティスト肌の人が多いです。ミュージシャンやサーフボード職人だったり、あるいはショップを経営していたり、自分で何かをやっている人が多いですね。店内に飾っているアートも、知り合いの絵描きの作品が多いんですよ。個性的で自分のスタイルを持っている、カッコイイ人が多いです。

――「藤沢」駅の北側の良さ、南側との違いなどあればお聞かせください。

島田さん:ここから少し北に国道1号が通っていますが、藤沢は東海道の宿場町でした。そのため、昭和初期まではこっちの北側の方が栄えていて、小さな飲み屋がいっぱいあったようです。でも次第にマンションが多く立つようになり、飲食店はどんどん南口の方に増えていったんです。

今では駅前はどちらも栄えていますが、いわゆる繁華街は南側の方になりました。南側に比べると北側は飲食店が少なく、その分落ち着いた雰囲気があります。飲食店の雰囲気もそんな感じで、ワイワイ楽しむお店は南側に多く、北側には静かにくつろげるお店が多いイメージがありますね。

比較的落ち着いた雰囲気の「藤沢」駅北口
比較的落ち着いた雰囲気の「藤沢」駅北口

 

オーナーシェフ 島田健太郎さん
オーナーシェフ 島田健太郎さん

Free Culture

オーナーシェフ:島田:健太郎さん
所在地:神奈川県藤沢市藤沢556:辰巳ビル1F
電話番号:0466-26-4880
営業時間:11:30~15:00、17:00~23:00
定休日:月曜日
URL:http://freeculture.in/
※この情報は2024(令和6)年2月時点のものです。