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特別インタビュー

横浜市でありながら農・緑・水に囲まれた「泉区」の魅力を「泉区役所」の皆さまにインタビュー

横浜市18区のうち、南西部の一角を占めている「泉区」。泉区は市内「経営耕地面積ナンバーワン」という大きな特徴があり、「農の泉区」として知られています。区内には、高い建物が少ないため、空が広く感じられ、区内の多くの場所から富士山を望めるエリアです。

今回はそんな横浜市泉区について、「立場」駅周辺エリアを中心に、地域の魅力と特徴を泉区役所の区政推進課の皆さまに伺ってきました。

お話を伺った横浜市泉区役所総務部区政推進課の皆さん
お話を伺った横浜市泉区役所総務部区政推進課の皆さん

自然との程よい距離感が魅力的な泉区の暮らし

――まずは、横浜市泉区の特色や魅力を教えてください。

稲垣さん:横浜市には合計18の区があり、泉区はその中で面積が10番目の大きさです。そのうち、無秩序な市街化を防止し、市街化を抑制すべき区域としての市街化調整区域が多く、区域面積の半分弱の面積を占めています。これが緑や農地の多さにもつながっていて、区の特徴でもあります。また人口は約15万人で、「持ち家率」に関しては、横浜市で最も高い区となっています。

交通に関しては、相鉄いずみ野線と横浜市営地下鉄ブルーライン合わせて区内に9つの駅があり、そのうち「立場」駅は区内でも乗降客数が多い駅となっています。

区内でも乗降客数が多い「立場」駅
区内でも乗降客数が多い「立場」駅

稲垣さん:区の特徴である農業については、農家数が18区の中で3番目、経営耕地面積では1番目となっていて、また、緑被率(航空写真から 300 ㎡以上のまとまりのある緑を目視判読し、市域面積に占める割合を算定するもの)も市内で3番目となっています。

そのようなこともありまして、泉区のマスコットキャラクターである「いっずん」は区の花である“あやめ”と、区の特徴である自然(水と緑)のイメージを組み合わせたデザインになっています。

泉区マスコットキャラクター「いっずん」(提供:泉区)
泉区マスコットキャラクター「いっずん」(提供:泉区)

泉区を表すロゴマーク「#住むなら泉区」にも、自然の要素が入っている(提供:泉区)
泉区を表すロゴマーク「#住むなら泉区」にも、自然の要素が入っている(提供:泉区)

 

室町さん:「水」と「緑」に関しては、区内を流れる川辺に親水拠点が多く整備されていまして、たとえば「いずみ中央」駅の前には「地蔵原の水辺」がありますし、更に下流のほうには「境川遊水地公園」という広い水辺もあります。加えて、区の南部には「深谷通信所跡地」という広い土地があったりと、市内でも高い建物が少ないため、空が広く感じられると思いますし、晴れた日には富士山もよく見えます。

「地蔵原の水辺」(引用:「いずみくらし」)
「地蔵原の水辺」(引用:「いずみくらし」)

室町さん:また、区内には農産物直売所も50か所以上あります。区で作っている「泉味自慢(いずみじまん)」という冊子に直売所のマップも載っていますので、これを参考に直売所めぐりなども楽しいと思います。

交通に関しても、直近で「相鉄・東急新横浜線」が2023(令和5)年3月に開業しまして、都心へのアクセスが更に便利になりました。特徴である自然の豊富さも相まって、「利便性と快適さを同時に感じられる街」となってきたと感じます。

総務部区政推進課長 室町純也さん
総務部区政推進課長 室町純也さん

「立場」周辺の特徴と、開発計画

――泉区の中でも立場地区に関して、特徴や、現在進んでいる開発計画などがありましたら教えてください。

稲垣さん:「立場」駅は先ほどの通り区内でも乗降客数が多い駅ですので、それに伴い周辺の街も発展し、区内の主要な街の一つとなっています。

街づくりに関連する事業としては、環状3号線中田地区の事業が始まったところです。磯子区方面と都筑区方面を結ぶ環状3号線は重要な幹線道路の一つで、このうち中田地区の約460メートル区間の事業がすでに始まっています。「イトーヨーカドー 立場店」様の東側(広町交差点)から、「JA横浜 メルカートみなみ」様くらいまでの区間です。こちらに幅員22メートル、4車線の道路が整備されるという事業になります。

総務部区政推進課まちづくり調整担当係長 稲垣伸人さん
総務部区政推進課まちづくり調整担当係長 稲垣伸人さん

稲垣さん:また、地域の方にお花を植えていただくなど、きれいに整備していただいている公園が多いです。お子様が楽しめるような遊具がある公園、農作業が体験できるような公園などもありますので、どなたにも楽しんで頂けるかと思います。

また、「立場」駅の周辺には、福祉事業所も点在していて、パンやお菓子、お弁当、アクセサリーなどを作っていたり、喫茶などのお店もあります。それが区内のあちこちで販売されていて、障害のある方が活躍できる場が多いという点も、大きな特徴かと思います。

立場周辺には数多くの障害福祉事業所があり、障害のある方が活躍している。
立場周辺には数多くの障害福祉事業所があり、障害のある方が活躍している。

――「深谷通信所跡地」の活用に関しても、教えてください。

稲垣さん:今は国有地になっていて、また整備が完了するのもまだ先の話にはなりますが、「深谷通信所跡地利用基本計画」の実現に向けて、横浜市が整備していくことで、現在の計画が立てられています。

通信所跡地は直径が約1キロメートルの円形の土地で、面積が約77ヘクタールという広さを活かして、平常時は公園として誰もが楽しめる広場や、スポーツ施設などを整備していく予定です。外周道路は車道だけでなく、歩道やジョギング道も整備される予定です。

災害時には広域避難場所をはじめとして、防災機能も期待されています。また、ヘリコプターの離着陸場などの活動拠点としての活用や、復旧・復興段階には応急仮設住宅が建てられるようにするなど、災害時にも十分に活用できるような計画としています。

「深谷通信所跡地」の整備計画も進められている
「深谷通信所跡地」の整備計画も進められている

区民の声を大切に

――泉区の暮らしやすさに関して、実際に暮らしている区民からの声、転入した方からの声などがありましたら教えてください。

志澤さん:2023(令和5)年度に横浜市の市民意識調査がありまして、その中で、「あなたは、これからもずっと今のお住まいに住み続けますか?」という質問をしています。お住まいが泉区とお答えいただいた方のうち、「住み続ける」「たぶん住み続ける」とお答えいただいた方が、76.8%でした。横浜市全体では72.8%でしたので、泉区は市内でも「ずっと住み続けたい」という方が多い区になるのかなと思います。

区独自に行った調査で、「泉区に居住したきっかけ」を聞いた項目があったのですが、その時には、「居住地の自然環境などが良いから」という理由が上位にあがっていました。

また、「自然が豊か」「緑が多い」「住環境がいい」「静か」「のどか」「田舎すぎない」「落ち着いた街」「交通の便がいい」などの点が、「泉区に住んで感じた泉区の魅力」として高い評価を得ており、改めて泉区の魅力を感じているところです。

総務部区政推進課企画調整係長 志澤淳さん
総務部区政推進課企画調整係長 志澤淳さん

――区民への調査では、約85%が「子育てしやすいまち」と回答されたそうですね。その背景には何があるとお考えですか?

志澤さん:泉区で2020(令和2年)3月に子育て中の方に行った「泉区子育てに関するアンケート調査」の中で、「泉区が子育てしやすいまちだと感じますか?」という質問について、「そう思う」と回答した方が84.7%でした。

また、近所の人とのあいさつをする人が多く、地域の人との交流を楽しみたいという気持ちもあるようです。「子育てしやすいまちになるために必要なもの」という質問に対しては、「子どもを遊ばせる場がある」「子どもを預けられる場がある」「子育ての相談ができる場がある」が上位に挙がっていました。親子で行ける場所や子どもを遊ばせる場所の情報を求めており、こうした声に対して情報発信などを行ってきたことなどから、子育てしやすいまちだと感じていただけているのかな、と感じております。

「子育てしやすいまちになるために必要なもの」に対する回答結果(引用:泉区子育てに関するアンケート調査)
「子育てしやすいまちになるために必要なもの」に対する回答結果(引用:泉区子育てに関するアンケート調査)

――泉区独自でやっている子育て支援策などはありますか?

室町さん:区の特徴的な事業としては、「子育て応援マーク」があります。

これは地域の方からの「子育て家庭に声をかけて応援したいけど、声をかけていいのか」や、「子育てを応援している気持ちをパパ・ママに伝えたい」という地域の人の声をきっかけに生まれたものです。

地域の方と子育て家庭の双方が「子育て応援マーク」を身に着け、出会うことで声を掛け合い、地域のつながりを増やす効果を期待しています。

泉区オリジナルの「子育て応援マーク」
泉区オリジナルの「子育て応援マーク」

志澤さん:転入される方に関しても、もともと区内の出身の方が多い印象です。お子さんが生まれたことをきっかけに泉区に戻られる方がけっこう多く、こういった緑のある環境でお子さんを育てたい、ゆとりのある心を持って過ごしてほしい、といった思いがあるのかもしれません。

――子どもたちにとっても、四季折々の緑や畑のある風景は、魅力的に映るのでしょうね。

室町さん:そうだと思います。学校でもいろいろな農体験ができますし、先ほどの直売所マップにもご紹介していますが、ミカン、いちご、トマト、サツマイモなどいろんな収穫体験ができる農園さんがたくさんありますので、親子で楽しんでいただければと思います。

市が運営している「いずみくらし」というサイトの中でも、収穫体験に絞って検索したりできますので、是非そちらもご覧ください。

「いずみくらし」サイトTOP(引用:いずみくらし)
「いずみくらし」サイトTOP(引用:いずみくらし)

「いい意味での田舎」が、心にゆとりを持たせる暮らしに繋がる

――皆さんそれぞれの、区内にあるお気に入りの場所や風景を教えてください。

稲垣さん:和泉川沿いの桜並木です。「いずみ中央」駅前の「地蔵原の水辺」から「和泉遊水地」の間には多くの桜の並木が続いていて、春になり開花し、満開になると本当に綺麗です。

総務部区政推進課企画調整係 清見奈々子さん
総務部区政推進課企画調整係 清見奈々子さん

清見さん:私は、通勤中に電車から見える富士山が好きで、毎日それを見て「今日も頑張るぞ!」って思っています。綺麗に見えるおすすめスポットは、和泉町の「横根稲荷神社」付近で、神社の近くから富士山がすごくきれいに見えるんです。ダイヤモンド富士の日には、カメラを持った方がたくさん並ぶくらい有名な場所ですね。

「境川遊水地公園」や「いずみ中央」駅前の「地蔵原の水辺」で、天気のいい日には子どもたちが生き物観察や水遊びをしているのも、ほっとする光景です。

「横根稲荷神社」付近から望む富士山(引用:いずみくらし)
「横根稲荷神社」付近から望む富士山(引用:いずみくらし)

室町さん:私からはゆめが丘地区に今年夏にオープンする「ゆめが丘ソラトス」をご紹介したいです。ここは「ゆめが丘」駅と「下飯田」駅の間に作られている大規模商業施設で、「立場」駅周辺からも行きやすいところなので、完成したら便利になると思います。

あとは、個人的な趣味でテニスをやってまして、泉区にはテニスコートがすごく多いので、活用しています。立場からもアクセスのよいテニスコートがたくさんあります。サッカー場もありますし、川沿いにはサイクリングロードもあります。いろんなスポーツを楽しみやすい区だと思います。

「ゆめが丘ソラトス」
「ゆめが丘ソラトス」

――最後に、これから泉区に暮らそうと考えている方に向けてメッセージをお願いします。

志澤さん:泉区は「いい意味での田舎」と言いますか、必要なものはそろっていて交通利便性もすごくいいのに、ゆったりとした暮らしができる、というところが魅力なのかなと思います。

実際に住んでみると「泉区大好き!」ってなる方がすごく多いです。私自身、住まいは市内ですが、週末はよく泉区に来て楽しんでいます。スポーツやアクティビティ、農業体験、自然観察などなど、大人も子どももいろんな体験ができますから、暮らすにはすごく良い環境です。ぜひ、多くの方にお住まいいただければと思います。

神奈川県横浜市泉区・「横浜市泉区役所」
神奈川県横浜市泉区・「横浜市泉区役所」

横浜市泉区役所

総務部区政推進課長 室町 純也さん
総務部区政推進課企画調整係長 志澤 淳さん
総務部区政推進課まちづくり調整担当係長 稲垣 伸人さん
総務部区政推進課企画調整係 清見 奈々子さん

所在地:神奈川県横浜市泉区和泉中央北5-1-1
電話番号:045-800-2331
URL:https://www.city.yokohama.lg.jp/izumi/
※この情報は2024(令和6)年2月時点のものです。

【出典】
・泉区区勢便覧IZUMI2023
・泉区特設PRサイト「いずみくらし」
・直売所マップ「泉味自慢」
・「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針等の改定」及び「線引き見直し」都市計画市素案(案)について
・泉区公園マップ保存版
・泉区障害者福祉事業所マップ
・深谷通信所跡地利用基本計画
・泉区生活・防災マップ
・横浜市市民意識調査(令和5年度)

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