国際都市YOKOHAMAの中枢機関

期待高まる「横浜」の新たなまちづくり。現在進行形で進む、計画の今に迫ります!

6社9路線が乗り入れる首都圏有数のターミナル駅「横浜」。およそ377万人の人口を擁する横浜市の玄関口で、観光やビジネスなど国内はもとより海外からも多くの人が訪れます。洗練された「みなとみらい21」の街並みや横浜の歴史が感じられる関内エリア、そして「横浜」駅周辺地区でも将来を見据えたまちづくりが進められており、ますます魅力ある街として発展し続ける横浜市に注目が集まっています。

今回は横浜駅周辺地区のまちづくりを進める横浜市都市整備局の横浜駅・みなとみらい推進課を訪ね、「エキサイトよこはま22」の概要や横浜市の魅力についてお話を伺いました!

1階の水辺沿いにはカフェなどもある「横浜市役所」新庁舎にてお話をうかがいました!
1階の水辺沿いにはカフェなどもある「横浜市役所」新庁舎にてお話をうかがいました!

古くからの歴史あり!国際貿易都市「横浜」

――はじめに横浜市の概要(歴史、人口など)について簡単に教えてください。

川崎さん 現在の横浜市は、1859(安政6)年の開港によって国際貿易都市として発展を始めたと言われています。1872(明治5)年に新橋〜横浜間で日本初の鉄道が開通し、1889(明治22)年に横浜市が誕生。江戸時代から続く東京と比べれば歴史こそ浅いですが、西洋の新しい技術がどんどん入って来たことによって独自の発展を遂げてきました。

その後、1923(大正12)年の関東大震災、1945(昭和20)年には空襲によって市街地が大きく被災したこともありましたが、復興を経ながら現在の横浜市がかたちづくられてきました。現在の人口は約377万人で神奈川県下最大の都市となっています。また政令指定都市の中でももっとも人口が多いことで知られています。

歴史的建造物「赤レンガ倉庫」からも横浜が積み重ねた時を感じます※2022年9月現在大規模改修工事に伴う一時休館中
歴史的建造物「赤レンガ倉庫」からも横浜が積み重ねた時を感じます※2022年9月現在大規模改修工事に伴う一時休館中

その名の通り ワクワク期待が高まる!「エキサイトよこはま22」計画

――「横浜」駅周辺地区のまちづくりの指針がまとめられた「エキサイトよこはま22」について、概要や策定された背景についてお聞かせください。

川崎さん 「エキサイトよこはま22」というのは、「横浜」駅を中心とした周辺地区のまちづくりの基本的な方針をまとめたもので、2009(平成21)年に策定されました。横浜市だけではなく鉄道事業者や学識経験者、地元のまちづくり関係者にも参画していただきながら、行政と民間が連携、協働しながら作り上げた計画というのが大きな特徴になっています。

「エキサイトよこはま22」が作られた背景としては、現在の「横浜」駅は商業や業務といった都市機能も集積している首都圏有数のターミナル駅ですが、昭和40〜50年代にかけて建てられた建物も多く、建物の老朽化に対してどう取り組んでいくかということがひとつ課題としてありました。

また当時、羽田空港の国際化に向けた動きもあり、他都市との差別化も見据えながら「横浜」駅周辺地区の今後について考え始めていたというのもひとつのきっかけになっています。さらに「横浜」駅周辺地区は海や川に近いため治水安全度に対しての課題もあり、自然災害に対しての安全度も高めていきたいと、基盤整備も含めた一体的なまちづくりの方針をまとめたのが「エキサイトよこはま22」です。

行政と民間が連携、協働しながら作り上げた計画であることが特徴!
行政と民間が連携、協働しながら作り上げた計画であることが特徴!

国内はもちろん、国際競争力のあるまちづくりを!

――注目すべきポイントについて教えていただけますでしょうか?

川崎さん 「エキサイトよこはま22」は、まちづくりの考え方を示した「まちづくりビジョン」とそれに基づいた「基盤整備の基本方針」、行政と民間が連携、協働して再開発等を行う際のルールを示した「まちづくりガイドライン」の3つで構成されています。

「まちづくりビジョン」では、「選ばれるまち」「魅了するまち」「誇りに思うまち」の3つを大きな柱としてまちの将来像が描かれています。まず「選ばれるまち」というのは国際都市横浜の玄関口としてさらなる発展をさせて行きたいということで、国内のみならず世界からも選ばれるまちにして行きたいということが盛り込まれています。そのためにも海外の人が訪れやすいまちづくりであったり、自然災害に対しても安全度を高めて行くということが重要なポイントになっています。

また「魅了するまち」ですが、景観的な部分だけではなく人々が移動しやすいとか分かりやすい、つまりバリアフリーやユニバーサルデザインの視点も含めて心地良く満足してもらえるようなまちにして行きたいという思いが込められています。

そして「誇りに思うまち」は、われわれ行政だけではなく地域で活動している方々が自分たちで自分たちのまちを作り上げていくことによって、愛着を持ったり誇りを持つことにもつながったり、さらにまちが良くなって行くということを目指しています。

この3つをまちの将来像として掲げ、「横浜」駅周辺地区を国際都市横浜の玄関口にふさわしい国際競争力のあるまちにしていきたいと考えています。

みなとみらい21地区の「帆船日本丸」。1930(昭和5)年に建造され、世界を航海した練習帆船の現物です!
みなとみらい21地区の「帆船日本丸」。1930(昭和5)年に建造され、世界を航海した練習帆船の現物です!

地区の個性を生かし「選ばれるまち」へ

――地区ごとの特徴を生かしたまちづくりという点も大変興味深く、概要について教えていただけますでしょうか?

川崎さん 「横浜」駅周辺地区のまちづくりを進めるうえで、エリアごとに異なる特徴や個性をまちづくりに生かして行きたいということを考えておりまして、地区別のガイドラインも定めています。

まず「横浜」駅を中心としたセンターゾーンは商業・業務を中心とした土地利用になっています。飲食や買い物を目的に訪れる人も多く、経済活動のエンジンとなるようなエリアとしてさらにその強みを伸ばしていきます。

駅の北側に位置する鶴屋町地区は飲食店のほか予備校等もあり、次世代を担う若者を育てるようなまちの賑わいがあります。また南幸地区は飲食や買い物をする場所が多く、文化やエンターテイメントといった要素もあります。北幸地区は企業のオフィスが多く、ビジネスのまちといった雰囲気ですね。

平沼地区は「横浜」駅にも「みなとみらい21」にも近く利便性の高い地区だと思います。住宅も多いですね。このように地区ごとにカラーが異なっているため、それぞれの特徴や個性を伸ばしつつ、「選ばれるまち」にしていきたいと考えております。

「エキサイトよこはま22」のエリアはそれぞれに個性のある地区で構成されています
「エキサイトよこはま22」のエリアはそれぞれに個性のある地区で構成されています

計画はさらにバージョンアップ。駅前も、周辺も、ますます魅力的になる横浜市に期待!

――「エキサイトよこはま22」の策定から10年余り経ちますが、現在の状況や取り組みについて教えていただけますでしょうか?

川崎さん 概ね20年後のまちの将来を見据えて策定された「エキサイトよこはま22」ですが、折り返しとなる10年が過ぎ、今まさに今年度から更新に向けた準備を進めているところです。

これまで「横浜」駅西口駅前広場の改修や再編などを、約10年かけて基盤整備や機能更新を進めて参りましたが、歩行者空間の不足や、自然災害に対する新たな導線の確保など課題はまだ多く、さらにコロナ禍による人々の暮らし方の変化や公共空間も含めた駅周辺の整備を進めるにあたってどういうものが求められているのかという部分も含め、再評価・検証を進めることになりました。

「横浜」駅西口駅前広場はきれいに整備されて明るい印象♪
「横浜」駅西口駅前広場はきれいに整備されて明るい印象♪

例えば横浜市は2018(平成30)年に「SDGs未来都市」に選ばれ、それ以前の「環境未来都市」よりもさらに進んだ取り組みを進めています。「みなとみらい21」はすでに「脱炭素先行地域」に選ばれており新しい取り組みを進めておりますが、並行して開発が進む横浜駅周辺地区においてもあらためて考えなければいけない課題のひとつだと思っています。さらに駅前の建物だけが建て替わって終わりということではなく、その周りの地区も建て替え等によってさらに魅力的になって行くという相乗的な波及効果も目指していきたいと思い、目指すべきまちの将来像というものをもう少しわかりやすくできないかと考えております。

コロナやSDGsといった社会環境の変化やニーズへの対応、さらにわかりやすさという点も含めて「エキサイトよこはま22」の更新作業を進めて行きます。

開発が進む「横浜」駅きた西口鶴屋地区にも注目!

――横浜駅周辺地区で現在進行中の再開発の内容や進捗状況について教えてください。

川崎さん 現在動いている大きな開発は3つありまして、ひとつは鶴屋町地区の横浜駅きた西口鶴屋地区で再開発事業が進んでいます。2024(令和6)年に地上43階、地下2階の複合ビルが竣工する予定です。この開発は国家戦略住宅整備事業という国の制度を活用して容積率の緩和を受けているもので、グローバル企業の誘致につながる職住近接の居住環境を提供したいというねらいがあります。

開発が進んだ「横浜」駅西口。利便性と楽しさがバージョンアップしています!
開発が進んだ「横浜」駅西口。利便性と楽しさがバージョンアップしています!

また南幸地区では「(仮称)イオンモール横浜西口」が2023(令和5)年秋にオープンする予定で、商業施設とURの住宅を備えた施設として開発が進められています。さらに「横浜」駅の東口では、郵便局があるあたりでまちづくりの検討が進められています。われわれは「ステーションオアシス地区」と呼んでいるのですが、事業化に向けて鋭意取り組んでいるところです。

「(仮称)イオンモール横浜西口 」の完成も楽しみです!
「(仮称)イオンモール横浜西口 」の完成も楽しみです!

先進性・利便性とともに緑や昔ながらの風景も。住む街としての魅力

――現在の横浜市の魅力そしてこれから期待される横浜市の未来について感じることがあればお聞かせください。

川崎さん 横浜市の魅力と言うと、「横浜」駅周辺や「みなとみらい21」といった都心臨海部が思い浮かぶと思うんですけど、それだけではなくて郊外に行くと豊かな緑がいっぱいあったり、市内に限らず東京都心や湘南、鎌倉方面にもすぐに行けるようなアクセスの良さが魅力としてあるように思います。また、洗練された都会としての機能もあれば田舎の雰囲気を感じられる場所もあって、いろいろな要素がバランス良く混ざり合っているのが横浜市の魅力かなと思います。

横浜市の未来については、「エキサイトよこはま22」の更新作業が今まさにこれから始まるところで、国際都市横浜の玄関口にふさわしいまちづくりの方向性というものをよりわかりやすいかたちでお示しできると思います。

横浜駅周辺地区は「みなとみらい21」のように新しく埋め立てたところでまちづくりを進めて行くのともまた違い、商業や業務といった都市機能が集積する成熟したまちに対してどう機能更新していくかという部分の難しさがあるように思います。さらにこの地区には自分たちのまちを良くして行きたいという思いを持っている方々が多く、エリアマネジメントによるまちづくりの機運が高まってきているところだと思います。

そういった意味でもみんなで思いを共有しながらあるべきまちの将来像に向けて協力して取り組む「エキサイトよこはま22」に今後も注目していただければと思います。

世界最先端の都市型循環式ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」も横浜の新たな風景(桜木町から運河パークを結ぶ)
世界最先端の都市型循環式ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」も横浜の新たな風景(桜木町から運河パークを結ぶ)

――これから横浜市へ移り住む方へ向けてメッセージをお願いします!

川崎さん 横浜市はこれまで市内の4割ほどをあえて第一種低層住居専用地域に指定して高い建物が建てられないよう土地利用をコントロールしてきたこともあり、市内全域にわたって比較的良好な住宅地域が形成されています。

東京都心に近い北部と横浜市在住在勤の方が比較的多い南部とでおおまかに属性は分かれますが、それぞれの方が自分の住んでいる地域に愛着を持って生き生きと活動されているのを感じます。

西山さん 私は南部の方に住んでいるのですが、とかく横浜と言うとカタカナのヨコハマで、みなとみらい21のイメージが思い浮かぶんですけど、「横浜」駅から少し離れると緑が残っていたり昔ながらの風景も残っていて、今の生活に満足しています。

川崎さん 「横浜」駅周辺地区について言えば、駅の近くで利便性が高く暮らしやすいまちだと思います。毎日の生活に必要な食事や買い物はもちろん、何かしたいと思ったことに対しても何かしらの答えがあるところだとは思います。

横浜市の魅力についてお話しした内容とも重なりますが、横浜駅周辺地区では地区ごとの特徴や個性を生かしたまちづくりが進められているので、そういった要素がバランス良く混ざり合って、いろいろなニーズに応えられるあるいは満足させられるまちになるんじゃないかと思います。

行政と民間が連携、協働しながら魅力的なまちづくりを進める「横浜」駅周辺地区
行政と民間が連携、協働しながら魅力的なまちづくりを進める「横浜」駅周辺地区

横浜市都市整備局 都心再生部
横浜駅・みなとみらい推進課

担当課長 川崎 哲治さん
担当係長 西山 良樹さん
所在地:横浜市中区本町6-50-10
電話番号:045-671-3543
URL:https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/org/toshi/soshiki-gyomu/toshinsaisei.html
※この情報は2022(令和4)年8月時点のものです。

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