「コトニアガーデン新川崎」インタビュー

地域と人がつながる仕掛けがいっぱい!子どもとシニアを中心に賑わいを生み出す「コトニアガーデン新川崎」とは

コトニアガーデン新川崎
コトニアガーデン新川崎

JR「新川崎」駅から西へ徒歩10分ほどにある「コトニアガーデン新川崎」。多世代向けの施設を中心に、集合住宅、店舗、広場を配置し“ちいさな街”のように仕立てた空間。「多世代交流のまち」をコンセプトに掲げて設計されており、2018(平成30)年の春に開業して以来、周辺地域の人々にも広く利用されて親しまれている。

今回はこの「コトニアガーデン新川崎」の立ち上げと運営にかかわってきた、「ジェイアール東日本都市開発」の菅井亜沙美さん、熊野愛さん、木村美結さんの3名と、ガーデン内にある「にじいろ保育園北加瀬」の齋藤敦園長にお会いし、地域の魅力とそれぞれの施設の見どころについてお話を聞くことができた。

新川崎エリアの魅力について聞きました!

――まずは「JR東日本都市開発」のお三方に「エリアの魅力」についてお聞きします。この周辺のエリアには、どんな人々が多いという印象でしょうか?

「ジェイアール東日本都市開発」の3名
「ジェイアール東日本都市開発」の3名

菅井さん:この辺りには保育園が多く、お子さん連れのファミリーがすごく多いですね。ガーデンの中にある「にじいろ保育園」もそうですが、ほかに幾つも保育園や幼稚園があり、いま建設中の保育園もあります。学区の東小学校も児童数が増えていると聞いているので、ファミリーの方が増えている地域という印象です。

木村さん:コトニアを抜けたところに幼稚園がありますが、お昼を過ぎると、そこの幼稚園のお迎えのお母さんたちが、コトニアに大勢来て、お話をされています。そんなお母さんたちを中心にいろんなワークショップが開かれており、サークルなどの団体活動も、さかんな地域だと思います。

新川崎エリアはお祭りも盛んで、頻繁に行われています。コトニアのまわりには3つの町内会がありますが、そこで合同で8月にパレードを開催して、コトニアもそのルートに入れていただいています。お神輿はコトニアの芝生広場まわりで一度下ろされるので、私たちもその時に拍子木を打つ役に参加させていただいたり、地域の輪の中に入れていただいて、すごくありがたいです。

熊野さん:町内会はあたたかく、私たちはディベロッパーという立場ですが、親密にお付き合いをさせていただいています。お神輿以外にも餅つき大会や、盆踊り大会など、色々なイベントを催していて、そういうところも魅力的な街ですね。

「夢見ヶ崎動物公園」
「夢見ヶ崎動物公園」

――新川崎エリアの魅力について、それぞれお聞かせください。

菅井さん:すぐ近くに動物公園があるというのが、魅力のひとつだと思います。無料で入れるという動物園は、なかなか無いと思います。本当に素敵なところで、ここから歩いて5分くらいなんです!

熊野さん:私は「鉄道スポット」ですね。コトニア内にも施されているレールの案内板や白線の装飾もそうですが、新川崎駅まで行けば貨物線のターミナルが見渡せて、けっこう珍しい電車も走っていたりしますから、そういう点も、お子さんや、電車好きのパパさんにもオススメです。

木村さん:私はお神輿のパレードをおすすめしたいです。すごく楽しくて、温かい雰囲気があるパレードなので、是非みなさんにも、そういう温かさを感じてみていただきたいです。

「コトニアガーデン新川崎」とは

――では、施設についての内容に移っていきたいと思います。
そもそも、「コトニアガーデン」とはどんな場所で、なぜこの場所に作られたのでしょうか?

熊野さん:「コトニアガーデン新川崎」は2018(平成30)年4月に開業いたしましたが、施設としては、店舗棟、賃貸住宅、高齢者サービス施設、保育園の4つが一体となった施設になります。それぞれの施設は分棟になっていて、施設の間を広場がつなぐ形になっているのが特徴で、広場を通して、地域の皆様の交流が生まれたりと、地域に彩りを与えられるような街を目指して作られています。

この立地に関しましては、もともとこの場所にJRの社宅がありまして、その跡地を開発するという時に、従来からあった「コトニア」から一歩進んだ施設を作ろうということになって、計画が立てられたと聞いています。

レンガの壁が配されたデザイン
レンガの壁が配されたデザイン

――「コトニアガーデン」の建物、施設、デザイン等の面で、特徴がありましたら教えてください。

菅井さん:一番の特徴はやはり、「広場のスペースを広く取っている」ということですが、実際には、広場をまったく無しに開発することも十分にできました。でも、ここに皆さんに遊びに来ていただいて、日常的に過ごしていただける場にしたいという思いが強くありまして、このように、広場をかなりしっかりと取った作りになっています。

それぞれの広場についても、広場の中に山があったり、レンガのステージになっていたりと、いろいろな特色をもたせながら、人が居やすいような、イベントの時などにも使いやすいような形にしています。

広場の一部が山状になっている
広場の一部が山状になっている

――イベントの場としても活用されているようですね。具体的に幾つかご紹介ください。

熊野さん:一般の方にも広く開放しているものでは、高齢者施設の建物の1階の部分が「地域交流室」という部屋になっていまして、ここはどなたでも利用いただけるますので、普段から地域の方とか、子育て中のママさんなどが利用されて、にぎわいの場になっています。

定期的にワークショップが開催される入口の「タリーズ」
定期的にワークショップが開催される入口の「タリーズ」

ほかにも、各店舗さんでも独自のワークショップをされていたりして、たとえば、入り口にある「タリーズ」の店内では、地元のNPOの方と連携したワークショップが定期的に開催されていますし、子連れの方向けにいろいろな本やグッズも自由に使えるようになっていますので、お子さんと一緒の方でも、快適にお使いいただけると思います。ほかにも、お直しショップでも、いろいろなワークショップをされていますね。先日はトートバック作りをされていました。

施設主催で、「まちフェスタ」という大きなイベントを秋・春と年に2回開催しています。内容は、芝生広場のまわりでマルシェをしたり、レンガ広場のステージで歌の発表やダンスの発表をしています。

ほかにも、七夕の飾り付けだったり、地元の盆踊り大会だったり。盆踊りの時は、踊り自体は近くの公園がメイン会場ですが、こちらの施設までにぎわいの場を広げて、回遊できるような形になっています。地元の町内会さんがお神輿を担ぐときに、パレードの場としても使っていただいていますね。

――入居されている店舗や施設は、どのような観点で選ばれているのでしょうか?

熊野さん:まず第一に考えているのは、「地域の皆様に喜んでいただけるテナント」ということで、ここで生活を完結できるぐらいにバラエティに富んだ施設にお声がけをしました。結果的には、「タリーズ」、「地産マルシェ」をはじめとして、ジム、クリニック、薬局、学習塾、学童施設、習い事関連やパン屋さんなどが揃い「にじいろ保育園」と高齢者サービス施設の「弥生テラス」と合わせて、日常の広範囲のことがここだけでまかなえるようになっています。

「地産マルシェ」
「地産マルシェ」

――最後に、「コトニアガーデン新川崎」の将来のビジョンを教えてください。

熊野さん:今でも地域の皆様にかなり利用していただいているんですが、今後はもっともっと利用していただいて、活動の場にしていただければいいな、と思っています。この場所が地域の皆さんにとって「かけがえのない場所」になって、コミュニティを作る中心になっていってくれれば、私たちも嬉しいです!

「コトニアガーデン」ならではの多世代交流を実践
「にじいろ保育園」にもインタビュー!

続いて、コトニアガーデン内にある「にじいろ保育園」のにお話を聞いてみました!

「にじいろ保育園」の齋藤園長
「にじいろ保育園」の齋藤園長

新川崎エリアの子育て環境としての魅力

――にじいろ保育園さんがある、この新川崎エリアの子育て環境としての魅力を教えてください。

齋藤園長:このあたりは再開発されたのを機に、子育て世代の方がすごく増えたので、やっぱり、同世代の方はすごく多いようです地域の方同士でコミュニティもいろいろあるみたいで、園から「弥生テラス」を眺めていても、何かしら集まりがありますし、生活を楽しんでいる方たちが多いと思います。

子育て情報が満載の「おこさまっぷ」
子育て情報が満載の「おこさまっぷ」

あと、幸区では「おこさまっぷ」という子育ての情報が全部ここに網羅されている冊子を作っているので、子育て中の方にはすごくいいと思いますよ。

――地域の人々について、どんな方が多い印象ですか?

齋藤園長:私は下町の出身なんですけれど、この辺りにもそんな空気を感じますね。フレンドリーな方が多いと思います。保護者の皆さんに対して「一緒に、建設的にやっていきましょう」というお話をしていますが、そういう関係性がすごく持ちやすいですね。

――近くにある「子育て世代におすすめのスポット」を教えてください!

齋藤園長:やっぱり「夢見ヶ崎動物公園」はいいと思いますよ。うちの園でも散歩によく行かせてもらっています。ほかには、「さいわいふるさと公園」もいいですね。週末にふらっと、お弁当を持っていって、子どもと一緒に過ごすには、最適な場所じゃないかと思います。

コトニアガーデンに入っていることで生まれる相乗効果

――続いて、施設についてお聞きしたいと思います。まずは「にじいろ保育園」の概要について教えてください。

齋藤園長:「にじいろ保育園」はここ以外にも首都圏各地にあるのですが、全園共通の保育方針としては、「のびやかに育て だいちの芽」ということでやっていまして、「みとめ愛」「みつめ愛」「ひびき愛」という3つの言葉を掲げています。信頼、安定、共感というところですね。

ですので、まわりを取り巻く大人たちも一緒に、子どもたちを育てていきましょう、という点がいちばん大事にしているところです。「ひだまりのような保育園」ということで、地域と共生する、子どもと一緒に輝いていけるような保育園を目指しています。

「にじいろ保育園」
「にじいろ保育園」

――北加瀬園はその中でも、コトニアガーデンの中に入っているという特殊な園ですね。環境についてはいかがですか?

齋藤園長:おかげで環境はすごく整っていると思います。コトニアが「子ども+シニア」ということですから、私どもも、高齢者の方とも一緒に共生をして、交流をして、いいところをどんどん出しあっていこうということでやらせていただいています。

ただ、交流と言っても特別に時間を取っているわけではなくて、日々のどこかで交流をするという形を取っていて、お散歩の途中で毎日寄っているような感じですね。「おじいちゃんおばあちゃん、来たよ!」という感じで、毎日かわいがってもらって、“いいこいいこ”をしてもらって、それからお散歩に行っています。こういうことは、本当に身近にないと、なかなかできないことだと思いますね。

――イベントの時にも、お年寄りの方を招いたりされているそうですね。

齋藤園長:そうですね、運動会の出し物や、子どもたちの遊戯、体操などを見せに行ったりしていますし、逆に、発表会をこちらに見に来ていただいたりもしています。お年寄りの方にも、すごく喜んでいただいています。

あと、月に一度「誕生会」をやっていて、これも面白いんですよ。おじいちゃんおばあちゃんに来ていただいて、子どもたちと一緒にお祝いをしているんですけれど、1歳の子もいれば、その隣に90代の方もいるわけなので。子どもたちと一緒に「おめでとう!」ってお祝いしていて、喜んでくださっています。こういう光景も、コトニアならでしょうね。

敷地内で野菜も育てている
敷地内で野菜も育てている

――お年寄りとの交流で、子どもたちにはどんな良い影響があると思いますか?

齋藤園長:やっぱり、「何をするわけでもないんだけれど、褒めてもらえる」という体験が、すごく貴重なものだと思います。これは昔の日本では当たり前だったんだったんですけれども、核家族になって、そういう体験が少なくなってきてしまっていて。でも、無条件で褒められるということは、子どもたちが自分を確立する中ですごく重要な体験になってくるんですね。それをこの距離で、日常的にできるということは、すごく大きなメリットで、うちの子どもたちは恵まれていると感じます。

小さな子どもたちだと、まだその効果というのは見えてこないんですけれど、やがて幼児さんになって、自己主張をするようになってくると、この「褒められた」という経験が「自分はこのままでいいんだ」っていう自己愛につながって、すごく大きな力になっていくと思いますね。