スペシャルインタビュー

地域の子育て拠点としての役割も担う「幼保連携型認定こども園 YMCA とつか保育園」

JR・市営地下鉄「戸塚」駅から徒歩7分。「YMCA とつか保育園」は、2019(平成31)年4月から幼稚園と保育所の機能を併せ持つ幼保連携型認定こども園になった。横浜市内の移行第一号だ。今回は、齋藤信園長に、保育の特長や戸塚エリアの魅力などを聞いた。

一人ひとりの人格を尊重して子どもと向き合う

三角屋根が印象的な外観
三角屋根が印象的な外観

――まずは園の概要をお聞かせください。

齋藤園長:1999(平成11)年4月に開園し、今年で20周年を迎えました。定員は132名ですが、現在は143名が在園(2019(令和元)年9月現在)。加えて一時保育の子たちもいます。0歳児クラスから5歳児クラスまで6つのクラスがあり、常勤・非常勤を併せて42名の職員がいます。

天窓から光が入る、明るい玄関
天窓から光が入る、明るい玄関

――「YMCA」とはどんな団体ですか?

齋藤園長:キリスト教の精神に基づく教育事業や地域社会への奉仕活動、国連のNGOの一員として難民救済などの社会活動を行う国際団体です。19世紀にロンドンで生まれ、2019(令和元)年9月現在、世界120の国と地域で活動しています。

齋藤信園長
齋藤信園長

――保育の特色をお聞かせください。

齋藤園長:「YMCA」の保育園には、主に5つの特色があります。①子どもの主体性を育む保育、②自然に触れ、健康な心と身体、豊かな感性を育む保育、③さまざまな活動や遊びを通して子どものやってみたい気持ちを大切にする保育、④違うことの大切さを認める保育、⑤仲間と共に育ちあう保育、の5つです。「きょうだい」のように育ち合う「異年齢活動」や、遊びや散歩の行き先を自分たちで決める「選択あそび」などを通して、子どもの「やってみたい」という気持ちを大切に教育・保育をおこなっています。これらの原点には、一人ひとりをかけがえのない存在として尊重するキリスト教の精神があります。

夢中で積み木遊びを楽しむ園児たち
夢中で積み木遊びを楽しむ園児たち

――キリスト教ならではの保育活動はありますか?

齋藤園長:日常生活の中でお祈りや礼拝の時間を持っています。その中で優しさ、いのちなど目には見えない大切な価値を伝えています。また年間を通してイースター、花の日、収穫感謝、クリスマスなどがあります。

自力で登れる子でないとツリーハウスには上がれない。その試行錯誤の過程も子どもの成長には大切な時間
自力で登れる子でないとツリーハウスには上がれない。その試行錯誤の過程も子どもの成長には大切な時間

――子どもたちと接する際には、どんなことを心がけていらっしゃいますか?

齋藤園長:人格を持った一人の人間として尊重し、子ども一人ひとりを「愛する」ことを大切にしています。その上で、子どもの気持ちに寄り添い、心の声を聴くように努めています。大切にされることで、子どもたち自身にも、自分や他者を大事にする気持ちや、世の中への信頼が生まれてくると思います。 また、大人の都合ではなく子どもにとってどうなのか、子どもの「今」を大切にできるよう心がけています。

毎日の園庭開放など、地域の子育て支援に注力

室内の一角に設けられた絵本コーナー
室内の一角に設けられた絵本コーナー

――この春から認定こども園へ移行されたそうですね。移行によって変わった点などはありますか?

齋藤園長:これからの教育・保育と地域の子育て拠点としての運営を見据えて、幼保連携型認定こども園に移行しました。福祉と教育の両機能を備えた施設として、教育・保育の質を一層高めていきたいと考えています。また、地域の子育て支援をより充実させて、一時保育のほか、園庭開放を原則毎日午前10時~午前11時で実施し、未就園児をはじめとする地域の親子にご利用いただいています。地域の誰もが利用できる「絵本図書館」コーナーも設け、この夏から本の貸し出しを始めたところです。

たくさんの親子が参加して補修した、園庭の築山
たくさんの親子が参加して補修した、園庭の築山

――ほかにも親子で参加できるイベントがあるとお聞きしました。

齋藤園長:地域の方を対象にした子育て支援プログラム「おひさまの会」があります。当園では月に1~2回、親子で楽しめるイベントを企画しています。内容は、在園児との交流保育、離乳食試食会、絵本の読み聞かせ、ベビーマッサージなどを行っています。開催日の前月25日から申し込みを受け付けています。

舞岡での田んぼ活動の様子
舞岡での田んぼ活動の様子

――一時保育についても教えてください。

齋藤園長:週3日の利用が上限の「非定型保育」、保護者の病気などの場合に使える「緊急保育」があります。保育時間は平日の午前8時半から午後4時半。離乳食終了後から2歳児までのお子さんを、「こぐま組」というクラスでお預かりしています。定員は一日あたり10名で、日額2,900円です。希望利用月の前月20日までに、申し込んでいただきます。

安全でおいしい給食を自園調理で提供
安全でおいしい給食を自園調理で提供

――こだわりの給食についてもご紹介ください。

齋藤園長:当園では、「横浜YMCA保育園」全園共通のメニューを提供しています。多くの栄養士が知恵を集め、食物アレルギーがある子も除去せずに対応できる内容を考案しています。栄養バランスの取れた、手作りの給食です。素材は安全にこだわり厳選していて、主食となるお米は、岐阜県の山田さんが育てている「山ちゃんの米」。厳しい放射能試験をクリアした減農薬米です。

親しみやすい里山の自然が、戸塚エリアの魅力

――地域の団体や企業と連携して進めている取り組みはありますか?

齋藤園長:真っ先に思い浮かぶのは、NPO法人「舞岡・やとひと未来」に協力いただいている「田んぼ活動」ですね。「舞岡公園」内の田んぼで、5歳児を中心に年間を通じて米を育てています。あとは、さまざまな団体に学びや活動の場として利用していただいています。例えば中学生、高校生が保育体験に来たり、就労や自立を目指す障がい者が園内の清掃などを手伝いに来たり。さまざまな人々との交流は、園児が共生社会を体感する貴重な機会になっています。

戸塚の自然の中でのびのびと育つ子どもたち
戸塚の自然の中でのびのびと育つ子どもたち

――最後に、エリアの魅力や子育て環境についてお聞かせください。

齋藤園長:畑や雑木林など、昔ながらの里山が残っているのがいいですね。園児たちが「トトロの森」と呼んでいる森は、春にはたけのこを見つけたり、秋には落ち葉を楽しんだり、冬には霜柱をザクザク踏んで歩いたり、五感で楽しんでいます。近くには学童クラブやプールを備えた「湘南とつかYMCA」もあり、子育てには良い条件が整っているエリアだと思います。

幼保連携型認定こども園 YMCAとつか保育園

齋藤信 園長
所在地:神奈川県横浜市戸塚区上倉田町865-71
電話番号:045-870-3663
FAX番号:045-870-3664
URL:https://hoiku.yokohamaymca.org/totsuka/
※この情報は2019(令和元)年9月時点のものです。