スペシャルインタビュー

800名以上の生徒数で学習・行事・クラブ活動が活発な「横浜市立十日市場中学校」

多くのマンションが立ち並び、今もなお、新しい建物が増え続けている十日市場の高台エリア。この人気の邸宅街の一角にある「横浜市立十日市場中学校」は、生徒数800名以上という生徒数で、学業はもちろん部活動での活躍も目覚ましい中学校である。今回はこちらで2015(平成27)年から校長を務められている八木範夫先生を訪ね、学校の特徴と大切にしている理念、地域との関わりなどについて幅広くお話を聞いた。

学校長の八木範夫先生
学校長の八木範夫先生

――まずは、中学校の沿革を教えてください。

八木先生:本校は現在830人ほどの生徒が在籍し、学校生活を送っています。創立はちょうど、最初の東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年でして、もともとは別の場所にあった学校ですが、2001(平成13)年に、この場所に移転しました。

学区が広範囲に広がっているのが特徴のひとつで、一番遠いところですと、50分くらいかかって歩いてくる生徒もいます。広い学区の中には、緑区という名前にふさわしいような自然あふれる地域から、緑を生かしつつ現在開発が進んでいる地域もありまして、少子化と言われる中でも、生徒数が少しずつ増えているような、“これからの街”というところにある学校です。

広くてきれいな校舎
広くてきれいな校舎

――まだ新しさの感じられる広い校舎ですね。

八木先生:とはいえもう20年近く経っている校舎ですが、横浜市の中では比較的新しい建物ですので、バリアフリーの面だったり、スペース的なところでは、余裕のある校舎になっているかと思います。また、廊下も広いですし、小さなホールなどもいくつかありますし、体育館は横浜市内でも一番の広さのものだと聞いています。

体育館
体育館

――日常の授業やカリキュラムの中で特に力を入れている部分を教えてください。

八木先生:やはり基礎的な学力をきちんと身につけるということが、義務教育の最も大事な部分ですので、着実に学習できるような授業体制をとっています。例えば、数学では少人数での授業を行っていますし、英語もTT(チームティーチング)で、複数の教員で授業を行うようにしています。

――教育活動の中で、特徴的な部分があれば教えてください。

八木先生:学校行事の中では、大きなものが2つありまして、ひとつは「体育祭」、もうひとつは、「輝響祭(ききょうさい)」と呼ばれている文化祭です。この2つが、全校で一緒に行うものでは中心的な行事になっています。

特徴的なものでは、同じく3年生になりますが、卒業期になると、「地域の人から学ぶ」という取り組みをしていまして、一つは、消防署の方にご協力をいただいて、生徒全員に、救急救命講習を受けて、認定をしていただくというものがありますし、福祉協議会の方にご協力をいただいて、認知症のサポートのための講座も、生徒全員が受けています。

――「輝響祭」について、詳しくお聞かせいただけますか?

八木先生:「輝響祭」は合唱を中心に行う文化祭になります。「輝響祭」という名前になったのは十数年前からなんですが、今では地域にも、「文化祭」ではなく「輝響祭」という言葉で根付いてきていますね。合唱の時には、多くの地域の方が楽しみにして、聴きに来られています。この経験は、子どもたちの中でも大切なものになっていると思います。

ただ、今年はこの状況下で合唱祭ができなかったので「こういう状況下でも、何かをできないか」と子どもたちと先生方で話し合いをしまして、ひとり1枚のステンドグラスを作ってつなげて、「輝響祭」の時に展示しました。夜などはすごく綺麗に見えるので地域の方にもすごく好評を頂きましたね。

合唱に代わる形でステンドグラス展示をした形ですが、「ひとりひとりが作ったものをつなげて、ひとつの作品にする」という要素は合唱とよく似ているので子どもたちにとっても意義のある、思い出に残る活動になったのではないかな、と思っています。

「輝響祭」で展示されたステンドグラス
「輝響祭」で展示されたステンドグラス

――地域の方と関わりながら行う活動、行事などがあればお聞かせください。

八木先生:夏休みを中心とした長期休業期間に、地域の方がボランティア活動の募集をしてくださって、それに生徒が応募して、それぞれの興味をもった分野で活動をする、ということを行っています。全員参加ではなくて希望制ですけれども、十数年続いているものになりますね。特に夏休みのものは「夏ボラ」という言い方をしていて、参加する子どもの数も数百名と非常に多いものですから、地域の方にはその言葉ですっかり定着しています。

――どんなボランティア募集がありますか?

八木先生:たとえば、子育て支援のNPOに、小さな子の相手をしに行ったり、森の維持をされているNPOにお手伝いに行って下草刈りをしたり、ご高齢の方への食事のサービスのお手伝いに行ったり、地域のお祭りなど地域の行事のお手伝いをしたりといった形で、バラエティに富んだ内容になっています。

地域のボランティアにもたくさんの生徒が参加する
地域のボランティアにもたくさんの生徒が参加する

――部活動もいろいろな大会で活躍されているそうですね。活躍状況を教えてください。

八木先生:本校には、関東・全国大会クラスの部もいくつかありますが、私としては、「特にこの部活が強い」ということではなく、どの部も、「自分たちの最大限を発揮する」という意味では、等しく頑張ってくれていると思っています。

もちろん、大会というものがあるので、そこで成績という形になるわけですけれども、県大会以上の上位大会には、年間十数部が出ていると思います。関東・全国クラスの部もあります。ただ、どこの部も「特別な何か」をしているわけではなく、日常の積み上げの中で成果を出している、という形になります。

珍しい部をひとつ挙げるとしたら、天文部かもしれませんね。横浜市ではうちだけだと思います。プラネタリウムを持っていて、文化祭の時には星の解説をしていますね。

部活動も盛ん
部活動も盛ん

――先生方が生徒との関わりの中で大事にしていることは何でしょうか?

八木先生:私は「人と社会がつながっていくための力」というものが、子どもたちにとって最も大切で、将来役に立つ力だと思っています。

もちろん教科の能力だったり、実力だったり、部活動の力だったり、どれも大切なことなんですが、最終的には、人や社会とつながれる、相手のことを理解して生きていける、ということが一番だと思っています。

学校目標にも「自ら学び、つながり、ともに生きる」という言葉があるわけですが、つながりとか共生とか、そういった部分を、今後ももっともっと、大切にしていきたいと思っています。

学校教育目標
学校教育目標

――十日市場エリアの魅力を教えてください。

八木先生:やはり、自然が豊かにあることでしょうか。いろいろな開発もありますけれども、それらも自然を生かしながら進んでいるという中で、人が生活するにはとても心地よい、バランスの良い環境が整っている街だな、と感じています。

もうひとつは、地域の方々ですね。住んでいる方々がすごく温かいです。学校目標にもある「つながり」を、子どもたち自身も意識できるような、街とつながったり、社会とつながったりという経験ができるような、温かさがある地域だと思っています。

学校や教育関係の施設が多い点もいいですね。本校は学区が十日市場駅と、隣の中山駅あたりまでと非常に広いわけですが、その範囲に小、中、高校、大学まで、10以上の学校がありますので、朝夕などは、生徒や学生の姿がすごく多いんですね。「学生の街」とまでは言えないですけれども、「学ぶ街」という雰囲気はあると思います。

――最後に、学校周辺のおすすめスポットを教えてください。

八木先生:やっぱり、森を歩くのがいちばん気持ちいいですね。近くに「新治市民の森」という素晴らしい森がありますので。私は、春先がいちばん好きですね。うちの吹奏楽部も、その森の入り口のところで、毎年演奏会をやっているんですよ。あとは、農家の方も多いところですから、駅前で農産物の直売市をやっていることがあって、そういう場所に出かけても楽しいと思います。

新治市民の森の散策路
新治市民の森の散策路

横浜市立十日市場中学校

校長 八木範夫先生
所在地:横浜市緑区十日市場町1501-42
電話番号:045-981-0360
URL:https://www.edu.city.yokohama.jp/sch/jhs/tookaichiba/
※この情報は2020(令和2)年12月時点のものです。