活気あふれる街の中心にたたずむ、地域に根ざした大規模校「川崎市立高津小学校」
東急田園都市線「高津」駅から徒歩4分。街の中心部にある「川崎市立高津小学校」は、市内有数の大規模校であり、同時に伝統校である。学校の周辺には、今でも同校の卒業生が暮らしており、地域の人々はいつもあたたかい目で学校を見守っている。
今回はそんな「川崎市立高津小学校」の飯塚正行校長先生を訪ね、歴史や校風、地域の人々とのつながりについてお話を伺ってきた。
親子3代が通う、川崎市内でも歴史ある「川崎市立高津小学校」
――まずは「川崎市立高津小学校」の沿革、校風について、地域に根ざした歩みを交えて聞かせていただけますか。
飯塚校長先生:本校は1873(明治6)年、「宗隆寺」を仮校舎として開校した「溝口学舎」を前進とする学校ですが、「旧・高津村立尋常高等高津小学校」として開校した1912(明治45)年7月4日を本校における正式な開校日としています。
飯塚校長先生:全学年6学級、児童数は1,200名を超える大規模校で、地域とそこに住むあたたかい方々に見守られながら、子どもたちは学校生活を送っています。
地域の“子どもを街で育てよう”という気風も影響しているのかもしれません。素直で、何事にも主体的に取り組む子どもが多いように感じます。
――授業の工夫、体験学習、学校行事など、貴校ならではの取り組みについてはいかがでしょうか。
飯塚校長先生:本校の学校教育目標は、“わたしたちのふるさと たかつを愛し、明日も来たくなる楽しい学校の実現”です。学習の柱として、学区の特色である、さまざまな材を生かした「ふるさとカリキュラム」を取り入れており、“ふるさと たかつを知り、自分とまちの未来を考えよう”という教育活動に全学年で取り組んでいます。子どもたちが地域への愛着や誇りを持ち、自らの地域や将来について主体的に考える力を育むことを目的としています。
飯塚校長先生:1年生のテーマは「学校を知る」、2年生では「まちを知る」、そして3年生では「まちの中の人が集まる施設に絞り、どのような思いで作られ運営されているのか」を学びます。4年生は「さまざまな人と関わりながら、ゴミ拾いやコンポストづくりを通して環境に関心を持ちます」。5年生は「地域にある“北工業会”の見学等を通して、それぞれ企業の環境への努力を学びます」。6年生では「街の歴史を学び、これまで関わってきた沢山の人の思いを振り返り、ふるさとをより良い場所として残すために、自分に何ができるかを考える」といった学習を行っています。

飯塚校長先生:それ以外の特徴としては、6年生が対象の学校で宿泊するサマースクールがあります。子どもたちにとって楽しいイベントであると同時に、避難所にもなる学校での過ごし方を体験するという防災訓練としての側面もあります。

――児童や保護者の方々の学習に対する意識はいかがですか。
飯塚校長先生:保護者や地域の方々についてですが、子どもたちの学習をはじめ、学校生活が楽しいものになるように、いつも主体的にご協力いただいています。また、地域の野球、サッカー、バレー、バスケットボールのクラブチームに所属するなど、学習だけでなく、運動に対する意欲、興味を持っている子どもが多いです。
地域で見守る高津区の安全に対する取り組み
――子どもたちの登下校時の安全確保に関し、学校・保護者・地域はどのような取り組みをされていますか。
飯塚校長先生:「安全パトロール」ということで、地域の4団体が登下校時の見守りをしてくれています。子どもが知らない人についていかないように、「安全パトロール」のメンバーを入学してすぐに紹介し、同じ場所を同じ方が担当します。このような日々の活動について、学校としても心から感謝しております。

――近隣施設との連携や、地域行事への参加など、学校と地域との関わりについて聞かせてください。
飯塚校長先生:毎年7月に開かれる「高津区民祭」をはじめ、大きな街の行事には、本校のブラスバンドや和太鼓クラブが参加することになっています。また、ボランティアで読み聞かせをしてくれる方のなかには、歴代の校長先生もいらっしゃいます。
他には、「川崎市大山街道ふるさと館」という街の歴史を伝える施設があるのですが、学校の教育活動にはいつも大変ご協力いただいています。

高津エリアの変わるよさと変わらぬよさ
――校長先生から見て、高津エリアで子育てをする魅力はどのようなところですか。
飯塚校長先生:私自身、この地域で生まれ育ちました。開発によって街の様子は変わりましたが、人と人とのつながり、ぬくもりについては昔から変わっていません。東京や横浜にも近く、都心にも出やすいため、とても便利で、住みやすい街だと思います。
飯塚校長先生:近年、元気のない商店街が増えているなかで、この街の商店会は「高津一番街商店会」をはじめ今でも活気があり、その活力が街に明るさをもたらしています。この街で産まれ、育った子どもたちにとってこの街は故郷です。この街に愛着を持ち、どうか好きになってもらえたらなと思っています。
――最後に、この街に住み、子育てを始める方へメッセージをお願いできますか。
飯塚校長先生:行政や町内会は、歴史ある行事を大切にしながら、新しい時代に合った整備に取り組んでおり、子育て支援から高齢者支援まで、さまざまな世代が健康で、安心できる生活を応援してくれます。実際の暮らしの中で、その魅力を実感できるはずです。

川崎市立高津小学校
校長 飯塚正行先生
所在地:神奈川県川崎市高津区溝口4-19-1
電話番号:044-822-2630
URL:https://kawasaki-edu.jp/2/309takatu/index.cfm/1,html
※この情報は2025(令和7)年9月時点のものです。
