「湘南台地区郷土づくり推進会議」スペシャルインタビュー

地域特性を活かしたまちづくり事業/湘南台地区郷土づくり推進会議 河合恒二さん

1964年(昭和39年)に着手された藤沢市都市計画北部第一土地区画整理事業計画により、一面が農地であった現在の湘南台地域の開発が始められ、1966(昭和41)年に小田急江ノ島線「湘南台」駅が開設されて以降、発展を遂げてきた湘南台地区。小田急電鉄・相模鉄道・横浜市営地下鉄の3路線が乗り入れる「湘南台」駅を中心とし、利便性を持ちながらも緑豊かな自然が残る、都市と田舎の融合が魅力のエリアです。年内に予定されている相鉄線のJR乗り入れにより、交通網はさらに便利になり、都市開発が進められると予測されています。
そんな中、今回注目したのは、「湘南台地区郷土づくり推進会議」(以下、郷土づくり推進会議)。地区の発展を見守りながら、まちづくりを進めてきた地域団体に、湘南台地区の現在と未来について、まちづくりの方針や構想について、郷土づくり推進会議委員を務める河合恒二氏にお話を伺いました。

「湘南台地区郷土づくり推進会議」河合さん
「湘南台地区郷土づくり推進会議」河合さん

地域の声を集約して、課題解決に向けた提案を行う

――まず最初に、「湘南台地区郷土づくり推進会議」とは、どのような団体かご紹介いただけますでしょうか。

河合さん:市民参画によって、地域の特性を活かした郷土愛あふれるまちづくりを推進することを目的に、藤沢市が市内13地区それぞれに設置した団体組織です。湘南台には、約3万人で構成されている33の自治会があります。その中の地域6団体「自治会連合会」「社会福祉協議会」「生活環境協議会」「交通安全対策協議会」「防犯協会」「青少年育成協力会」、それから「地域協力者会議」「老人クラブ連合会」「社会体育振興協議会」「民生委員児童委員協議会」「湘南台東口商店街協同組合」「湘南台商店連合会」の6団体から1名ずつ推薦された委員計12名と公募によって集められた委員9名、合計21名で構成されている組織になります。月1回会議を開き、地域の意見を集約して地域課題解決に向けた方策を検討し、市への提案や事業を推進するというのが主な役割です。

「湘南台市民センター」で月1回会議が開かれている
「湘南台市民センター」で月1回会議が開かれている

――市民の声を行政に届ける橋渡しの役割を担われているんですね。具体的には、どのような活動をされているのでしょうか。

河合さん:月1回くらいの頻度で、様々な地域まちづくり事業に取り組んでいます。2018(平成30)年度には、大きく分けて5つの事業に取り組みました。
「藤沢市立湘南台中学校」の1年生の職業観や勤労観を育てることを目的に、卒業生を中心に様々な分野で活躍している方を講師として学校へ招き、仕事についての話を聞く「ようこそ先輩in湘南台」。それから、子育て世代向けに子育て関連情報の提供や相談等の支援を行う「湘南台子育て応援メッセ」。また、地域活動を支える地域サポーターの養成講座「ゆめまる地域塾」や地域特性を活かした文化創造事業として、ビッグ錠氏をはじめ湘南台ゆかりのマンガ家の作品展示やサイン会を実施した「湘南台グルマン祭」、湘南台駅地下にあるイベント広場で約20,000枚の短冊を飾った「湘南台七夕まつり」なども開催しました。その他にも、湘南台地区の良好な自然環境を有効活用した「緑の回遊路事業」など、「川と緑に囲まれ、豊かな文化を育て、みんなで創るまち湘南台」というまちづくりのテーマに沿った事業に取り組んでいます。

「湘南台子育て応援メッセ」
「湘南台子育て応援メッセ」

――実際行った各事業には、どのような方が参加されたのでしょうか。

河合さん:各事業によって異なりますが、例えば、「湘南台子育て応援メッセ」には、土曜日の休日に開催したこともあって、小さいお子さんのいるお父さんやお母さん、総勢約700名の参加がありました。「湘南台グルマン祭」には、市内だけではなく、市外などの遠方からもファンの方がいらっしゃってくださいました。地域を支える人材育成のための「ゆめまる地域塾」は、60代の退職された方々が主な参加者で、地域貢献がしたいという意欲のある参加者が多かったですね。

ハード・ソフト両面からまちづくりを推進

――今後、さらに湘南台を盛り上げていくために、新しく計画している事業やイベントはありますか。

河合さん:今年2019(令和元)年4月から、「湘南台」駅東口の線路側に新しく駐輪場が供用開始となりました。該当場所は、これまで駐輪禁止だったのですが、駅地下の駐輪場は常に満車で、長期契約の場合、2年先くらいまで空きが出ないほどの状況です。1日100円で借りることもできますが、数が限られているので、すぐに一杯になってしまうという課題がありました。さすがにこれは何とかしなければということで、駐輪禁止になっていた空スペースを駐輪場にすることを郷土づくり会議で提案し、市長と打合せをした際に申請して認められた事業の例です。

現在の「湘南台」駅地下通路
現在の「湘南台」駅地下通路

それから、名称はまだ決まっていませんが、駅地下の再活性化プロジェクトも検討中です。湘南台の地域特徴の一つとして、駅地下のスペースが広いということがありますが、その駅地下をさらにきれいにして活用していこうという取り組みです。照明を明るくし、壁の色を塗り替えたり、既存のステージの音響設備などを整備し、小中学生の描いた絵を展示したり、もっと多くの人にステージを利用していただきたいと考えています。

また、すでに動き始めたものとしては、「湘南台歴史散歩」があります。もともと、共催で「藤沢市立湘南台小学校」が境川を散歩する行事に協力していたのですが、それとは別の事業として郷土づくり推進会議が独自に取り組んでいこうということで、2020(令和2)年1月からスタート予定です。

若者から高齢者まで、幅広い世代の人に好きになってもらえる街へ

――そうした新たな事業を含め、これからますます発展していく湘南台地区で、どのようなまちづくりを目指される予定でしょうか。

河合さん:藤沢市内の人口比率を見ると、湘南台は、他の12地区に比べて、14歳以下と65歳以上の人口層比率が最小で壮齢年齢が多い傾向にある、バランスのとれた街です。日本全体の社会傾向として高齢世代も増えていきますが、そんな状況下で、どうやって若い人たちに行事に参加してもらうか、という点が大事だと思っています。なかなか難しいことではありますが、全世代にいかに湘南台を好きになってもらい、いい街だと思ってもらうか、挑戦ということですね。湘南台は、近隣に3つの大学があり、学生の多い地区でもあります。若い学生の方達にも、「住んで良かった、また住みたい」と思ってもらい、しばらくしたらまた戻ってきてもらえるような地域になればいいなというのが、私個人の希望としてあります。そのためにも、様々なまちづくり活動に取り組んでいく予定です。

年4回発行の機関紙『ゆめたま』では、公募委員を募集している
年4回発行の機関紙『ゆめたま』では、公募委員を募集している

また、そうした目標とすぐに結びつくものではないですが、例えば「湘南台歴史散歩」の事業も、湘南台の良さを幅広い世代の方に紹介できればいいなと思って始めた企画です。普段の生活では気づかなかったけれど、この歴史散歩に参加して街を歩いてみたら、何気ない地域の良さを発見できた、といったことにつながればうれしいですね。地域のために何かをやるまではいかなくとも、まずは好きになってもらい、そのうちの何人かがこの街のために何かをやろうと取り組んでくれればいいなと思っています。

――ありがとうございます。では最後に、湘南台のまちづくりに取り組む河合さんが感じる街の魅力を教えてください。

河合さん:湘南台は、その名の通り、両側を境川と引地川に挟まれた台地です。50年前は駅もなく、農地が広がっていましたが、現在は開発が進み街並みも変化してきました。桜並木や緑豊かな田んぼ、遊水池などがある川沿いを歩いて「湘南台」駅方面へ行くと都会の街並みが広がっている、この田舎風景と都会の風景のコントラストが、湘南台というエリアの一番の魅力だと思います。

「湘南台」駅前。少し歩けば緑もあり、まさに“都会の風景と田園風景のコントラスト”が感じられる
「湘南台」駅前。少し歩けば緑もあり、まさに“都会の風景と田園風景のコントラスト”が感じられる

湘南台地区郷土づくり推進会議 河合恒二さん
湘南台地区郷土づくり推進会議 河合恒二さん

湘南台地区郷土づくり推進会議

郷土づくり推進会議委員 河合恒二さん
URL:https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/jiti-s2/kurashi/shimin/chiiki/suishinkaigi.html
※この情報は2019(令和元)年10月時点のものです。