川崎市の地域生活拠点が目指す次のステージとは?「川崎市まちづくり局」で聞く

東急田園都市線「鷺沼」駅周辺は、実に落ち着きのある街並みが広がっている。駅前の桜並木はその象徴といえるかもしれない。一方で、街の持っている可能性を十分に活かしきれていないという状況から、未来を見据えた新たなまちづくりが現在検討されている。今回はまちづくり局・市街地整備部地域整備推進課のお二人に、お話を伺ってきた。

今回お話を伺った、五十嵐さんと若林さん
今回お話を伺った、五十嵐さんと若林さん

現状を踏まえ、未来を見据えたまちづくり

――「鷺沼」駅周辺における再開発事業の概要を聞かせてください

若林さん:もともと東急田園都市線の終着駅は「溝の口」駅だったのですが、東急電鉄が鉄道を延伸しながら計画的に宅地整備・区画整理事業を手がけてきたことで、現在の「鷺沼」駅周辺の落ちついた街並みができあがりました。一方で、そのような住みやすい街というのは、街を変えようという機運が高まりづらい環境ともいえ、結果として「鷺沼」駅周辺には昭和40年代に建てられた古い建物が残っています。

川崎駅周辺地区・小杉駅周辺地区・新百合ヶ丘駅周辺地区の広域拠点に次ぐ地域生活拠点(鷺沼・宮前平駅周辺地区)でありながら、土地の高度利用が図られておらず、駅前広場も「鷺沼」駅が開業した当時と変わっていないというのが現状です。今後、「鷺沼」駅と少し離れた宅地とを結ぶバス路線の需要がさらに高まると予想されるため、交通広場の拡大を含め、将来を見据えた再開発の必要性が出てきました。

――東急電鉄と「包括連携協定」を締結された背景にはそのような事情があったのですね?

若林さん:「包括連携協定」を締結したのは2015(平成27)年6月です。それを契機とし、駅前広場の再編整備とともに、多様な都市機能の集積と、交通結節機能の強化に向けた取組を推進していくことになりました。東急グループのまちづくりのノウハウと、川崎市が持っている資源を活かし、地域の特性を踏まえた持続可能で利便性の高いまちづくりをしていくことになったのです。

――計画・検討段階で構いませんので、現時点での動きをお教えください

若林さん:特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区に該当するのは約11haで、そのなかの約1.9haが、土地利用方針(案)に基づき、交通広場やオープンスペースの整備、また住み替えの促進に資する土地利用を的確に誘導する地区となります。ここでは主に、商業、都市型住宅、文化・交流、子育て支援、交通広場などが用途となります。都市機能を導入しながら多様なライフスタイルに対応できる生活拠点機能の向上を図り、より生活しやすいまちづくりを目指していきます。

川崎市の地域生活拠点が目指す次のステージとは?「川崎市まちづくり局」で聞く
川崎市の地域生活拠点が目指す次のステージとは?「川崎市まちづくり局」で聞く

――再開発によって、通勤・通学のアクセス性に変化はありますか?

若林さん:“公共交通の需要が高まる”と申し上げましたが、それを想定して交通広場の拡大も検討しています。現状は4バースしかなく、バスの乗車も降車も区別がないため、乗車に6バース、降車に2バース、さらに身障者のスペースを確保した新たな交通広場にする案もあります。それが実現すれば、状況によってはバスの増便も考えられます。

「鷺沼」駅前交通広場の様子
「鷺沼」駅前交通広場の様子

閑静から完成へ

――目標・展望はいかがでしょうか

五十嵐さん:アンケートによると宮前区は、災害に対して安心というイメージがあるようですが、一方で、「通勤・通学の便利さ」や「買い物の便利さ」など利便性に関する項目は、平均より低くなっているというのが現状です。こうした部分を再開発によって底上げし、それを加速させることで宮前区、さらには川崎市を“選んでいただける街”にしていけるのではないかと考えています。子どもから高齢者まで、幅広い世代に目を向けながら一体的なまちづくりに貢献していきたいですね。

――「住まいの場」として、「鷺沼」駅を中心とする街の魅力についてお教えいただけますか?

五十嵐さん:「鷺沼」駅から歩いてすぐのところに、いわゆる“閑静な住宅街”とされる一種低層住居専用地域が広がっています。また、宮前区は、7区の中で生産緑地地区が最も多く、川崎市の特産品「宮前メロン」の存在などの地域資源が、区全体の落ち着いたイメージに貢献しているように思います。急行停車駅の優れたアクセス性とともに、区内の商店街としては最大規模をほこる「さぎ沼商店会」の存在も魅力ですね。

「鷺沼」駅周辺の街並み
「鷺沼」駅周辺の街並み

若林さん:沿線の魅力的な各駅が生活圏内にあるというのは、とても大きなことだと思います。この街の将来性、そして新しい街と歴史のある「さぎ沼商店会」の異なる表情が、街の魅力として新たに添えられるのではないかと感じています。

あああ
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川崎市まちづくり局 市街地整備部地域整備推進課

課長 若林禎浩 さん(写真右)、担当係長 五十嵐太一 さん(写真左)
URL:http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/500/0000094991.html
※この情報は2019(平成31)年1月時点のものです。