地域の人々が楽しみにしている月2回の朝市「朝市なかいち」
7時30分からのラジオ体操が終わると「朝市なかいち」は始まる。そこから9時までの1時間30分にも満たない短い時間だが、朝市の開催を毎回心待ちにしている者は多い。実店舗で買うのとは異なる雰囲気、店主との会話は朝市の楽しみのひとつだ。「朝市なかいち」が始まった経緯、どのような店舗が出店しているか、そして展望と街の魅力について、渡邉八百屋惣菜店の渡邉忠雄さんにお話を伺ってきた。
商売を続けるために集まった人たちが始めた朝市
——月2回のペースで定期的に開催されている「朝市なかいち」。まずは、どのような経緯で開催されるに至ったのかを聞かせてください。
渡邉さん:20年近く前のことになりますが、国道16号線沿いに大型商業施設ができたことが転機でした。もともとは何もなく、人の通りもなかったような場所に多くの買い物客が訪れるようになり、人の流れが変わってしまったことで商店街、個人商店にも影響が出てきました。
このままではいけない、この街で商売を続けるためには何かをしなくてはいけないと思った人たちが集まり、勉強会が始まりました。そのなかで、地域の活性にもつながる朝市を開催したらよいのではないかと。それが、「朝市なかいち」を開催した経緯となります。
——「朝市なかいち」に出店されているお店や、開催している時間などについて聞かせてください。
渡邉さん:7時30分から全員でラジオ体操をし、それが終わる7時45分頃から「朝市なかいち」が始まります。出店しているお店は実にさまざまで、相模原市南区古淵3丁目に店舗があり、特にチャーシューが人気の「小川ミート」さん。1978(昭和53)年から営業している地域に根ざした「ヒロセ洋菓子店」さんや、県内産豚肉をはじめ、ホルモン、もつ煮込みを販売している「ぶーコッコ」さん、無農薬で育てた野菜を販売している「N.T.ファーム」さんや、国産大豆をはじめ素材にこだわった「小出屋豆腐店」さんなどが出店しています。
渡邉さん:実店舗を持たないところもありますから、来場される方のなかには「朝市なかいち」を楽しみにされている方もいると思います。「朝市なかいち」の終了は9時です。夏場のこの時間は7時台でもすでに暑いので、熱中症には気をつけて買い物を楽しんでいただければと思います。
来場も出店も気軽にできる
——来場される方についても聞かせてください。どのあたりからいらっしゃる方が多いのですか?
渡邉さん:近隣の方が多いと思います。年代で言えば高齢者が比較的多いですが、お孫さんを連れて来られる方や、ご家族でいらっしゃる方もいます。顔ぶれが大きく変わることはないので、大半が常連さんです。もちろん近隣の方だけでなく、そうでない方にもぜひ来ていただきたいですね。「何か面白そうなことをしているな」と気になったら、気軽に立ち寄っていただけると幸いです。
——「朝市なかいち」のお得な情報などありましたら教えてください。
渡邉さん:各店が用意している特典もあるかもしれませんが、「朝市なかいち」の取り組みとしては、500円で1枚もらえるシールを10枚ためると抽選会に参加できます。ハズレくじはなく、各店舗が用意した商品と引き換えることができ、さらにシール20枚で200円分のお買い物券としてもご利用いただけます。
——さまざまなお店が出ていますが、出店するにあたり条件はあるのでしょうか。
渡邉さん:条件は特にありませんが、実行委員会が総合的に判断し、許可された店舗だけが営業できます。一律700円ですので、雰囲気を知りたいという方にはぜひお試しでご参加いただけたらと思います。
渡邉さん:「朝市なかいち」を開催するようになった当初は、現在の5倍くらいの規模でした。その当時の規模をひとつの目標にし、仲間を増やしながら大きくしていこうと考えています。また、運営する「大野中朝市倶楽部」の体制についても、よりしっかりとした組織にし、次の世代が引き継ぎやすいようにしたいですね。
人が優しく移住者も馴染みやすい相模大野エリア
——相模大野エリアの魅力、特徴について聞かせていただけますか?
渡邉さん:やはり何と言ってもアクセスのよさがあげられます。乗り換えなしで「新宿」駅に行けますし、「代々木上原」駅から千代田線に乗り換えれば、都心部の主要な街ともつながります。県内のアクセスについても横浜線を利用して「新横浜」駅や「横浜」駅に行くことができますし、「小田原」駅、さらに箱根方面ともつながっています。通勤・通学をはじめ、どこへ行くにも便利だという立地が何よりの魅力ではないかと思います。
——最後になりますが、これから相模大野エリアに住むかどうかを検討されている方に向けて一言お願いできますか?
渡邉さん:私の生まれは福島県で、そこから相模原市に移ってきたのは今から50年以上も前のことです。よく耳にするものとして、越してきてから街に受け入れてもらうまでに何年もかかったという話がありますが、私はそのようなことを感じたことはありません。人は優しく、自治会との関係も良好です。それは今でも変わっていないと思います。以前から住んでいた方と、新しく住み始めた方との関係もよく、人や街とのつながりがない方でも、自然に溶け込める街ではないかなと思います。

朝市なかいち
渡邉八百屋惣菜店 「大野中朝市倶楽部」会長 渡邉忠雄さん
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※この情報は2024(令和6)年8月時点のものです。