小田原医師会 会長 渡邊清治さん インタビュー

小田原医師会 会長 渡邊清治さん

「小田原」駅に近くにある、温かみのある空間が印象的な「渡邊内科クリニック」。診療科目は内科・消化器科・放射線科で、それ以外にもエイジングケアや各種検査にも対応している。同クリニックの渡邊清治院長は小田原生まれの小田原育ち。現在は「小田原医師会」の会長も務めている。そんな渡邊院長に医療と街をテーマに、お話を伺ってきた。

欠かせない存在としての医師会

――2017(平成29)年に「小田原医師会」の会長に就任されたと伺いました

渡邊さん:2000(平成12)年に地元・小田原で「渡邊内科クリニック」を開業し、その3年後には「小田原医師会」の役員を務めることとなりました。小田原医師会には、時代に即した医療に貢献するため、常に新しいことに取り組む気風がありました。会長ともなればその責任は重大です。それに加えて前会長が大変立派な方だったので、その重責を担うというイメージが私にはありませんでした。しかし何年もの間、前会長から“次は君の番だよ”という言葉をいただいている間に少しずつ考えが変わり、会長選に立候補するにいたったのです。

「小田原医師会」の未来を見据えた取組み
「小田原医師会」の未来を見据えた取組み

――結果、会長に選出されたというわけですね

渡邊さん:そうですね。「小田原医師会」の会員は320余名。小田原市・箱根町・真鶴町・湯河原町で医療活動に従事している病院の院長・理事長をはじめ、勤務医・研修医が会員となっています。“医療の専門職が協力して、地域の方々の命を守る”という理念を掲げ、医療レベルを維持しながら誠実な医療サービスを提供するために様々な活動をしています。

「小田原医師会」の未来を見据えた取組み
「小田原医師会」の未来を見据えた取組み

――その“様々な活動”という部分を少し詳しく聞かせていただけますか?

渡邊さん:まず1つめは、「休日夜間急患診療所(1次救急)の運営と2次救急・3次救急の連携」です。1市3町の援助を受けながら、いつでも対応できる急患診療所を運営しています。薬剤師会による門前調剤があるので、受診者が不便に感じることはありません。

2つめは「地域医療連携室の運営」です。小田原市の場合、医療機関に関する問い合わせや介護関連の問い合わせ窓口については、市役所ではなく小田原医師会が担っています。

「小田原医師会」の未来を見据えた取組み
「小田原医師会」の未来を見据えた取組み

3つめは、「特定健診・高齢者健診・がん検診とワクチン接種」です。幅広い年代の方の健康状態を把握し、それぞれに健康情報のフィードバックを行います。行政はそうした地域住民の健康状態を把握し、様々な疾患の予防・治療につなげていくための情報収集を行っています。

4つめは「看護師養成事業」で、具体的には「おだわら看護専門学校」の運営です。地域の医療介護体制を維持するにためは看護師の存在が欠かせません。そこで当会が、1964(昭和39)年に「小田原医師会准看護専門学院」を創設したのです。1994(平成6)年には「小田原高等看護専門学校」も開校。2018(平成30)年3月の「小田原看護専門学校」の閉校にあわせて「小田原高等看護専門学校」の定員を増員し、「おだわら看護専門学校」にリニューアルしました。

「小田原医師会」の未来を見据えた取組み
「小田原医師会」の未来を見据えた取組み

5つめは、「ストレスチェック事業」です。2015(平成27)年から労働安全衛生法により実施が義務化されましたが、当会は全国に先駆けてスタートさせました。労働者だけでなくその家族も相談できる「ここからサポートセンター」を開設し、小田原医師会の医師・看護師が対応しています。

6つめは「関連団体との協同活動」です。歯科医師会、薬剤師会と当会は別団体ですが、連携・協力しあえる体制ができています。

そして7つめですが、これまでとは少し趣が異なり、当会による親睦事業の一環で「小田原医師会合唱団」による活動です。名称こそ“医師会”ですが、歯科医師会と薬剤師会など関連職の方々も在籍しており、小田原をはじめ各地でコンサートを開いています。

――小田原の医療に対する総論としては、どのようなものになりますか?

渡邊さん:医療圏内の患者さんの病気を、どれだけ地域内で完治できるかを示す自己完結率について小田原は、かなりいい数字です。その背景は、色々な要素が関係しているので一概には言えないのですが、医師会の会員だけでなく各医療機関との強固な“まとまり”が大きいのではないかと考えています。

歴史ある街に暮らすということ

――小田原という歴史のある街で生活されていることを意識される瞬間はありますか?

渡邊さん:私はずっと小田原に住んでいて、それが当たり前のことなので意識することは少ないですが、散歩などで「小田原城」の周辺を歩くときはやはり、心が落ち着いたり、安心感を覚えたりすることは多いですね。「小田原城」を中心にイベントが多い街なので、観光客はもちろんですが、地元の方にとっても刺激が多くあるのではないかと思います。

「小田原医師会」の未来を見据えた取組み
「小田原医師会」の未来を見据えた取組み

――それ以外にも“小田原の好きなところ”があれば、ぜひ教えてください。

渡邊さん:全体的に、のんびりとした穏やかな雰囲気があるのはいいですね。都心のように、忙しなく追い立てられるような時間は流れていません。それに海だけでなく山も近いのに、気象災害が少ないというのもいいところですね。また、「ラスカ小田原」をはじめ、駅周辺は商店が充実しているので、買い物環境もかなりいいと思います。

ラスカ小田原
ラスカ小田原

――小田原の将来についてですが、「小田原医師会」はどのような役割を担っていこうとお考えですか?

渡邊さん:小田原医師会が目指しているのは、医療・介護における様々なニーズに対応できる地域体制づくりです。各自治体でも少子高齢化が進んでいますが、当会としては健康寿命の延伸を掲げ、歯科医師会・薬剤師会・地域包括支援センター・介護事業者・自治会・行政と連携しながら、高齢者が元気に暮らせる社会づくりを目指しています。その結果、高齢者に温かく見守られながら子育てができる環境をはじめ、次世代にとって住みやすい街づくりにつながっていくのではないかと思っています。

「小田原医師会」の未来を見据えた取組み
「小田原医師会」の未来を見据えた取組み

小田原医師会

会長 渡邊清治さん
http://www.odawara.kanagawa.med.or.jp/
※この情報は2018(平成30)年11月時点のものです。