特別インタビュー

「川崎市 中原区役所」に聞く、大規模開発と等々力緑地の整備が進む中原区

川崎市のほぼ中央に位置する中原区は、豊かな水と緑の景観、高い利便性を兼ね備えた人気のベッドタウン。市内で最も多い人口を誇ります。

今回は「川崎市 中原区役所」を訪ね、まちづくり推進部企画課の皆さんと危機管理担当の皆さんに、街の魅力と展望、「武蔵小杉」駅前で進む開発、治水対策など、中原区の特徴や魅力に関するお話を伺いました。

インタビューに対応してくださった「中原区役所」の皆さん
インタビューに対応してくださった「中原区役所」の皆さん

東京都心部や横浜へのアクセスに優れた、自然豊かなスポーツの街である中原区

――まずは中原区の概要・魅力についてお聞かせください。

須田さん:中原区は川崎市のほぼ中央に位置しています。川崎市が政令指定都市に移行した1972(昭和47)年に誕生し、江戸時代に整備された中原街道にちなんで中原区と命名されました。中原区にはJR横須賀線・南武線、東急東横線などが乗り入れる「武蔵小杉」駅があって東京都心部や横浜へのアクセスが良く、近隣には高層マンションや大型商業施設が多く立地し、交通や買い物が非常に便利です。

一方で昔ながらの商店街もあり、等々力緑地、多摩川、二ヶ領用水など自然にも恵まれています。大部分が平たんなところなので移動が楽ですし、非常に生活しやすい街であることが魅力です。7区ある川崎市の行政区の中で最も人口が多い点も特徴です。

二ヶ領用水の支流である渋川と遊歩道
二ヶ領用水の支流である渋川と遊歩道

齋藤さん:スポーツの街であることも大きな魅力です。川崎市は、市内をホームタウンとして活躍するトップチームを「かわさきスポーツパートナー」として認定しています。認定されている6チームのうち、5チームが中原区を拠点に活動しています。サッカー「川崎フロンターレ」、男子バスケットボール「川崎ブレイブサンダース」、女子バレーボール「NECレッドロケッツ川崎」、女子バスケットボール「富士通レッドウェーブ」、アメリカンフットボール「富士通フロンティアーズ」と、それぞれの競技の世界でも強豪チームばかりです。この他にもダンスのDリーグを複数回制している「KADOKAWA DREAMS」、日本卓球リーグ実業団連盟に所属している「信号器材株式会社 卓球部」など、さまざまな競技のチームが中原区を拠点に活動していますので、彼らの活躍が、中原区民に地元への愛着や誇りを育んでいるものと考えています。

夏休みなどにはそれらのチームの選手達を招いて、市内の小学生を対象にしたスポーツ教室なども行われていますし、道路の案内サインに選手の写真が掲出されることもあり、街中を歩くとスポーツの街であることを感じてもらえると思います。

街中で見かけた、フロンターレ後援会のフラッグ
街中で見かけた、フロンターレ後援会のフラッグ

――川崎市で最も人口が多い区ですが、他区と比較した際に行政区として人口が多いことのメリットはありますか。

戸田さん:他の区と比べて20代、30代と若い子育て世代が多いため、街全体に活気がありますね。地域住民がつながりを持てるイベントも比較的多いと思いますので、そこで生まれる交流がにぎわいを生んでいる面もあるでしょう。また、そんな風にコミュニティができることで地域住民同士のさまざまな助け合いにもつながるのではないでしょうか。

須田さん:地域住民同士のつながりということでいうと、中原区には「かわさき市民活動センター」があります。同センターは市民活動の推進に関する事業と、市内の多くのこども文化センターやわくわくプラザの運営を受託するなど青少年の健全育成に関する事業を行っています。「武蔵小杉」駅のすぐ近くにありまして、そこで市民活動やボランティア活動などの情報を提供していたり、そうした活動を始めたい方々の相談なども受け付けています。貸会議室や印刷室のほか、月額制で最長5年まで利用できる市民活動ブースや、市民向けのフリースペースまで用意されていますので、市民の皆さんが集まって何か新しいことや地域貢献がしたいと考えたときには色々な面でサポートが受けられます。

「かわさき市民活動センター」内の様子(提供:中原区)
「かわさき市民活動センター」内の様子(提供:中原区)

須田さん:また、同一建物内には、市民の皆さまに生涯学習活動の場を提供する社会教育施設である「中原市民館」もあり、そこでも市民向けのさまざまな講座やイベント等が開催されていますので、「かわさき市民活動センター」と同様、市民の皆さまが集い、学び、活動するプラットフォームのような場所になっています。

「川崎市中原市民館」・「かわさき市民活動センター」
「川崎市中原市民館」・「かわさき市民活動センター」

子育て世代の多さが、地域のにぎわいやコミュニティ形成に貢献

――「武蔵小杉」駅周辺の開発が進み、中原区は「グランツリー武蔵小杉」をはじめファミリー層に便利な商業施設が多く子育て世帯にも非常に人気のあるエリア。現在行われている開発の進捗と今後の予定を教えてください。

島田さん:JR「武蔵小杉」駅の北側で2つの大規模開発が進んでおり、どちらも大型の共同住宅の開発が計画されています。低層階に店舗や保育所、高齢者向けの福祉サービス施設などが入る予定で、更なる生活利便性の向上が見込まれます。2028年~2029年頃に順次完成予定なので、北側もより一層にぎわいが生まれるのではないかと思います。

「武蔵小杉」駅北側で進む開発工事の様子
「武蔵小杉」駅北側で進む開発工事の様子

――現在進んでいる「等々力緑地」の再編整備によって、どんな変化がもたらされるでしょうか。

島田さん:現在フロンターレの試合が行われている「等々力陸上競技場」は、陸上競技大会やJリーグの試合に併用されていますが、プロスポーツの拠点にふさわしい観戦環境を向上させるために球技専用化を進めるとともに、緑地内にある補助陸上競技場を第2種公認の陸上競技場に整備します。これにより、より利用しやすい施設になると思います。

現在の「等々力陸上競技場」(引用:川崎市HP)
現在の「等々力陸上競技場」(引用:川崎市HP)

島田さん:また、「とどろきアリーナ」を「とどろきアリーナ・スポーツセンター」に建て替え、プールも設ける予定です。障害の有無に関わらず使える遊具を設置したインクルーシブパークも整備し、日常的ににぎわう空間となるよう進めています。今年度中に整備工事に着手し、2029年度末の完成を予定しています。完成した施設から順次供用を始めていきます。

等々力緑地再整備事業イメージパース(引用:「川崎とどろきパーク」HP)
等々力緑地再整備事業イメージパース(引用:「川崎とどろきパーク」HP)

――中原区の大半は洪水浸水想定区域に指定されていますが、防災面において、区または市としてどんな対策を講じていますか。

神坂さん:中原区では2019(令和元)年の台風時に初めて水害リスクで全避難所を開設しました。本来浸水が予想される場合、マンションなどハザードマップ上で浸水想定より上階にお住まいの方は在宅避難ができますが、当時はそんな方々の多くが避難所に移動されていました。そこでまずは、そういった方々については自宅待機することが安全の確保につながることの啓発を進めました。また現在は、市の地域防災計画に風水害対策編を新たに作り、避難誘導に関する職員研修など備えを強化しています。

倉又さん:浸水対策の面では、上下水道局が排水樋管ゲートの電動化や排水ポンプ車の導入、中原区山王地区においては、下水道管のバイパス工事を実施してきました。この工事で河川の増水時に雨水を下流のポンプ場で排出することが可能となりました。

また、排水樋管というのは、河川側に設置されている、内陸に降った雨水を自然流下で河川に排出する機能をもったゲートがある施設ですが、河川の増水時にはゲートを閉め、内陸に河川水が逆流しないようにします。今後はそのゲートにポンプ機能を設け、ポンプ車がなくても排水できるようにする予定です。

排水樋管ゲート(引用:川崎市HP)
排水樋管ゲート(引用:川崎市HP)

倉又さん:なお、2019(令和元)年台風の時も多摩川は氾濫しておらず、被害は洪水ではなく内水氾濫によるものでした。市の地域防災計画の風水害対策編では、あのときを超えるような最大の被害想定で対策を考えています。

豊かな自然とスポーツ施設、商業施設がコンパクトにまとまった中原区

――「武蔵中原」駅周辺は、オフィス、住宅、農地などさまざまな顔を持つバラエティ豊かなエリアですが、今後どのような街へと変化していくでしょうか。

戸田さん:スーパー、書店、カフェなど生活利便施設がコンパクトにまとまっていて、非常に暮らしやすいエリアです。行政としても、この暮らしやすさを維持あるいは向上させながら、10年先、20年先も住みよい街であり続けられるように努めていきたいです。

「武蔵中原」駅前の様子
「武蔵中原」駅前の様子

――「武蔵中原」駅周辺のおすすめスポットを教えてください。

須田さん:やはり「等々力緑地」ですね。「武蔵中原」駅からだと歩いて15分ぐらいでしょうか。ふらっと行けて、自然が豊かで季節を感じられますし、週末などはお子さんから社会人まで幅広い世代の方が楽しそうに過ごしていらして、区民の方の憩いの場になっています。スポーツ施設が充実していて、さまざまな試合を楽しめるのも魅力です。

球技専用のスタジアムに改修予定の「等々力陸上競技場」
球技専用のスタジアムに改修予定の「等々力陸上競技場」

戸田さん:等々力緑地」の少し手前にある「常楽寺」もおすすめです。本堂のふすまに多くのマンガが描かれていることで有名で、この界隈ではマンガ寺という通称で通っています。田中角栄の風刺画、ドリフターズの絵など時代を感じさせるマンガがたくさんあり、インスタ映えするスポットとしても人気です。周辺には古墳の石室などが残されていて、隣接する「春日神社」境内を含め市の重要史跡に指定されています。

「常楽寺」
「常楽寺」

――最後に、これからこのエリアに住みたいと考えている方々に一言お願いいたします。

戸田さん:広大な緑地にさまざまなスポーツ施設、暮らしに必要な商業施設などがコンパクトにまとまった街です。隣の「武蔵小杉」駅周辺に行けば日用品以外でも何でもそろいますし、気軽に飲んだり商店街で買い物をするなら「武蔵新城」駅周辺に行ってもいい。「とどろきアリーナ」や陸上競技場に足を運んでいただければ、スポーツ観戦ができます。ぜひ中原区にお越しください。

「中原区役所」の皆さん
「中原区役所」の皆さん

川崎市中原区役所

■まちづくり推進部企画課
企画課長 齋藤正さん
課長補佐 戸田一晴さん
課長補佐 島田朋美さん
須田朋香さん

■川崎市 中原区役所危機管理担当
担当課長 倉又亮輔さん
担当係長 神坂峻さん
地域防災担当 川上明日麻さん
地域防災担当 鳥山拓也さん

所在地:神奈川県川崎市中原区小杉町3-245
電話番号:044-744-3113(総合案内)
URL:https://www.city.kawasaki.jp/nakahara/
※この情報は2025(令和7)年5月時点のものです。