児童数350人に満たない小規模校

少人数だから児童一人一人に目が行き届く「川崎市立木月小学校」

「川崎市立木月小学校」は、近くの「川崎市立住吉小学校」から分かれる形で出来た学校だ。「慶應義塾大学」の先生から科学を学べる「ケーキ☆サイエンス」や月に1度の「ジャンボ中休み」など、独自の取り組みを行っているほか、商店街での職業体験など地域との交流も深い。今回は同校の取り組みや元住吉エリアの魅力について、尾崎校長先生にお話を伺った。

改修と増築で児童の増加に備える

正門
正門

――まずは学校の沿革と概要を教えてください。

尾崎校長:いま川崎市には小学校が114校あるのですが、本校は1971(昭和46)年、川崎市で76番目となる小学校として設立されました。昭和40年代前半から急激に児童数が増え、「川崎市立住吉小学校」から分かれる形で開校しました。現在は各学年2クラスと支援級4クラスがあり、4月現在で345人の児童が学んでいます。

尾崎校長
尾崎校長

――比較的小規模な学校ですね。児童数の多い学校と違う点はありますか?

尾崎校長:一人一人に教員の目が行き届いているところは特長だと思います。また、同じことが子ども同士にも言えると思います。以前、全校児童で「だるまさんが転んだ」をやったことがあるんです。クラスや学年に関わらず、子どもたちがお互いを知っている小規模校だからできたことだと思います。

校庭
校庭

――校内に特徴のある設備があれば、教えてもらえますか?

尾崎校長:1番の自慢は、校庭の水はけが良いこと。道路より一段高くなっているからでしょう。朝に雨が降っていても、中休みには乾いているくらいです。児童数の割に広いですし、日吉にある「チロル幼稚園」も運動会の際に使っているんですよ。また、2、3年前に改修工事をした体育館も明るくきれいです。なお、校舎は改修および増築が決まっていて、2021(令和3)年に着工予定です。プールを階上に新設して、現在プールがある場所は校庭にするなど、敷地をうまく使って今後増加が見込まれる児童数に対応できる体制を整えます。

「心が通い合う、ぬくもりのある学校」を目指して

体育館
体育館

――学校として最も大事にしていること、心がけていらっしゃることは何でしょうか?

尾崎校長:「自ら学び、考え、行動する子」「力を合わせて助け合う子」「心も体もすこやかな子」という学校教育目標の下に、6つの重点項目があります。少人数でアットホームな本校では、その中の1つ「心が通い合う、ぬくもりのある学校」を最も重視し、児童一人一人にしっかり心配りすることに力を入れています。

教室
教室

――一人一人に心配りするために、具体的にどんな取り組みをされていますか?

尾崎校長:毎朝昇降口に立って、子どもたちに挨拶をしています。7年前に赴任した当初は私一人だけでしたが、今は一緒にやってくれる教員がたくさんいます。教員も私もほとんど児童全員の顔と名前を覚えているので、登校時の表情を見て「具合が悪そうだ」「いつもと様子が違う」など、子どもたちの些細な変化にいち早く気付けることが多いんです。こうした取り組みの成果か、昨年度も今年度も不登校の子が1人もいないんですよ。

天窓から光が差し込む踊り場
天窓から光が差し込む踊り場

――「木月小学校」ならではの特徴的な学びや取り組みはありますか?

尾崎校長:大学の先生から科学を学べる「ケーキ☆サイエンス」は、ほかにはない取り組みだと思います。これは2005(平成17)年度から「慶應義塾大学」と始めた授業提携で、慶應義塾の「慶」と木月の「木」を併せた「慶木」が、楽しくおいしい「ケーキ」のような授業であって欲しいという願いが込められた名称で、本校の近くに矢上キャンパスがある関係で始まっています。3~6年生を対象に、「光はまっすぐ進むのか」「目で見る音の伝わり方」など、子どもの好奇心をくすぐる内容の講義を年間6回実施していただいています。物理、生物、化学、数理学といった分野の最先端の研究にふれることは、子どもにとって大きな刺激になっていると思います。

パソコンルーム
パソコンルーム

――ほかにも独自に取り組んでいることがあれば教えてください。

尾崎校長:「ノーチャイム制」と「ジャンボ中休み」でしょうか。実は本校では、授業の始まりと終わりを知らせるチャイムがないんです。チャイムがないと時計を見て自ら動くようになり、授業開始時刻の2~3分前には大体みんな着席しています。先を読んで余裕を持って行動する習慣が身につくので、社会に出てからも役立つと思います。「ジャンボ中休み」は、45分という長い休み時間のこと。児童に思う存分遊んでほしいという思いから、2時間目と3時間目の間にある中休みを月に1度だけ長くしているんです。この取り組みも好評です。

静かで過ごしやすい快適さと利便性が両立する街・元住吉

廊下
廊下

――地域の方と交流はありますか?

尾崎校長:お隣さんということで、神奈川県警の第二機動隊とは密に交流があります。毎年職員の方にゲストティーチャーとして来てもらい、着衣泳や救急救命の指導をはじめ、入隊理由や仕事のやりがいについて語る講義などを行っていただいています。また、今年は学校周辺のパトロールに加え、市内で起きた小学生殺傷事件の直後から夏休みが始まるまで毎日校門脇に立って警備をしてくださり、とても心強かったです。

家庭科室
家庭科室

――元住吉という街の特徴を活かした教育活動はありますか?

尾崎校長:地域の方にご協力いただいている体験学習は多いですね。市民団体「矢上川で遊ぶ会」の人たちとは、ここ何年も一緒に矢上川の水質や生き物について学ぶ授業をしています。また、駅前の商店街の皆さんにもお世話になっています。2年生は「四丁目商店会」の飲食店や美容院などの好きなお店で仕事を手伝わせてもらい、3年生は人気の「越路屋豆腐店」の方に来ていただき、豆腐作りを体験しています。4年生は防犯対策に力を入れている「オズ通り商店街」の人たちに防犯について指導を受けています。

廊下
廊下

――近隣の幼稚園や保育園、進学先となる「川崎市立住吉中学校」とはどのような連携をされていますか?

尾崎校長:学区内にある「大楽幼稚園」「木月保育園」「わおわお保育園」と交流があります。園児に本校へ来てもらい、1年生が学校を案内して授業のようすや休み時間のことを教えたりしています。また、「川崎市立住吉中学校」では、入学前に中学の授業の雰囲気を味わえるようにと、毎年6年生に授業体験をさせてくださっています。

――今後、力を入れて取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

尾崎校長:「心が通い合う、ぬくもりのある学校」という部分はこれからも変えずに大事にしていきたいと思います。今後のことで考えているのは、2022(令和4)年に迎える50周年に向けてのイベントですね。校旗がすっかり色あせてしまっているので、50周年を機に新調できればと思っています。また、本校は教育課題研究の推進校でもありますので、2019(令和元)年11月20日に行われる、川崎市全体に発表する報告会に向けても頑張っていきたいと思っています。

図書室
図書室

――最後に、元住吉という街の魅力を教えてください!

尾崎校長:「元住吉」駅周辺の商店街にはいろんなお店がたくさんあって、暮らしやすい街だと思います。綱島街道など交通量の多い道路もありますが、一本入ると静かで落ち着いているので、子育て世帯も安心して暮らせるのではないでしょうか。駅周辺は平たんなので、ベビーカーや重い荷物を持っていても移動が安全です。ショッピングモールやおしゃれな飲食店が集まる武蔵小杉に近いのも便利ですよね。一駅離れていることによって人込みや喧噪、高層ビルの圧迫感がなく快適に過ごせるので、絶妙に良い場所だと思います。

尾崎校長
尾崎校長

川崎市立木月小学校

校長 尾崎美幸先生
所在地 :神奈川県川崎市中原区木月4-53-1
電話番号:044-433-3286
FAX番号:044-411-9537
URL:http://www.keins.city.kawasaki.jp/2/ke204101/index.html
※この情報は2019(令和元)年8月時点のものです。