Kamoi Interview vol.1

鴨居の街にお菓子で新しいアクセントを。こだわりがぎゅっと詰まったスイーツショップ「ninni(ニンニ)」

「鴨居」駅の北側、「ららぽーと横浜」から大通りを挟んだ向かいの住宅街に、2021(令和3)年にオープンした「ninni(ニンニ)」は、北欧風の店内にシンプルでかわいらしい洋菓子が置かれている、小さなケーキショップ。生菓子、焼き菓子と合わせて20種類程のメニューはどれも、美味しさがぎゅっと凝縮されていると定評がある。

この店を営んでいるのは、もともと法人向けに芸術性の高いアイシングクッキーやケーキをオーダーメイドで手がけていたという塚越奈津希さん。そうした技術を活かし、「ninni」では特別な日に注文したいオーダーメイドケーキから、日常的に楽しめる焼き菓子などを買うことができる。今回はそんな塚越さんを訪ね、お店の特徴やおすすめのお菓子、鴨居エリアの魅力についてお話を伺った。

「ninni(ニンニ)」のオーナー 塚越奈津希さん
「ninni(ニンニ)」のオーナー 塚越奈津希さん

コロナ禍で変わりゆく状況から生まれた、鴨居との縁

――アイシングクッキーの作家から、お菓子作りの仕事を始められたそうですね。鴨居にお店を開かれた経緯やきっかけをお聞かせください。

塚越さん:もともとは個人事業としてアイシングクッキー作りを始め、企業からオファーをいただき受注生産するという形で、基本的に個人向けの販売はしていませんでした。実はコロナ以前は、お店を持つこともまったく考えていなかったんです。

――方向転換のきっかけは何だったのでしょうか?

塚越さん:鴨居にあったこの物件(「THE GUILD IKONOBE NOISE」)との出会いですね。コロナと共にテレワークの普及などいろいろと状況が変わってきた中で、郊外の広いところに住みたいという友人の引っ越し先を一緒に探していて、友人が最終的に決めたのが鴨居でした。そして、縁あってこの建物の1階が空いているという話を聞いて、雰囲気もいいし、友人も近くに住むし、せっかくなのでお店を開いてみようということで「じゃあ、私が入ろうかな!」と決めちゃいました。

建物全体の雰囲気も素敵な、「ninni」の外観
建物全体の雰囲気も素敵な、「ninni」の外観

――たしかにユニークでおしゃれな建物ですね。

塚越さん:はい、この建物は大家さんが建設会社さんなんです。もともとこの1階は全部作業場で、2階は社員寮だったそうなのですが、それを全部リノベーションして、下はテナント、上は住居という形にされて。ここの店舗部分も最初はスケルトン(内装の無い状態)だったのですが、内装工事を全て大家さんがやってくださるということで、それも決め手になりましたね。

内装については、最初に「北欧風にしたい」と決めて、あとは大工さんにお任せしたのですが、結果このような素敵な内装になり、すごく気に入っています。北欧の文化が好きなので、それに合う小物を置いてみたり、「ムーミン」のグッズを置いたり。実はお店の「ninni」という名前も、「ムーミン」に登場する女の子のキャラクター「ニンニ」にちなんでいます。

北欧風の内装とかわいらしい小物たち
北欧風の内装とかわいらしい小物たち

飽きが来ず、ちょっとした驚きが楽しめるお菓子

――お店のコンセプトやこだわりを教えてください。

塚越さん:鴨居はお子様を連れた方が多いところなので、基本的には食べやすくて、飽きの来ない品揃えにしています。ただそれとは逆に、「今までこういう組み合わせは無かったよね」と楽しんでいただけるような、尖りすぎない程度にちょっと珍しい食材や商品も扱おうというこだわりもありますね。

――毎日、何種類くらいのお菓子が並ぶのでしょうか?特におすすめの商品などがありましたら教えてください。

塚越さん:常時あるのは、生菓子、焼き菓子、それぞれ10種類ですね。ただ、常連の方も多いため、なるべくその都度入れ替えるように心がけています。いちばん推しているのは「生ベイクドチーズケーキ」です。チーズケーキは180度で40~50分程焼くのが通常かと思いますが、「ninni」の「生ベイクドチーズケーキ」は230度で約8分、高温・短時間で焼くため、「ふわっとしているけど、チーズの風味がちゃんとある」「半生ふわとろ」といったような、他ではあまり味わえないタイプのチーズケーキになっていると思います。

“半生ふわとろ”な味わいが特徴の「生ベイクドチーズケーキ」
“半生ふわとろ”な味わいが特徴の「生ベイクドチーズケーキ」

焼き菓子で特にこだわって提供しているものは「フロランタン」ですね。フロランタンって、本当にお好きな方が多いんですよ。ただ、手間がかかるお菓子で一度にたくさんはできないのですが、召し上がってくださる方が多くいらっしゃるので頑張って作っています。

手間を惜しまず作っている焼き菓子の1つ、フロランタン
手間を惜しまず作っている焼き菓子の1つ、フロランタン

――素材のこだわりなどがあれば教えてください。

塚越さん:添加物などは入れないようにしていたり、旬のフルーツを使ったり、味の濃淡も季節で調整したりしていますね。今だと、長野の「あぜがみサンファーム」という農家さんから、味や鮮度は変わらないけれど傷やかたちでB級品となってしまった美味しいりんごをいただいて、タルトタタンを作ったりしています。

依頼者の思いを形にしてくれる「ninni(ニンニ)」のオーダーメイドケーキ
依頼者の思いを形にしてくれる「ninni(ニンニ)」のオーダーメイドケーキ

――店頭だけではなく、ウェブでの販売もされているのですね。

塚越さん:はい、でもウェブ販売は常に開いているわけではないんです。オーダー可能な状態となったらお知らせし、1週間程オーダーを取り、1回閉めて発送し、またお知らせして…という感じです。ですので、確実にいつでも買えるのは実店舗になりるので、鴨居近くにお住いの方はぜひお店にいらしてください。

鴨居の地域に浸透し、たくさんのお客さんに届くお店に

――リピーターの方も多いということですが、どんなお客さんが来られますか?

塚越さん:一番多いのはファミリー層の方で、お子さんを連れて買いに来てくれる方も多いです。男女比としては、女性の方が多いですが、男性のお客様が一人で来られることも意外と多いですよ。ご自宅・ご自身用に買われる方、ちょっとした手土産・プレゼントに購入してくださる方など、いらっしゃる目的はさまざまです。

心地よい頻度で入れ替わるメニューが楽しみになる
心地よい頻度で入れ替わるメニューが楽しみになる

――今後のビジョンなどあればお聞かせください。

塚越さん:オープンから1年以上経ちましたが、鴨居に住んでいる方にも「いつからあったんですか?」と聞かれることがあるので、まずは地域の方にもっと認知していただけるよう頑張りたいなと思っています。ウェブ販売に関しても、「ninni」のオープン以前から応援してくださっている方も多くいらっしゃるので、全国的に広くお菓子を届けられるシステムを整えていきたいと思っています。

また、今までは私ひとりで営業していて手一杯だったのですが、最近スタッフも増えたので、地域のイベントなどにも出店する機会があればいいなと思います。

地域でのお店の認知度を高めていきたいという
地域でのお店の認知度を高めていきたいという

便利だけれど都会過ぎず、ゆったりとした時間が流れる街

――鴨居エリアの魅力は、どのような点だと思いますか?

塚越さん:「ららぽーと横浜」という大型のショッピングモールが近くにありますから、何でも揃いますし、港北の「IKEA」なども近いですし、そうした買い物の便利さは魅力的だと思いますね。それでいてのどかでゆったりとした面もあって。この平和な雰囲気が、住みやすい街なんだろうなあと感じます。

「ららぽーと横浜」をはじめ、買い物施設が充実
「ららぽーと横浜」をはじめ、買い物施設が充実

――お気に入りの場所や、おすすめのスポットがありましたら教えてください。

塚越さん:ひとつは「鶴見川」ですね。土手に座ってのんびりしたり、春はお花見をしてもいいですし。川沿いの景色がすごく爽やかでいいですよね。「鴨居」駅の近くの「もぐら横丁」もおすすめです。雰囲気のある飲み屋さんが多くあるので、お酒が好きな方にはぴったりじゃないかな、と思います。

おすすめの憩いのスポット「鶴見川」
おすすめの憩いのスポット「鶴見川」

――最後に、これから鴨居に暮らしたいという方に向けて、メッセージをお願いします。

塚越さん:鴨居は交通の便もいいし、都会過ぎずにゆっくりとした時間が流れているので、そうした雰囲気が好きな方には良い街だと思います。新しく住む方がたくさんいた方が街は活性化していくと思うので、若い世代の方がもっともっとこの街に住んでくれたらいいなと思います。

 
ninni(ニンニ)
ninni(ニンニ)

ninni(ニンニ)

「ninni」オーナー/株式会社Black Bird代表取締役 塚越奈津希さん
横浜市都筑区池辺町4653 THE GUILD IKONOBE NOISE 1F
電話番号:090-7801-1457
URL:https://ninni.blue/
※この情報は2022(令和4)年5月時点のものです。