ゆるやかにあたたかく子育てをサポート。鴨居に根ざした子育てサロン「コガモひろば」
「鴨居」駅から車で数分、大橋通りをまっすぐ進んだ先にある「鴨居地域ケアプラザ」は、鴨居に暮らす赤ちゃんから高齢者まで、いろいろな人が集う福祉と交流の拠点施設。この施設で毎月2回開催されている、1・2歳児を対象にした子育てサロンが「コガモひろば」だ。
手遊びや親子遊び、季節のイベントなどを通じて、保護者も子どもたちもみんなで楽しみ、来た時よりも笑顔になって帰ってゆく。そんなひとときに心強く導いてくれるのが、ここで講師を務めて十数年という峯岸典子さん。今回は峯岸さんに、「コガモひろば」の活動内容や、鴨居エリアの子育て環境の魅力についてお話を伺った。
地域の子育て家庭の声から生まれ、一緒に作った「子どもの居場所」
――子育てサロン「コガモひろば」はどのような場所なのでしょうか。また、どのような経緯で始まったのでしょうか。
峯岸さん:「コガモひろば」は1歳から就園前までのお子さんとその保護者の方々と一緒に楽しむ子育てサロンで、2週間に一度のペースで開催しています。もともとは2005(平成17)年の「緑区地域課題チャレンジ提案事業」のひとつとして声をあげ、地域の子育て家族と、主任児童員、ボランティアの方々が一緒になって始まったサークルでした。
当時、よちよちと歩くようになった子どもたちが安心して遊べる居場所があまりなかったため、保護者たちから「1歳以上の子どもの居場所を作ってほしい」という要望が集まり、提案事業に応募したというのが発足の経緯になります。ですので、現在の「コガモひろば」も1歳以上の子どもが対象になっています。
先ほど申し上げた通り、もともと地域の保護者の方たちと一緒に作ったサークルでしたので、「自分たちで主体的に動いて活動をしていこう」という思いをもっていることが「コガモひろば」の特徴ですね。当初は、「鴨居」駅近くの「鴨居中央会館」で、みんなで絨毯を敷いてガムテープでとめて場所を作ったりしていたのですが、こちらの「鴨居地域ケアプラザ」の部屋を貸していただけることになり、今に至っています。
気軽にふらっと来れる場所でありたい
――活動の内容、参加の方法について教えてください。
峯岸さん:活動内容はコロナの前後で変わってしまいましたが、2週間に一度の開催ペースは変わっていません。コロナ前は1時間半の枠で、この部屋が人でいっぱいになるくらい参加者がいました。それがコロナ禍で、人数も制限しなければならず、時間を早めて9時半~10時20分までの1回目、消毒を挟んで、10時40分~11時30分までの2回目と、開催を分けて、人数も1回10組程に制限して開催しています。
気軽に参加できる存在であるべきと考えているため、参加方法は当日の先着順で予約も必要ありませんので、「今日はふらっと行ってみたいな」「今日は相談に行ってみようかな」と、気負わずに来ていただければと思います。
――参加者は、最初はどんなきっかけで来られるのでしょうか。
峯岸さん:お友だちの口コミがいちばん多いと思います。他にも、横浜市緑区で開催している「赤ちゃん教室」という子育てについての情報交換の場で知ったといった方や、チラシや「鴨居地域ケアプラザ」のホームページを見て来られる方などもいらっしゃいます。初めての方以外だと、「上の子の時に来ていて、下の子ができてまた来ました」というような方もいますよ。
遊びを通して、子どもの成長のきっかけや子育ての自信に
――「コガモひろば」の活動で大事にしていることや、プログラムの中の工夫などはありますか?
峯岸さん:大事にしているのは、「子供の今を受け止め、ひとりひとりを大切にすること」や「プログラムをあまり変えないことで、先を見通しながら生活を支えること」や「集団だから刺激しあってできること」を意識することですね。たとえば、1、2歳の子どもたちが保護者の膝元から立って、一人でみんなの前に出て来るのは大きなチャレンジなんですよね、ワクワクするような活動を提案し、チャレンジができると子どもたちはすごくいい顔をします。そんな時には「いい顔してたよ」、「成長したね」と保護者にも伝えるようにしています。家に帰っても、子どもたちを褒めてあげられる材料になればいいですね。
カラーの布を使って遊ぶというものが定番のプログラムの1つですね。この遊びの最後には「アイロンかけてはんぶんこ」と、丁寧に畳む仕草を入れています。1歳ですと難しいことも多いのですが、こうした動作もいずれお子さんの成長に繋がっていけばいいな、と考えています。
――参加された感想など、利用者の声をご紹介ください。
峯岸さん:一番嬉しかったのは、「ほかの子と比べてしまって、子育てに自信がなくなっていました」という方が、「コガモひろばに参加して、ひとりひとり違うから比べる必要もないし、この子にはこんなにいいところがあるよと言ってもらえて、心が軽くなった」と言われたことです。お母さんの笑顔が印象的でした。
子どもだけではなく、保護者の方も変わってくるんです。最初は不安な表情で来ていた方も、何度も通っているとだんだん穏やかな表情になっていくように感じられます。
また、「1歳から就園前まで」と参加条件を区切っていますが、夏休みなどには、かつてここに来ていた子たちが遊びに来てくれたり、中学生になってボランティアとして来てくれたり、そんな形でこの場所に帰ってきてくれる子もいます。長く開催できているからこそ、地域の多くの方との繋がりができているなと感じています。
子育て支援拠点も充実、のびのび子育てできる鴨居エリア
――子育て環境としての、鴨居エリアの魅力をお聞かせください。
峯岸さん:横浜市には各区に子育て支援拠点があり、緑区では「地域子育て支援拠点 いっぽ」という施設が十日市場町にあります。また、隣の都筑区の子育て支援施設になりますが、「ららぽーと 横浜」の中にも「Popolaサテライト」という子育て支援センターがあり、とても人気のようですね。「鴨居」駅の近くには「鴨居保育園の育児支援事業」「つどいの広場みらいポケット」という場所や、隣の「中山」駅の近くには、「みどりっこ親子の居場所 はなまる」という施設があったりもあります。少し足を延ばすだけで多くの選択肢があるのは、安心だと思います。
また、環境面では「鶴見川」沿いで散歩やピクニックもできたりと、ゆったりのびのび子育てをできる街だと思いますね。
――最後に、これから鴨居に暮らしたいという方に向けてメッセージをお願いします!
峯岸さん:鴨居はいろいろな人たちが積極的にサポートをしてくれている、とてもあたたかい街です。私たち「コガモひろば」も、子どもたちの成長を家族と一緒に見守っていく、ゆるやかであたたかなサークルであり続けたいと思っていますので、子育てに奮闘中のお母さんお父さんが、「コガモひろば」に参加して心をゆるめていただけると嬉しいです!
子育てサロン「コガモひろば」
講師 峯岸典子さん
開催地:横浜市緑区鴨居5-29-8(鴨居地域ケアプラザ)
開催日時:第2・4水曜日
電話番号:045-930-1122
URL:https://midorikko.jp/circle_info.html?id=22
※この情報は2022(令和4)年6月時点のものです。