子育て世代に「選ばれる」まち厚木市、その理由にせまります!/厚木市子育て支援センター「もみじの手」
利便性の高い“街”があり、一方で自然に恵まれた穏やかな環境が魅力の神奈川県厚木市。『日経xwoman(クロスウーマン)』と日本経済新聞社が実施している「自治体の子育て支援制度に関する調査」においては「共働き子育てしやすい街ランキング」で神奈川県内1位の評価を3年連続で受けるなど、子育てに関する施策も充実している。子育てファミリーから高い支持を得ている厚木市では、どのような取り組みを行っているのだろうか。
今回は「本厚木」駅前の複合施設「アミューあつぎ」の8階に位置する子育て支援センター「もみじの手」を訪問。厚木市役所の肱元さん(こども育成課)、端場さん(子育て給付課)、大越さん(農業政策課)、奥原さん、岩村さん(こども家庭センター)から、厚木市の具体的な子育て施策や子育て世帯への思い、そして街の魅力について伺った。
高い評価の背景にある、「かゆいところに手が届く」子育て支援
――厚木市は「共働き子育てしやすい街ランキング」で、3年連続で県内1位の評価を受けられていますね。そのような評価を受けられた理由や取り組まれている施策について聞かせてください。
肱元さん:厚木市では、子育てファミリーの皆さんと市長が座談会のような形式で、「子育てするうえで、何に困っているのか」「どんな支援があったらうれしいか」をヒアリングしてきました。実際に子育てされている方の生の声を直接聞いたうえで、「かゆいところに手が届く支援」を地道につづけてきた結果ではないかなと考えています。
肱元さん:主な取り組みとして、県下最大級の38館を有する児童館の充実や、託児と送迎バスで通園をサポートする「送迎ステーション」などを行っています。経済的なサポートとしては、子育て中の若年世帯に最大30万円を補助する「マイホームの購入支援」や「18歳までの子ども医療費助成」、会員登録することで市内のサポーター店舗で割引や特典を受けられる「子育てパスポートAYUCO」などを実施。ファミリー向けの施設としては、プラネタリムや体験コーナーが充実している「神奈川工科大学厚木市子ども科学館」などがあります。
肱元さん:このように制度がいろいろあっても、利用できる時期が限られているものもありますし、制度を利用できるかどうか、判断できない場合もあると思います。そのようなときに、ご両親に寄り添い、話をしながら適切なアドバイスをする子育てコンシェルジュもいます。
――すべての赤ちゃんを対象に「紙おむつの宅配」を実施されているそうですね。
端場さん:第1子・第2子については12ヶ月間、第3子以降は2歳になるまで、紙おむつだけでなくおしりふきなどをお送りしています。2003(平成15)年にスタートした当初は、第3子以降の誕生をお祝いする意味合いでの実施でしたが、その後、対象を第2子に拡大し、2008(平成20)年からは種類を拡大させ、カタログのなかから選んでいただけるようになりました。そして2020(令和2)年からは、第1子にも適用される現在のかたちとなりました。
毎年実施するアンケートでは、“助かっています”、“これからもぜひ継続してください”という好意的なお声が多く、今後も利用される方の感想や要望に耳を傾けながら、よりよいものしていけたらなと考えています。
――特色のある事業として「あつ木のおもちゃ」があると伺っています。
大越さん:この制度は、厚木市内の森で育ったヒノキを使用した全22ピースの積み木をプレゼントするもので、新生児訪問等でお渡しする引換券で、後日「アミューあつぎ」の地下にある「厚木市まるごとショップ あつまる」でお受け取りいただけます。
近年、木材の需要が減少していることに加え、プラスチック製品に囲まれるなかで木との接点が減ってしまっていることから、若い世代が木と触れ合うときっかけになればと思っています。プレゼント品には他の候補もありましたが、より長く遊べるという観点から積み木を採用しました。アンケートでは、95%の方が“積み木のままがいい”とお答えいただくなど、根強い人気を誇ります。他にも、ヒノキの香りのよさ、想像していた以上に立派なもので驚いたといった回答も多く寄せられました。
これから赤ちゃんを迎える層も、手厚く細やかにサポート
――「プレパパママ教室」や、産後ケア事業などこれからお子さんを迎える層に向けた取り組みについても充実していますね。それぞれ詳細を教えてください。
奥原さん:子どもを迎えるというのは各家庭にとって大きなイベントです。産後の生活、育児の役割、また、子どもが成長・発達していく様子をイメージしていただくことで、安心して子どもを迎えられるお手伝いをするのが「プレパパママ教室」です。
赤ちゃんを迎えることで何が変わるのか、また、新生児の発達などに関する講義、産後の生活について話し合ってもらうワーク、そして人形を使った沐浴体験が主な内容です。参加された方からは、“産後の生活を想像できて安心しました”、“今から夫婦で話し合っておこうという気持ちになりました”といったご感想をいただいています。
奥原さん:産後ケア事業については、出産後の不安定になりやすい時期に、助産師等による専門的なケアを受け、安心して生活できるようサポートを提供しています。
種類としては、デイサービス(通所)型・ショートステイ(宿泊)型・アウトリーチ(訪問)型があり、お母さんの休息時間の提供に加え、健康や生活の相談、授乳方法の指導や乳房ケア、発育状況の確認、育児方法の実技指導などを行っています。
市外からの利用者も多い、子育て支援センター「もみじの手」
――市内だけでなく、市外でも評判のよい子育て支援センター「もみじの手」の概要を教えてください。
岩村さん:「もみじの手」は、地域の子育て世帯や、これから子育てを始める家庭に対する支援施設です。お休みは、祝日や年末年始、「アミューあつぎ」の休館日だけで、土曜日も日曜日もご利用いただけるため市外から来られる方もいらっしゃいます。
岩村さん:対象は未就学児で、平日は特に未就園児の親子、土曜日と日曜日はご家族での利用が多くなります。「本厚木」駅から地下道でつながっており、雨に濡れることなく来館できるのも魅力です。
公園の充実は憩いの充実
――小さなお子さまがいるファミリーにおすすめのスポットを教えてください。
肱元さん:大小さまざまな公園が多いのは、厚木市の魅力の1つだと思います。厚木市の子育てガイド「おおきくなあ~れ」でも紹介していますが、「本厚木」駅周辺だけでも「厚木中央公園」や「中町公園」、「厚木公園(はとぽっぽ公園)」や「旭町どんぐり公園」、「あさひ公園」などがあり、さまざまなイベントの会場となる「厚木中央公園」をはじめ、それぞれに特徴があります。少し離れたところには9.4ヘクタールもの広さを誇る「ぼうさいの丘公園」もあり、大型遊具や小動物園など子どもたちが楽しめる施設も充実しています。
肱元さん:それ以外では、地元野菜やジェラートが人気のJAあつぎ農産物直売所「夢未市」や、桜がきれいな相模川沿いも散歩コースとしておすすめです。
――最後に、厚木市での子育てを考えている方々にメッセージをお願いします。
肱元さん:市長の言葉にもありますが、私たちは“子育て・教育で選ばれる街”を目指しています。より多くの方に“ここで産まれてよかった”、“この街で子育てができてよかった”と思ってもらえるように、さまざまな取り組みを通じて、よりよい街にしていけたらと思っています。お子さまの故郷にぜひ厚木市を選んでいただけると嬉しいです。
子育て支援センター・もみじの手
所在地:神奈川県厚木市中町2-12-15 アミューあつぎ 8F
電話番号:046-225-2922
URL:https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/soshiki/kenkozukurika/2_1/3/1520.html
【お話をうかがったみなさま】
厚木市 こども育成課 肱元さん
厚木市 子育て給付課 端場さん
厚木市 農業政策課 大越さん
厚木市 こども家庭センター 奥原さん
厚木市 こども家庭センター 岩村さん
※この情報は2024(令和6)年10月時点のものです。