スペシャルインタビュー

各商店街の枠組みを超えて、若者たちが連携して平塚の街を盛り上げる!「平塚まち活」

人口の減少やインターネットの普及により、全国的に縮小の傾向が著しい商店街。平塚には複数の商店街が集積しており、同じくこの街もそういった課題がある点では例外ではありません。しかし未だに活気を感じさせる街では、各商店街の枠組みを超えて、若者たちが中心となって結成した「平塚まち活」のメンバーたちが新しい風を巻き起こそうと活動に取り組んでいます。 今回は、明石商店会にある「だるまや京染本店」を継ぐ洗い張りの職人であり、「平塚まち活」のメンバーでもある八木さんに、商店街の様子や活動の内容、平塚の街の魅力についてお話をお聞きました。

お話を伺った八木さん
お話を伺った八木さん

――まずは、八木さんが六代目でいらっしゃる「だるまや京染本店」の歴史を教えていただけますか?

八木さん:「だるまや京染本店」の初代は江戸で職人をしていた八木吉衛門で、現在の平塚を拠点とするようになったのは、染物と洗い張りの職人だった三代目・繁太郎の代からです。五代目である父の代からは染物をやめて小売業を担うようになり、加えて職人同士のつながりを生かし、着物の仕立てやしみ抜きなども手掛けるようになりました。

「だるまや京染本店」の店内の様子
「だるまや京染本店」の店内の様子

――「だるまや京染本店」が加盟している「明石商店会」、また八木さんがメンバーでいらっしゃる「平塚まち活」について教えてください。

「平塚まち活」とは?

八木さん:所属する「明石商店会」では、店舗の減少や後継者不足という問題が出てきています。課題は見えていてもそれに対して「明石商店会」だけでできることは限られており、私も少しあがいてみたもののやはり現実的に難しい、というのが実感です。そのような時に、「明石商店会」に限らず、各商店会の枠組みを超えて、若者を中心に「平塚」駅北口エリアを盛り上げていこうという動きが出てきました。つながりがつながりを呼び、その活動の母体として「平塚まちゼミ」が立ち上がりました。さらに、“駅前商店街に賑わいを”という市長の方針から、「平塚まちゼミ」のメンバーを中心に「平塚まち活」が設立されることになったのです。ちなみに「平塚まち活」は、「平塚まちなか活性化隊」の略称になります。

「平塚まち活」のHP
「平塚まち活」のHP

――「平塚まち活」ではどのような取り組みをされているのですか?

「平塚まち活」の取り組み

八木さん:街のブランディング、にぎわいの創生、新規店舗誘致、既存店舗の応援を大きな軸としています。具体的な動きとしては、にぎわいの創生として取り組んでいる「青空ファミリースペース」と「まちなかベースきちきち」です。
「青空ファミリースペース」は、平塚商業まつりや大門市といった地域のイベントが開催される時に、人工芝を敷いたり、休憩用のベンチを用意したりするなどして、子どもたちが遊べるスペースをつくる取り組みです。

「青空ファミリースペース」
「青空ファミリースペース」

一方の「まちなかベースきちきち」は、人々が集い、交流するための空間を創出するために借りたスペースです。1時間単位・1日単位で貸し出しも行っています。これまで、日本酒とおでんを楽しみながら語り合う会や、大学生の持ち込み企画であるコーヒーの飲み比べなど、ゆるく人々が交流できるような企画を実施しました。また、大学生と社会人による参加型トークセッションもあります。「平塚まちゼミ」と「平塚まち活」に関わっている方は多いので、そこでの人と人とのつながりを活かした企画を、今後はどんどん打ち出していけたらと思っています。

「まちなかベースきちきち」(2020(令和2)年7月現在、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点よりお休み中)
「まちなかベースきちきち」(2020(令和2)年7月現在、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点よりお休み中)

――最近「平塚まち活」として実施した取り組みなどはありますか?

最近の取り組みについて

八木さん:先日、街のリブランディングを狙って大門通りの街路灯を朱色に変えました。一見すると簡単そうに見える街路灯の色の変更ですが、実は道路交通法の絡みで実行に至るまで簡単ではありませんでした。空間形成ガイドラインを作成し、景観条例審議会を通して特例的に認めてもらい、何とか実現できました。街路灯の次の段階として、現在同色の什器を店舗に設置しようとしています。このように少しずつ通りに統一感を出していくことで、点と点だったものを線にしてつないでいきたいという狙いがあります。

また、最近はコロナ禍の影響で、2020(令和2)年3月中旬から周辺の飲食店も休業が目立つようになり、何か手助けになることはないかと考えるようになりました。その際、テイクアウトに対応している飲食店の情報をウェブアプリで発信している団体を知り、これなら平塚できる、すぐにやろうと思い立ちました。前職の関係で、Web関連は私が得意とする分野なんです。個人として実施することも考えましたが、より発信力のある「平塚まち活」の事業として取り組むことにしました。「平塚お弁当まっぷ」(ウェブアプリ)で知ったという新規のお客さんが来てくれた!と喜んでくれた飲食店のオーナーも多く、うれしかったですね。

テイクアウトを実施している飲食店をウェブアプリで発信
テイクアウトを実施している飲食店をウェブアプリで発信

――「平塚まち活」の活動を通して、平塚の街をどのように盛り上げていきたいですか?

今後の展望

八木さん:これは平塚に限らず全国的に言える話だと思いますが、近年はECサイトの発達により、店舗を構えなくても商売ができるようになった分、実店舗が減ってきています。その対策として様々な切り口が考えられますが、その内のひとつとして、既存の店舗の存在・魅力に気づいてもらう、ということがあると思います。既存のお店の魅力を掘り起こしてインターネット上で紹介することや、街にある店と店とをつなげていくことなどがあると思います。特に、新しく平塚の街に住まれた方が様々なお店の存在に気づき、興味を持ってもらえるようにするというのが大切ではないかと思います。

八木さん
八木さん

――最後に、平塚の魅力、おすすめスポットを教えてください。

平塚の魅力

八木さん:地域の祭りやイベントが多く、海もあって、「湘南ベルマーレ」の本拠地もある。また、「平塚」駅周辺に広がる、味わい深い商店街や「ららぽーと湘南平塚」もあるので、買い物にも困りません!それと、飲食店のクオリティとコストパフォーマンスがやたらといいというのも平塚ならではの特徴だと思います!住まいを東京から平塚に戻した時に、これで趣味の食べ・飲み歩きもできなくなるなと残念に思ったものですが、実際は全くそんなことはない(笑)。いい店がたくさんあって、そこを訪ね歩くのが何よりも楽しいですね。平塚を一言で表現すると“スルメイカ”のような街だと思います。噛めば噛むほど味が出る――つまり、知れば知るほどいい街という意味です。

――ありがとうございました!

八木さん
八木さん

だるまや京染本店/平塚まち活

八木賢一さん
URL:https://www.darumaya-gofuku.jp/
URL:http://www.hiratsukamachikatsu.com/
※この情報は2020(令和2)年7月時点のものです。

 

おまけ:インタビュー後、「平塚」駅北口の商店街を巡ってみました!

 

帰り道、周辺にある商店街を歩いて回ってみました。いくつかご紹介します!

■紅谷パールロード商店街

JR「平塚」駅北口を出てわずか3分のところにある商店街。歩行者天国になっていて段差もないのでとても回遊しやすいのが特徴で、飲食店からファッション店、ドラッグストアなど様々な店が並んでいます。気軽に立ち寄れるバルで帰りに一杯、というのもできそう…!毎月第4土曜日には「湘南ひらつか駅前骨董市」が開催され、古物品や陶器など約40店が並びます。また、かつて囲碁の棋士・木谷實氏が住んでいたことにちなんで、毎年10月には「囲碁まつり」も開催。1,000面もの囲碁盤がずらっと並ぶ様子を見物に、全国から囲碁ファンが集まってくるそうです。

紅谷パールロード商店街
紅谷パールロード商店街

■湘南スターモール商店街

「紅谷パールロード商店街」と並行するようにして、北側に東西に延びているのが「湘南スターモール商店街」です。「湘南ひらつか七夕まつり」のメイン通りともなっているので、地元民にとって馴染みの強い通りです。商店街の西端、「市民プラザ前」交差点の近くに「平塚宿江戸見附跡」があることからもわかるように、周辺はかつて平塚宿で賑わっていました。今もその伝統を引き継いでいて、昔ながらの老舗個人店が多く並びます。昭和初期から続く人気店をチェックしてぜひ訪れてみてください。

湘南スターモール商店街
湘南スターモール商店街

■大門商店会

「フェスタロード」の1本西側に、「平塚八幡宮」へと続く表参道「大門通り」が延びています。この通りは東海道が整備される江戸時代よりも前から栄えていて、現在は「大門商店会」が広がっています。履物店やハンコ店など、職人色の強い店がたくさん。例年9月には「平塚八幡宮」境内に約300基ものぼんぼりが灯される「ぼんぼりまつり」が開催され、商店街でも屋台や飴細工などの縁日が並ぶ「ぼんぼり市」が開かれます。

みなさんもぜひ平塚の商店街を巡ってみてください。ここでしか感じられない人のぬくもりがありますよ。