地域が見守り、街が子どもたちを育む「横浜市立荏田西小学校」
1993(平成5)年に開校した「横浜市立荏田西小学校」は閑静な住宅街に位置する小学校だ。“地域の子どもは地域で守ろう”を旗印とし、登下校の見守りをする「えだにし学援隊」が立ち上がるなど、あたたかな見守りのもとで子どもたちは学校生活を送っている。
今回は「横浜市立荏田西小学校」の矢崎純一校長に、学校の特徴や周辺の地域をテーマにお話を伺った。
横浜市青葉区荏田西で開校した背景と地域に根差す学校づくり
――まずは、「横浜市立荏田西小学校」の概要と沿革から教えてください。
矢崎先生:本校は、荏田西地区における人口増に対応するため1993(平成5)年に開校しました。それ以降も人口増は続き、校舎を増築しながら現在の校舎構成となりました。児童数は、1年生から順に3クラス、4クラス、3クラスで、4年生から6年生までは各学年4クラスとなっています。これまで1学年100人から130人で推移しており、区内の小学校では児童数の多い学校ではありますが、現在は少子化の影響もあって100人を下回るようになりました。
――地域との関わりや、学校が地域に果たしてきた役割について教えてください。
矢崎先生:地域との関わりとしては、約20年前に、保護者や地域住民の有志によって「えだにし学援隊」が設立されました。登下校時の見守りや、のぼり旗の設置・管理などを行っていただいています。
一方で、本校が地域に対して行ってきた取り組みとしては、第3代校長の時代に、本校の学区が新興住宅地にあることを背景に、人と人とのつながりや子どもたちの地元への愛着を育むことを目的として、校庭を会場としたお祭りを立ち上げました。
当時の校長をはじめ、学校や地域をより良くしたいという思いを持つ方が多い点も、この地域の大きな特徴だと感じています。
教科担任制と対話重視で育む、荏田西小学校の教育環境
――授業について、教科担任制を導入したことで感じる変化はありますか。
矢崎先生:教員にとって教材研究を絞ることができるため、授業の質を高めることにつながっています。子どもたちにとっても、何人もの“先生”に接することで、さまざまなスタイルの授業に触れることができます。入学してしばらくは、担任との距離を縮める必要性から教科担任制の実施は6月くらいからスタートし、夏休み明けから本格的に実施しています。
――特徴的な教育や、重点的に取り組んでいることがあれば教えてください。
矢崎先生:コロナ禍による影響からか、子どもたち同士のコミュニケーション不足を感じることが多々ありました。そこで取り組んだことが対話の重視です。まずは自分の意見をしっかりと相手に伝え、反対に相手の意見も受け入れること。特別活動や道徳の授業で対話することの大切さを伝えました。それにより、相互理解の不足に起因するトラブルの回避につなげていきたいと考えています。
――子どもの気持ちを落ち着かせたり、一時的に指導を受けたりできる部屋があるそうですね。
矢崎先生:本校ではそれを「荏田西ルーム」と呼んでおり、通常学級に在籍している子どもたちが、状況に応じて保護者との合意形成のもとに利用しています。学校に足が向かない、受けたくない授業がある、一時的に休みたいという子どもたちが気持ちを落ち着かせる空間となっています。

放課後の過ごし方と安心の支援体制、家庭・地域とのつながり
――通われているご家庭の皆さまは、どのような方が多いですか。また、通塾率や私立への進学率についても教えてください。
矢崎先生:日頃接する中で感じることとしては、教育に熱心で落ち着いた方が多いという印象です。「えだにし学援隊」の設立・運営に見られるように、学校や地域に対する気配りなど日々ご尽力いただいています。
通塾率については、統計を取っていないため詳細は把握していませんが、私立中学校への進学率については3割程度です。この数字は少ないと思われるかもしれませんが、ある保護者の方は、「学区内に進学実績のよい『市ケ尾中学校』があることも関係あるのかもしれない」とおっしゃっていました。
――休み時間、学童保育を含め子どもたちの放課後の過ごし方について、何か特徴はありますか。
矢崎先生:休み時間になると、常時200人から250人くらいの子どもたちが校庭で遊んでいます。残りは図書館で過ごしたり、カードゲームをしたりと、過ごし方はさまざまです。教員にはよく、都合がつけば休み時間や放課後に子どもたちと一緒に遊ぶようにと話しています。子どもたちとの信頼関係を築く上で大切なことですし、何気ない表情や友だち同士の関係性を含め、さまざまな角度で子どもたちの様子がわかります。
矢崎先生:放課後の子どもたちの居場所として、留守家庭児童には生活の場を提供する「放課後キッズクラブ」があります。登録者の数では1・2年生が100名程度と最も多くなっています。

――小中一貫教育という観点で、「市ケ尾中学校」とはどのような連携を行っていますか。
矢崎先生:本校は「市ケ尾中学校」、「東市ケ尾小学校」、「荏田西小学校」による「市ケ尾中ブロック」の構成校のひとつですが、この「市ケ尾中ブロック」には町内会長やPTA会長、また有識者などが在籍する学校運営協議会が設置されています。小学校から中学校までの9年間を見据え、どのように子どもたちを育てていくかという共通のテーマを掲げて活動しています。その中で大切にしているのが「笑顔」であり、挨拶の重点月間には、「市ケ尾中学校」の生徒が本校の正門で挨拶をしたり、反対に本校のボランティア委員会のメンバーが挨拶をしに行ったりという交流があります。
また、地域の企業や商店との連携ということでは、協力していただけるところを探し、ベーカリーを見学させてもらったり、「浜なし」を栽培している農家で収穫を体験させてもらったりしました。
公園と落ち着いた住環境が魅力の荏田西エリア
――周辺エリアの子育て環境や、おすすめの施設などあれば教えてください。
矢崎先生:閑静な住宅街が広がっていますので、子育て環境としても非常に整っていると感じています。そのような住環境のなか、大小さまざまな公園が点在していることも街としての魅力だと思いますし、お勤めの方にとって子どもを預けやすい環境というのも大きいと思います。

――最後に、このエリアに住みたいと考えている方に一言お願いします。
矢崎先生:街を歩いていただくとわかりますが、本当に落ち着いた街です。本校が重視している“挨拶”を通して感じたことでもありますが、人と人とのつながりを大切にしている方が多いといった印象です。穏やかな街に、しっかり根づいたあたたかな人間関係が構築されているということが、この街のひとつの特徴ではないかと思います。

横浜市立荏田西小学校
校長 矢崎純一先生
所在地:神奈川県横浜市青葉区荏田西4-5-1
電話番号:045-911-4481
URL:https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/es/edanishi/index.cfm/1,html
※この情報は2026(令和8)年3月時点のものです。
