大和市立大野原小学校 深谷校長 インタビュー

子どもたちがのびのびと成長できる環境「大和市立大野原小学校」

昼休み中の「大和市立大野原小学校」に訪れると、児童たちの元気な声が聞こえてくる。校舎内では、すれ違う児童たちの明るい挨拶が次々聞こえてきてとても清々しい。本校では様々な特徴ある取り組みを行っており、大和市の「放課後寺子屋やまと」や、先日表彰された心と体の健康における委託研究「子どもjoy!joy!プラン」などについて、深谷校長先生に詳しいお話を伺った。

文部科学大臣賞を受賞。心身ともに健康な子どもの育成を。

「大和市立大野原小学校」外観
「大和市立大野原小学校」外観

――2015年(平成27)年度に40周年を迎えた貴校の概要について教えてください。

深谷先生:現在児童数は約700名でクラス数は1~5年生までは各3クラス、6年生が4クラスの編成です。他に特別支援学級が6クラスありますので、児童数は市内でも多い方に入ります。

本校では学校教育目標として、「元気な子・考える子・仲良くする子」の3つを掲げています。「元気な子」は健康面や体力面における目標、「考える子」は学習面でしっかり考えることのできる子どもを育てようというものです。どのような学習場面でも自分で考えを持ち、伝えることを大切にしようと、授業でも意識的に思考力や表現力の育成に取り組んでいます。最後の「仲良くする子」は社会性を育てるという意味で、3つ合わせて子どもの成長を支える教育目標となっています。

――学校として行っている特徴的な取り組みなどはありますか。

深谷先生:健康体力つくりに関する神奈川県と大和市の2つの委託研究が、本校が昨年度まで行った特徴的な取り組みとして挙げられます。県の委託研究「子どもjoy!joy!プラン(健康・体力つくり)」では、2016(平成28)年11月に研究発表会を行い、多くの方に授業とシンポジウムを通して成果を見ていただけました。この研究では大学の先生や株式会社タニタさんにもご協力いただき、国の「早寝早起き国民運動」と本校の研究が一致していたことを評価していただけて、「早寝早起き朝ごはん運動推進」にかかる文部科学大臣賞を受賞しました。

「子どもjoy!joy!プラン」は文部科学大臣賞を受賞した
「子どもjoy!joy!プラン」は文部科学大臣賞を受賞した

――「こどもjoy!joy!プラン(健康・体力つくり)」について詳しく教えてください。

深谷先生:健康にとても大切な運動・食事・睡眠の3つの要素、このサイクルがうまく機能するためにはどうしたら良いか、ということを子どもたちと考える授業を行いました。例えば、食事については栄養バランスを学んで自分たちで食事内容を考えたり、自分の朝ごはんを振り返ることで栄養について意識するような内容を授業に組み込みました。また、タニタの方に保護者向けの講演会もしていただきました。

早寝早起きに関しては、学校では確認することはできませんが、質の良い睡眠をとるための方法を学年に応じて考えさせる授業を行いました。睡眠をしっかり取ることは、健康的な体づくりの大切な要素だということを学び、徐々に意識を変えていきました。

――この取り組みを通じて実際に児童さんたちに変化はありましたか。

深谷先生:日頃の会話の中で意識が変わったな、と分かる場面が多々ありました。例えば、とある児童は食事に関する意識が高まったようで、親御さんが作った朝食について「今日は野菜が少ないね」とコメントすることもあったと保護者の方から伺いました。これには、親御さんも気をつけなければ、とはっとしたそうです。

ただ、これは一度きりではなく習慣付けることが大切なので、繰り返していく必要があります。委託研究は今年度で終わりますが、来年度以降も続けていきたいと考えています。

“良く学び、よく遊ぶ”を実践できる整った環境

大和市では「寺子屋やまと」の取り組みを実施
大和市では「寺子屋やまと」の取り組みを実施

――大和市が行っている「寺子屋やまと」について教えていただけますか。

深谷先生:大和市内の小学校全19校行っているもので、週に3日、放課後の空き教室に児童が宿題などを持ちより、常駐する先生が勉強のサポートをしています。本校では、退職した教員がリーダーとして在籍していて、他にも教員免許を持った学習支援員がサポートしています。希望する児童は誰でも利用可能で、1~6年まで合計約50名が参加していますが、「寺子屋」に来ることをとても楽しみにしている児童が多く、本当にのびのびと勉強しています。

「寺子屋やまと」の取り組みについては寺子屋コーディネーターの内藤先生にもお話を伺いました。

――普段の授業とはどういった点が異なるのでしょうか。

内藤先生:「寺子屋」は児童の学習状況を見ながら、個々のニーズにあわせて勉強できる点が一番の特徴です。毎回は長い時間でなくても、継続している児童は、お互いに適度な刺激を受け合いながら確実に学力がついてきていると感じます。

勉強が得意ではない児童でも意欲をもって取り組めるよう、丸テーブルや座布団を置いて家に帰ったようなリラックスした空間にするなど、教室とは違う環境づくりにも力を入れています。実際に、親御さんから「勉強が楽しめるようになって感謝している」といった手紙をいただくこともあり、とても嬉しく思っています。

――全学年の児童が一堂に会して勉強するということですが、雰囲気はどうですか?

内藤先生:今の子どもたちは核家族化も進み、身近な大人との対話が少なくなりがちですが、「寺子屋」は先生でも親でもない大人と対話できる場という点で、単に勉強を教わる以上の意味があると思います。児童同士でも学年を超えたつながりが生まれていく様子は見ていて微笑ましいです。

もう一つ大きな存在が「放課後広場」です。「寺子屋」以前からあった大和市の取り組みで、学校の校庭や体育館、図書室、図工室などで、大人が見守る中児童が放課後に遊べる場を提供しています。「寺子屋」での学習が終わると、「広場で遊んでくるね!」と元気に出ていく児童がいますが、この効果は大きいと感じています。”よく学びよく遊ぶ”ことを実践できる環境は、子どもの成長に欠かせません。

街と共に歩み、豊かな自然を活かした教育を行う。

各クラスで歩数を記録するイベントも
各クラスで歩数を記録するイベントも

――年間行事にはどのようなものがありますか。

深谷先生:まず、4月には「こんにちは1年生」という入学した1年生を全校児童で迎える児童会の行事があります。体育館に全校児童が集まって歌や劇などの出し物で、新入生を歓迎します。これに対して3月には、「さよなら6年生」を行います。児童みんなが顔を合わる場で感謝の気持ちを伝えます。

他にも、年間を通じた縦割り活動の一環で、毎年11月頭に学区に隣接している「泉の森」に出かける「チャレンジ泉の森」というイベントがあります。こうした異年齢の活動では、上級生が下級生の面倒を見みることで「自分が役に立っているんだ」という自己肯定感にもなり、こころの発達にもつながっています。

――PTAや地域との連携について教えてください。

深谷先生:本校は、線路をまたいで学区が広がっているため、踏切を渡って通学をする児童もいます。そのため、PTAや地域の方がいろいろな場所に立って登下校を見守ってくださっています。また、この学区は自治会の活動が盛んでどの自治会でも夏祭りがあるので、児童たちもよく参加しています。学校でも必要に応じてパトロールとして参加するなど、関わりを持つことで地域とは近い関係でありたいと思っています。

11月初頭には校庭を使って行われる「ふれあいひろば」というPTA中心の行事があります。こちらも手作りバザーなど、地域の団体も参加して、子どもたちが親子で来て過ごせるような行事となっています。児童と保護者だけでなく地域の方も参加してくださいます。

学校で飼育しているうさぎ
学校で飼育しているうさぎ

――鶴間エリアの住みやすさや街の特徴を教えてください。

深谷先生:「鶴間」駅は大和市の行政の中心なので、近くに市役所や保健福祉センターがあり、利便性が高いです。本校の学区でいうと、先ほども出た「泉の森」という素晴らしい自然環境が残っている森がすぐ側にあるのは、とても恵まれていると思います。ほかにも公園が多く、子どもたちにとっては良い環境ではないでしょうか。新しい住宅も増えているので、これからもさらに賑やかになってくる地域ではないかと思います。

深谷校長
深谷校長

大和市立大野原小学校

深谷 校長
所在地:神奈川県大和市上草柳7-4-26
TEL:046-263-2540
URL:http://www.ed2.city.yamato.kanagawa.jp/s-oono/
※この情報は2017(平成29)年3月時点のものです。