スペシャルインタビュー

未来を見据えた指導で子どもたちを羽ばたかせる「横浜市立戸塚中学校」

再開発により真新しく変化した「戸塚」駅周辺。その西側、小高い丘の上にある中学校が「横浜市立戸塚中学校」だ。上級生と下級生が学び、教え合う校風が脈々と受け継がれ、2016(平成28)年度には創立70周年を迎えた。現在校長を務めるのは、長年市内の中学教育に尽力してこられた川邊哲生先生。教員生活のスタート地点となった「横浜市立戸塚中学校」に5年前再任され、さらによりよい学校にしたいと情熱を注いできた。保護者となったかつての教え子たちに今も慕われる川邊哲生校長先生に、同校や戸塚エリアの魅力を伺った。

生徒たちの運営で70周年記念式典を開催

「横浜市立戸塚中学校」川邊哲生 校長先生
「横浜市立戸塚中学校」川邊哲生 校長先生

――「横浜市立戸塚中学校」の概要、教育方針についてお教えください。

川邊 校長先生:本校は、一般級22、個別支援級5の計27クラスで、生徒数は881名です。「横浜市立戸塚中学校」は私が42年前に教員生活をスタートさせた学校なのですが、当時は約2,500名、全国2位の生徒数を誇っていました。その頃に比べると数は減りましたが、横浜市内で現在も大規模校に類しています。市内148の中学校のなかでも、落ち着いた学校であり、それは私が初めて赴任した頃と変わっていません。例えば、全校集会では、教師が指示しなくても、一切私語がない。また、市の「指定地区外就学許可制度」を利用して、本校に入学を希望するお子さん、保護者が大勢いらっしゃるほど、安定した学校です。生徒たちは、学校目標である「認め合い 高め合い 成しとげる」の実現に向けて、日々励んでいます。

2016(平成28)年度に発行された創立70周年記念誌
2016(平成28)年度に発行された創立70周年記念誌

――「横浜市立戸塚中学校」の沿革をお聞かせください。

川邊 校長先生:1947(昭和22)年の創立の「横浜市立戸塚中学校」は、2016(平成28)年度で創立70周年を迎えます。生徒数が2,000名を超えていた頃はグラウンドにプレハブ校舎が立ち並び、教員も100名近くいましたが、舞岡・豊田・汲沢・南戸塚・領家中学校の独立開校、校舎の増築などを経て、現在に至っています。2016(平成28)年12月には創立70周年記念式典を開催し、記念誌も発行しました。子どもたちの記憶に残るものにしたいと、式典はすべて生徒に運営してもらい、記念誌には生徒たちの声をたくさん載せるなど、手づくり感のあるものにしました。70周年記念の「絆」の碑は、保護者ら地域の方たちの協力でできたものです。そうした地域の方の信頼や想いが次の世代に受け継がれていく、すばらしい伝統がある学校だと思います。

全国レベルの部活を擁する「文武両道」の校風

校内の様子
校内の様子

――学力向上のために特に取り組まれていることはございますか?

川邊 校長先生:もともと生徒たちの学習意欲が高く、近年では少人数制やITの活用などにも積極的に取り組んでいます。学校を取り巻く環境は常に変化しており、先生方にはさらに指導力を高めてほしい。学校は何より学習の場で、教師がそれを強く意識して生徒と対峙していくためには、生徒を引きつける魅力ある指導力を身につける必要があります。また、なぜ勉強が必要なのか、子どもたちに学習の目的を自覚させる指導が必要です。何のために学ぶのか、それは生きていくためであり、その先にあるのはどう生きるのかということ。高校に入るためだけの勉強ではなく、5年先、10年先を見据えた指導をすることが大事です。学習面で思考力がつけば、日々の生活の上での思考力も増していくと思います。

――進学実績についてはどうでしょうか。

川邊 校長先生:安定した進学率で、生徒たちはほぼ希望した学校に進んでいます。有名私立・公立高を含め、さまざまな学校へ進学していますね。今はどこの中学校の生徒もそうですが、本校の生徒たちも多くが塾へ通っています。

部活動で獲得した優勝トロフィーや盾が並ぶ
部活動で獲得した優勝トロフィーや盾が並ぶ

――部活動が盛んだと伺っています。

川邊 校長先生:総じてレベルが高い部活が多く、特に女子バスケットと剣道は全国レベルです。女子バスケットは、顧問が市内でもトップレベルの指導力を持ち、2017(平成29)年1月の神奈川県大会で優勝も果たしました。剣道は、2016(平成28)年度の県大会で個人戦優勝、団体戦準優勝を獲得しています。文化部では、吹奏楽が盛んで、2015(平成27)年度には県のコンクールで金賞を受賞しました。指導者にかかわらず、生徒たち自らよく練習していることが素晴らしいですね。教員も熱心で、必ず指導についています。校風でもありますが、「文武両道」の生徒がとても多いです。

「秋・実りの祭典」では生徒のいきいきとした姿が見られる
「秋・実りの祭典」では生徒のいきいきとした姿が見られる

――学校行事などについて教えてください。

川邊 校長先生:合唱コンクールは毎年、鎌倉芸術会館を貸し切って開催し、保護者も大勢いらっしゃいます。文化祭の「秋・実りの祭典」も活気があり、合唱や吹奏楽、演劇などの舞台発表に、教員のパフォーマンスがあったりと、非常に和気あいあいとした雰囲気です。どんな行事でも、子どもたちはすごく意欲的に取り組んでいますよ。また、体育大会はさまざまな種目があり、なかでもソーラン節は毎年隊形の組み方などを変えて工夫をしています。保護者も観覧するのをとても楽しみにしていますね。

生徒や保護者の信頼を胸に教育に取り組む

体育の授業の様子
体育の授業の様子

――「横浜市立戸塚中学校」ならではの取り組みはありますでしょうか。

川邊 校長先生:本校独自の取り組みとしては、2016(平成28)年度から学期ごとに発行している「戸塚中学校生徒白書」です。従来の学校だよりや学年通信だけでは情報開示とは言えない、保護者に学校でのお子さんの様子をもっと詳しく伝えたいという想いから始めました。保健室の利用状況やけがの発生状況・時間帯のデータなど、幅広い角度から詳細データを掲載しています。これは市内のどの中学校にもないもので、教育委員会からも評価をいただいています。

「横浜市立戸塚中学校」校舎外観
「横浜市立戸塚中学校」校舎外観

――日頃、生徒さんと接する上で心がけていらっしゃることはありますか?

川邊 校長先生:教員生活を何十年もやってきて、「子どもは必ず変わる」というのが私の実感です。すぐには変わらないが、いつか必ず変わる時がくる。ですから、目の前の子どもと関わり続けること、「変わる」と信じ続けることが大事です。私は本校の教員たちにも、「子どもたちが何年経っても思い出せる先生になりなさい」と言っています。あの先生の授業が好きだとか、字が好きだとか、服装が好きだとか、何でもいい。「ああいう大人になりたい」と思わせるような教員が求められていると思います。校長室には生徒の作品である絵を飾っていますが、絵を描いた生徒を呼んで感謝の言葉を掛けることはその一例です。生徒も喜びますし、保護者も「うちの子を励ましてくれた」と感謝してくださる。一過性ではなく、何事も未来へつなげていくことが大事だと思います。

便利で豊かな環境に育まれるまち 戸塚

自然に親しめるスポットも周辺に点在
自然に親しめるスポットも周辺に点在

――周辺地域の魅力やお勧めのスポットを教えてください。

川邊 校長先生:戸塚の魅力は、第一に便利なことです。横浜へ出るにも藤沢へ出るにもアクセスがよく、利便性が高い。その一方で、地域が非常に落ち着いていて、本校の保護者もこの地域出身という方がとても多いです。宅地化は非常に進んでいますが、安定した地域性は変わっていません。環境もよく、「横浜市立矢部小学校」の近くにある「谷矢部池公園」は、この地域の憩いの場になっています。私も毎日犬の散歩へ行くのですが、小川や池があり、貴重な動植物をたくさん見られます。タケノコが採れる森林もあるので、小学校の子どもたちは毎年タケノコ掘りへ行っていますよ。公園愛護会があり、会員の方たちが地域の子どもたちのためにと整備に力を入れています。戸塚は、地域の方々が子育て・教育への協力を惜しまない、そんな街ですね。

「横浜市立戸塚中学校」校長 川邊哲生 先生
「横浜市立戸塚中学校」校長 川邊哲生 先生

横浜市立戸塚中学校

校長 川邊哲生 先生
所在地 :横浜市戸塚区戸塚町4542
TEL :045-864-1531
URL:http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/jhs/totsuka/index.cfm/1,html
※この情報は2017(平成29)2月時点のものです。