「神奈川県立青少年センター」は1962(昭和37)年に開館した。設計を手掛けたのは、モダニズム建築の旗手として知られる前川國男氏。隣接する「神奈川県立音楽堂」と「神奈川県立図書館」も同氏の設計によるものだ。
写真1 : 外観
写真2 : 広々と使える練習室もある
「神奈川県立青少年センター」では4事業を柱とする。1.青少年の体験活動を推進する人材の育成、2.青少年のひきこもり、不登校や非行等への対応、3.青少年の科学体験活動の促進支援、4.青少年や県民の活発な舞台芸術活動支援。
写真3 : 楽屋
写真4 : 入り口
「1.青少年の体験活動を推進する人材の育成」については、キャンプを経験したことがない子どもたちに、その魅力を伝える指導者の育成などが例として挙げられる。
「2.青少年のひきこもり」は不登校やひきもりで悩んでいる者とその関係者に向け、相談窓口を設置。また、その支援をしているNPO団体に活動拠点として場所を提供し、各団体との交流が図れる環境づくりに寄与している。
写真5 : 「移動科学教室」も主催し …
「3.青少年の科学体験活動の促進支援」は、子どもたちに科学の面白さを伝えるということをテーマに、「移動科学教室」の主催や、天体望遠鏡を使用しての「星空教室」。また、ロボット製作などを通じて科学をより身近に感じてもらう活動をしている。
写真6 : 様々なものを発表する場と …
写真7 : ホールの席数は812席あ …
「4.青少年や県民の活発な舞台芸術活動支援」については、その中心に812席のホールがある。演劇やミュージカルだけでなく、ダンス、バレエ、さらには古典芸能を発表する場としても利用されている。舞台芸術をより身近に感じてもらうため、県が取り組んでいることにも注目したい。毎年、神奈川県演劇連盟の主催により「演劇博覧会」が開かれる。県内を拠点に活動する劇団が集まり、短い作品を連続上演していくもので、入場料無料・入退出自由というふたつのキーワードが大きな特徴と言える。
写真8 : 劇団員による舞台製作の様 …
写真9 : 舞台製作の様子
舞台芸術に興味があっても、そのきっかけがないことから縁遠く感じている者は意外に多い。別の目的で「神奈川県立青少年センター」を利用している間に、舞台芸術に興味を抱くことがあるかもしれない。「神奈川県立青少年センター」が街に存在すること――この意義は、実に大きなものと言えるだろう。
写真10 : 舞台の台本
神奈川県立青少年センター 所在地:神奈川県横浜市西区紅葉ケ丘9-1 電話番号:045-263-4400 開館時間:9:00~17:00 ※青少年サポートプラザは21:00まで(日曜日は17:00まで)、ホール・多目的プラザ・練習室・楽屋は予約がある場合のみ22:00まで 休館日:12/28~1/4 ※管理課、指導者育成課、青少年サポート課、科学支援課は月曜日 http://www.pref.kanagawa.jp/div/0230/