港北区地域子育て支援拠点 どろっぷ 地域担当 江口さん インタビュー

産前・産後から子育てファミリーを力強くサポートする「港北区地域子育て支援拠点 どろっぷ」

「どろっぷ」は、横浜市で最初の地域子育て支援拠点として2005(平成17)年度に開設。乳幼児とその保護者が安心して過ごせる居場所の提供や、幅広い内容を受け付ける相談事業、子育て応援メールマガジン「ココめ~る」を中心とした子育て情報の収集発信など、さまざまな支援活動を展開し、大倉山エリアの子育て世帯にとって心強い施設となっている。元利用者でもあるスタッフの江口さんに、地域密着で子育て支援に取り組む「どろっぷ」の活動について、大倉山エリアの子育て環境を交えてお話を伺った。

自分のペースで利用が可能 新鮮野菜が採れるミニ菜園も!

「どろっぷ」内観
「どろっぷ」内観

――活動内容や利用方法について教えてください

江口さん:「どろっぷ」は横浜市各区にある地域子育て支援拠点のひとつで、0~6歳の未就学児とその保護者を対象した施設です。日・月曜日と祝日の休館日以外、9時30分から16時の開館中いつ来て帰ってもいい施設なので、ひろばで自由に過ごしたり、プログラムや研修会へ参加したり、ご自分のペースで利用できます。ランチタイムはひろばにテーブルを出すので、みんなで一緒にお昼を食べることもできますよ。

地域担当の江口さん
地域担当の江口さん

利用は無料で、初回の登録時に作成する利用者カードを受付で提示してもらうという仕組みで、カードは綱島の「どろっぷサテライト」でも使えます。留意事項としては、安全を確保するために一度に45組までという入館制限があります。混雑したら随時ホームページに表示されますので、気になる場合は事前にご確認ください。

――施設にはどんな部屋や設備がありますか?

江口さん:1階は、全体が見通せるような縦長の造りが特徴です。一番奥の和室は「赤ちゃんコーナー」、乳児とその保護者が過ごしやすいよう、お昼寝布団や授乳コーナーがあります。その手前の(株)UCCプロデュースの「喫茶コーナー」では1杯80円でコーヒーが飲めますので、小さな子がいて喫茶店へ行くのも大変というお母さんたちもくつろげるスペースです。受付の向こうは「工作コーナー」、フロア中央は絵本やおもちゃで遊べる「ふれあい・遊びのひろば」となっています。電車遊びやおままごと遊びができるよう、ちょっとしたコーナーを設けていますが、基本的に誰がどこで遊んでもいいフリースペースとなっています。

「喫茶コーナー」でくつろぐこともできる
「喫茶コーナー」でくつろぐこともできる

2階は、最大40名収容の研修室があって、プログラムや地域の方の会合、研修会などに使われています。その隣の和室は、専門相談員との個別相談や、体調がすぐれない方がお布団を出してお休みできる部屋です。「どろっぷ」にはお庭があることも特徴で、ミニ菜園で収穫した旬の野菜を「工作コーナー」脇の簡易キッチンで切って、みんなで食べることもありますよ。夏は水遊び用のプールが置けるので、子どもたちに大人気です。

――利用状況についても教えてください。

江口さん:一番多いのは0~3歳児とその保護者さんですね。入館者数は1日70組ほど、天候や地域の行事などにも左右されますが、開館直後は比較的空いていて、お昼の13時から14時辺りが一番混み合います。お昼は家に帰られる方もいるため入れ替わりがあるので、1日中入館制限がかかっているということはまずありません。

のびのびと赤ちゃんが遊べる空間
のびのびと赤ちゃんが遊べる空間

先輩ママと話せるサロンやプレママカフェなど多彩なプログラム

――定期プログラムにはどのようなものがありますか?

江口さん:ほぼ毎月ひろばで開催しているのは「くるみさろん」と「おとの時間」です。「くるみさろん」は助産師さんや先輩ママたちを交え、授乳を中心にお母さんたちの日々の悩み事を話し合う座談会、「おとの時間」はボランティアのピアノ演奏を聴いたり、お誕生月の子にお祝いの歌を歌う時間になっています。また、ほぼ隔月で開いている「ふらっとさろん」では事前に決めたテーマやその場で挙げてもらったテーマを少人数の座談会形式で話しています。

「プレママカフェ」はどろっぷサテライトとほぼ隔月で交互に開いている、妊娠中に先輩ママから具体的な体験談を聞ける場となっています。そのほかにも合同で開いている連続講座があり、産後のお母さんたちが外に出るきっかけづくりを兼ねて、初めての抱っこのコツなど子育てについて少人数でお話をしています。

――利用者が主体となって行う活動もあるそうですね。

江口さん:「自主活動」と呼んでいて、「手芸部」「土いじりの会」「BOSAIくらぶ」「MSC(多文化共生サポートクラブ)」「どろっぱ」の5つの活動があります。「手芸部」はひろばで使うおもちゃなどを作ってくれていますし、「土いじりの会」はミニ菜園での野菜作りやプランター園芸のほか、個人や団体の庭を公開するイベント「港北オープンガーデン」の準備も活動のひとつです。「BOSAIくらぶ」は非常食の試食会をしたり、地域の防災訓練へ参加しています。「MSC」には外国籍の方と語学が得意な日本の方がいて、やさしい日本語で幼稚園・保育園の説明会を開いたり、どろっぷの広報紙「atどろっぷ」の英語版を作ってくれたりしています。「どろっぱ」はパパたちの会、子どもたちと一緒に遊ぶ企画を立ててくれています。

自然と友達が増えていく空間
自然と友達が増えていく空間

自主活動は、得意なもの関心のあるものに参加できて、利用者だけでなく、ボランティアや地域の方も含めて出入りは自由。どれも基本的に月1回会合を開いていますが、参加したいときで構いませんし、「土いじりの会」のジャガイモ掘りはひろばにいる方たちも巻き込んで一緒に収穫するなど、参加の形も様々です。

――利用者と接する際に心掛けていることはありますか?

江口さん:港北区は今、出生数がとても多く、実家から離れて初めて一人で子育てしている家庭が多くあります。そこで、新しく来館された方には、2回目以降の利用に繋がるよう、初めての子育ての大変さは十分共感できますし、港北区に愛着を持ち、故郷と思ってもらいたいので、より丁寧な説明と質問への回答を心掛けています。

親子が長く利用し続けられる工夫を凝らす
親子が長く利用し続けられる工夫を凝らす

また、「どろっぷ」ではエプロンをつけたスタッフの他、サポーターである準スタッフ、小学生からスペシャルボランティアを意味する「Sボラ」と呼んでいる年配のボランティアまで、地域の様々な世代の方が支え手になってくれています。まるで大きな家族のような雰囲気で、子育てを地域のみんなで見守ってくれている場所になっています。

地域ぐるみで子育てを応援してくれるファミリーにやさしい街

――開設から12年目を迎えられ、今後注力していきたい活動や新しい計画などについてお聞かせください。

江口さん:昨年から、近くの「横浜市立大綱中学校」と、家庭科の授業で赤ちゃんとの触れ合い体験交流をしています。開設当初利用していた子どもたちが今はもう中学生になっているんですね。最近は親になる前に子どもと触れ合った経験がないという親(世代)の割合がとても増えていることから、地域で生まれ育っていく子どもたちに、自分の子どもが生まれた時に利用できる施設を知ってもらう狙いがあります。昨年は「どろっぷ」の利用者親子10組ほどが中学校を訪問して、生徒の質問に答えたり、一緒に遊んだりしました。その後、偶然公園で会った中学生がある親子を覚えていて一緒に遊んでくれたなど、利用者さんや生徒の保護者さんから嬉しい声を聞くことができました。今年は中学生が「どろっぷ」へ来て、子どもたちが遊んでいる場所で一緒に過ごしてもらう予定もあり、今後も継続していく方針です。

施設の外観
施設の外観

2階の研修室で行う港北区との協働実施である「土曜日両親教室」も注力している取り組みです。平日開催の区役所での両親教室への参加が難しい家庭に向けて昨年から開催していますが、申し込み数が多く抽選になってしまうほどの人気です。この教室の目的は、出産前から「どろっぷ」という施設のことや地域の子育て環境を知ってもらい、何かあった時に来てもらうためのきっかけづくりです。今後はこうした、産前・産後すぐからの継続的な支援に注力していきたいと思っています。共働きの家庭でも、早い段階から地域資源を知って、職場に復帰した後も何かの折に地域と繋がっていけるよう支援していきたいです。

掲示板
掲示板

――大倉山エリアの子育て環境について教えてください。

江口さん:「太尾公園つちのこプレイパーク」「おひさまたんけんたい」といった公園遊びの会や、民生委員の子育て部会主催のサロン「太尾っ子広場」など、子育てを応援してくれる場がたくさんあることが実感できて、子育てしやすい街ですね。町会の活動も盛んで、桜まつりや梅まつりといった家族で参加できる地域行事が充実しています。「どろっぷ」もいろいろな行事に出店させてもらっていて、「神奈川県立港北高等学校」の文化祭にもブースを出しています。 遊び場についても、水再生センター上の「太尾公園」はいろいろな設備が整っていて、乳幼児から小学生まで楽しめる公園です。「大倉山記念館」では、子育て中の方が聞けるコンサートや「大倉山こどもフェスティバル」といった子育て支援イベントを開いています。 保育園もたくさんあって、町会のお祭りでは幼稚園が施設を貸出して保育園が一緒にバザーを出店したりと、子育てを通して地域がつながっています。

――大倉山エリアで暮らす魅力について、どのように感じていらっしゃいますか?

江口さん:区役所がある駅で、生活圏にいろいろなものが揃っています。徒歩圏内にスーパーが充実していて、一緒に生活雑貨を売っているところも多くて便利です。自転車で「トレッサ横浜」など大きなショッピングセンターにも行けますし、新横浜のショッピングセンターも近く、「ららぽーと横浜」行きのバスも通っているので、ファミリーでも買い物しやすいですね。

「トレッサ横浜」へもお出かけしやすい
「トレッサ横浜」へもお出かけしやすい

病院も、「大倉山記念病院」、「横浜労災病院」といった大きな病院もあれば、小児科や内科も駅周辺にたくさんあるので、何かあった時すぐに利用できます。新横浜から新幹線で帰省される家族が大勢住んでいる地区であり、共働き家庭にとっては横浜にも都内にも通勤の便がいいです。 地域活動も盛んで、「エルム通り商店会」には「大倉山おへそ」という地域の立ち寄り所があります。「太尾防犯拠点センター」には「みんなの居場所」というスペースがあって、小学生が夏休みの宿題をしたり、自由に過ごすことができます。センター内にはおむつ替えや授乳ができるベビーステーションもあって、子育て世帯が気軽に外に出かけられる、そんな子育てにやさしい街だと思います。

どろっぷ江口さん
どろっぷ江口さん

港北区地域子育て支援拠点 どろっぷ

地域担当:江口知佳 さん
所在地 :横浜市港北区大倉山3-57-3
電話番号:045‐540‐7420
http://www.kohoku-drop.jp/
※この情報は2017(平成29)年8月時点のものです。