和と洋の融合がコンセプトの本格フレンチ

茶寮・游旬

「中原区役所」を訪れたことのある人であれば、区役所のすぐ隣の木立の中に、三角屋根のファミリー向けレストラン「グリーンヒル」があったことを思い出す人は多いだろう。その店は区役所がこの地にできるずっと前から、街の発展を見守り続け、多くの人々の喜び、楽しみの時間を演出してきた。今、その場所には「游旬」という高級なフランス料理店が店をを構えている。

茶寮・游旬
茶寮・游旬

「游旬」のコンセプトは「和と洋の融合」。平たく言えば「モダンな和の空間で、旬素材で作った本格的なフランス料理を、慣れ親しんだ箸で頂ける」という店だが、オーナーの目指すところはもっと深遠である。実は「游旬」は「グリーンヒルグループ」の旗艦店ということで位置付けられている店で、グループ店にはほかに都筑区池辺町「むくの実亭」、町田市野津田町「霜月亭」と「俊宣茶房」、箱根「グリーンヒルズ草庵」の4店舗がある。これらはいずれも和洋折衷のレストランやオーベルジュスタイルで、周囲は緑に囲まれたロケーションにあり「非日常の中で美味しい料理を楽しめる」と評判が高い店だ。その中で「游旬」は街中にあるというハンディを抱えているが、いざ店内に足を踏み入れてみると、やはり「別世界」という印象が強く感じられ、驚かされるはずだ。

茶寮・游旬
茶寮・游旬

店内は照明が落とされたシックな雰囲気で、奥に広がりがある。入って左手は英国アンティークでまとめられた洋風の空間、奥側はモダン和風の小テーブル席となっており、どの席からも庭の緑を眺めることができる。入り口近くには大きなソファが置かれ、待ち合いスペースとなっているが、その向かい側には茶釜を据えた小さな席がある。一見するとこの茶釜も室内装飾かと思ってしまうところだが、おもむろにその席に着いた袴姿の御仁が見事な所作でお点前をし、客へ差し出してくれる。「茶は和の心の神髄。400年前から何も変わらない、日本人の心の象徴です」と語るこの御仁こそが、グリーンヒルグループの社長である。

茶寮・游旬
茶寮・游旬

お点前を頂いた後に、席に案内される。それぞれの席の間は十分以上に間隔が取られており、隣の人の会話が気になるようなことは少ない。店内には余分な音も無く、変わっていくのは庭の景色と光の差し具合ぐらいである。「今は高度文明社会ですから、敢えてローテクな店にしています。ここで垢を落として、リフレッシュしていただけれるようにと。自分が映画の中の一場面にいることを想像しながら、気取った時間を過ごしてもらえたら嬉しいですね。僕はロマンチストの方が好きなんです。そういうお客さんを見ながら、この人はどんな人生を送ってきたのか、今日は人生のどんなシーンなのかと、想像するのが楽しみで」と社長は笑いながら語る。

茶寮・游旬
茶寮・游旬

メニューについては「旬を游ぶ」という店の名の通り、旬素材を使ったフレンチ仕立てのコース料理が主体。ランチは2千円台のランチセットから4千円台のフルコースまで、ディナーは3千円台から7千円台までのコースのほか、アラカルトのオーダーも可能。平均的にはランチが3千円、ディナーが5千円ほどの予算だろう。料理の内容は日々の仕入れで変わっていくが、「牛フィレ肉のポワレ」などは定番メインディッシュの一つだ。シェフの斎藤氏はフランスでの修行経験を持つ本物志向のシェフ。訪れた日にどんな料理が提供されるのかは、当日までのお楽しみである。

茶寮・游旬
茶寮・游旬

実はこの店は、予約制のレストランとは謳っているがフルコースを食べなくても、予約をしなくても利用できる。特にカフェタイムにはコーヒー一杯だけの利用も可能で、店内も比較的空いていることが多い。何か物思いに耽りたい時、大切な人と特別な時間を過ごしたい時などには、カフェタイムに訪れてみてほしい。但しここは別世界。騒がしい人はお断り、という種類の店である。入り口の入りにくさは茶室で言う「にじり戸」。この店の中は茶室の中に等しいと心得たい。

茶寮・游旬
所在地:神奈川県川崎市宮前区土橋1-21-13 
電話番号:044-852-1212
営業時間:11:30~14:00(L.O.)、17:30~20:00(L.O.)
定休日:火曜日

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