スペシャルインタビューvol.01

『横浜市都心臨海再生マスタープラン』に基づき開発・整備が進められる東神奈川周辺エリア

“世界都市”としての都心臨海部を形成するため、中長期を見据えた計画として2015(平成27)年に策定された事業計画『横浜市都心臨海部再生マスタープラン』。従来の横浜都心である「横浜駅周辺地区」を中心に、「みなとみらい21地区」、「関内・関外地区」に、「山下ふ頭周辺地区」と「東神奈川臨海部周辺地区」を加えた都心臨海部5地区がその対象となり、各地区をつなぎ合わせる「みなと交流軸」を形成し、横浜の魅力をさらに高めようというまちづくりの方針だ。
今回は、横浜市都市整備局の担当課を訪ね、これまでの進捗や今後のお話を詳しく伺ってきた。

臨海部5区の魅力を繋ぎ“人々に選ばれる都心”を目指す横浜

「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」対象地区(出典:横浜市都市整備局企画部企画課HP)
「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」対象地区(出典:横浜市都市整備局企画部企画課HP)

――まずは、『横浜市都心臨海部再生マスタープラン』の概要から聞かせてください。

渡邊さん:これまで、日本有数のターミナル駅を中心とする「横浜駅周辺地区」、業務・商業機能が集積する「みなとみらい21地区」、開港以来の歴史が残る「関内・関外地区」の3地区を中心にまちづくりを進めてきた横浜市ですが、そこに都心機能の強化に向けた再開発や周辺整備が計画される「山下ふ頭周辺地区」と「東神奈川臨海部周辺地区」を加え、各地区の特徴と魅力を有機的につなげることで「みなと交流軸」を形成。目標年次である2050年(第一段階は2025年)に向け、都心臨海部5地区をさらに発展させて“人々に選ばれる都心“にしていくというのが全体像の説明となります。

都心臨海部の機能配置とみなと交流軸・結節点の配置イメージ(出典:平成27年2月「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」)
都心臨海部の機能配置とみなと交流軸・結節点の配置イメージ(出典:平成27年2月「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」)

「東神奈川臨海部周辺地区」における今日までの街の変化・発展

――「東神奈川臨海部周辺地区」における「東神奈川駅周辺地区」についてですが、こちらの再開発にいたるまでの経緯を聞かせていただけますか?

遠藤さん:かつての「東神奈川」駅周辺は、1960年前後に建てられた木造建築物が立ち並んでいました。国内有数の乗降客数を誇る「横浜」駅が隣にあるとは思えない光景で、老朽化が進み、防災上の問題も指摘されていましたので、当然として再開発を求める声は挙がっていました。しかし、当時地権者が100人近くもいたため合意形成が難しく、平成に入るまでは膠着状態がつづいていました。大きく物事が動き出したのは再開発組合が設立認可された1999(平成11)年以降です。

今回お話を伺った横浜市都市整備局都心再生部都心再生課の遠藤さんと渡邊さん
今回お話を伺った横浜市都市整備局都心再生部都心再生課の遠藤さんと渡邊さん

まず「東神奈川駅東口地区第一種市街地再開発事業」が進められることになり、老朽化した低層木造家屋が密集する従前の土地利用を更新し、商業、住宅等による土地の高度利用及び防災性の向上を図りました横浜市では、こちらの事業で建設されたマンションを中心とする複合施設「リーデンスフォート横浜」の3階部分に、市内初となる公設民営による「横浜市かながわ保育園保育所」を整備しました

都市計画に基づいて進められている
都市計画に基づいて進められている

遠藤さん:2002(平成14)年に先述の「東神奈川駅東口地区第一種市街地再開発事業」が完了し、それから間もなくして「東神奈川駅前地区優良物件等整備事業」も始まりました。もともとこの土地は「国鉄建設事業団」の土地で、国鉄が民営化したときに「日本国有鉄道清算事業団」が所有していたのですが、売却するときに「横浜市住宅供給公社」が購入。それと同時期に、共同ビルを建設しようという計画が上がり、各区に区民文化センターを建設するという目標を掲げていた横浜市にとっても良い機会でしたので、2~4階を取得して公共公益施設として「横浜市神奈川区民文化センター かなっくホール」をつくりました。

「東神奈川駅前地区優良物件等整備事業」で誕生した「かなっくホール」
「東神奈川駅前地区優良物件等整備事業」で誕生した「かなっくホール」

――木造建築物が立ち並んでいた光景が想像できないくらいに「東神奈川」駅周辺は開発が進んだのですね。

遠藤さん:そうですね。なかなか動き出さなかった再開発事業ですが、動き出してからの展開は早く、連鎖反応的に開発が進むことになりました。先述の再開発事業では、バリアフリー対策として、ペデストリアンデッキで周辺施設を連絡する歩行者デッキやエレベーターを新設しました。JR「東神奈川」駅と「かなっくホール」が結ばれ、さらに京浜急行「仲木戸」駅が改修工事の計画に際して提案を行い、両駅間もつなげることができたので、現在、京浜急行線からJR線に乗り換える場合、「横浜」駅は混雑するという理由で「仲木戸」駅で乗り換えるという方が多くいらっしゃるようです。

「東神奈川」駅と「仲木戸」駅、再開発ビル3棟がペデストリアンデッキで接続された。
「東神奈川」駅と「仲木戸」駅、再開発ビル3棟がペデストリアンデッキで接続された。

現在も新たな再開発・整備事業が進行中

――「東神奈川駅周辺地区」では、「東神奈川一丁目地区第一種市街地再開発」も進行中だそうですね。

遠藤さん:不可能と思われていたことが現実化したことで、“自分たちもできるのではないか”という前向きな動きが出てきました。

(出典:平成25年3月15日「東神奈川一丁目地区 第一種市街地再開発事業等 都市計画市素案説明会」資料)
(出典:平成25年3月15日「東神奈川一丁目地区 第一種市街地再開発事業等 都市計画市素案説明会」資料)

「東神奈川一丁目地区第一種市街地再開発」は2004(平成16)年に準備組合が設立され、2013(平成25)年に都市計画決定されました。地上20階建てタワーマンションに店舗も入居する予定で、「かなっくホール」が入っている建物と通りを挟んだ一画で工事が進められています。こちらも将来的には、ペデストリアンデッキでつながる予定です。

建設中の様子
建設中の様子

――次に、「東高島駅北地区土地区画整理事業」についても聞かせてください。

渡邊さん:事業名にも付いている「東高島」駅は、東神奈川駅周辺地区と山内ふ頭に挟まれた場所にあります。同駅は東海道本線貨物支線上にありますが、現在は貨物駅舎があるというのではなく、貨物列車の発着もなくなりました。そうした時代の変化を街づくりに反映させるために「東高島駅北地区土地区画整理事業」を進めています。

神奈川区は、横浜市18区のなかでも病床数は下位に位置するため、区画整理事業によって医療施設を設け、健康医療福祉複合地区として研究・教育、医療、健康、居住機能を配置したまちづくりを進めていきます。また、同事業では1.5ヘクタールの水域を埋め立てます。なお、事業区域内に残存する「神奈川台場」は本市開港の歴史的な遺構であり、その多くは土の中に埋まっていると推測されます。そのためこの事業を推進するうえでは、この「神奈川台場」を保全し、現在の「神奈川台場公園」に接続する形で、歴史を後世に伝えていくという計画です。

再開発事業とともに面的な整備も進められる東神奈川周辺エリア(出典:平成16年3月「東神奈川臨海部周辺地区 再編整備計画」)
再開発事業とともに面的な整備も進められる東神奈川周辺エリア(出典:平成16年3月「東神奈川臨海部周辺地区 再編整備計画」)

遠藤さん:『横浜市都心臨海再生マスタープラン』の事業は始まったばかりですが、これから居住施設の建設が進んでいけば大まかな年代層も分かってきます。それによっては新たな小学校が必要になるかもしれませんし、スクールゾーンの設置など行政が対応すべき事柄が出てきます。そうした動向に注目しながら、横浜の魅力をさらに高めていくことに寄与できれば幸いです。

横浜市役所 都心臨海部5地区が高める横浜市全体の魅力
横浜市役所 都心臨海部5地区が高める横浜市全体の魅力

横浜市役所 都市整備局 都心再生部 都心再生課

横浜駅周辺等担当課長 遠藤 拓也さん(左)渡邊 伸郎さん(右)
所在地:神奈川県横浜市中区港町1-1
電話番号:045-671-3543
URL:http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/kikaku/toshinmp/
※この情報は2018(平成30)年7月時点のものです。