スペシャルインタビューvol.2

“ここでしかできない”のたくさん詰まった文化施設。横浜市神奈川区民文化センター「かなっくホール」

JR「東神奈川」駅と京浜急行「仲木戸」駅とをつなぐペデストリアンデッキにエントランスがある「かなっくホール」。アクセスしやすいロケーションも魅力だが、考え抜かれたプログラムにもぜひ注目してほしい。期待せずに出かけたのに、想像以上のものを抱えて帰路に着くことになるだろう。質の高さを維持しながら、誰でも気軽に来てもらえるプログラムに仕立てるというのは簡単なことではない――。「かなっくホール」の事業担当者である齊藤さんにお話を伺ってきた。

とにかく色々な体験をしてほしい

お話をうかがった事業担当 齊藤さん
お話をうかがった事業担当 齊藤さん

――さっそくですが、「かなっくホール」の施設概要について聞かせてください。

齊藤さん:当ホールが開館したのは2004年7月16日です。その核となる「ホール」は席数300で、音響反射板、可動式プロセニアム、フルコンサートピアノを備えています。

音楽や演劇、音楽教室の発表会など幅広いシーンで利用いただいています。より規模の小さなものであれば約60席の「音楽ルーム」が最適です。“音楽”を冠しているものの、壁面に鏡が付いているのでダンスや演劇の練習には使い勝手がいいと思います。その他にも「練習室」や、絵画、写真、書道作品などの展示に最適な「ギャラリー」があります。

施設内は広々としている
施設内は広々としている

――主催している公演やワークショップについてですが、どのようなものがありますか?

齊藤さん:色々なことをしているので、どれをピックアップするか迷ってしまうのですが(笑)。近々、チェロの演奏と朗読によるリーディングプログラムが開かれます。リーディングを担うのはプロではなく一般の方。演劇で行なわれる顔合わせと読み合わせを体験してから発表するというプログラムだったのですが、もっと稽古がしたいという声に応えて回を増やしました。 他には、作曲家ごとの全6回のレクチャーコンサートも人気です。

300席を誇るホール
300席を誇るホール

今回採り上げるのは、有名なバイオリンコンチェルトを書いたメンデルスゾーンです。初回はピアノ曲、2回目はチェロソナタ、3回目はクラリネットソナタで、4回目は歌曲、5回目に再びピアノ曲となり、管弦楽で最終回を締めくくります。

ピアノが設置されたホール
ピアノが設置されたホール

ユニークなところでは、「かなっくホールdeおやじビアホール」ですね。“おやじ”さんたちによるパフォーマンスを楽しみながら、ホワイエでビールを楽しむというものです。当ホールをより身近に感じていただける時間になるかと思います。

「かなっくホールdeおやじビアホール」に向けて練習するおやじパフォーマーの皆さんの様子
「かなっくホールdeおやじビアホール」に向けて練習するおやじパフォーマーの皆さんの様子

ホワイエ
ホワイエ

――企画のコンセプトや、「かなっくホール」ならではのものなどありましたら教えてください。

齊藤さん:コンセプトは、“普通のことはやらない”ですね(笑)。当ホールでは、子ども向けのワークショップも企画しています。そのひとつが「僕らの劇場」で、初回は音楽、演劇、ダンスの要素を盛り込んだ作品を上演しました。毎回、子どもたちには色々なことを経験してもらっているのですが、何度も参加するなかで、才能を開花させつつある子どももなかにはいます。横浜市は、文化・芸術の担い手となる若いアーティストを育てる「クリエイティブ・チルドレン」を展開していますが、子どもの可能性を改めて実感したワークショップとなりました。

子どものクリエイティブ力を育てるきっかけにも
子どものクリエイティブ力を育てるきっかけにも

――利用されている方について教えていただけますか?

齊藤さん:子どもから大人、高齢者まで幅広い方に利用いただいています。と言いますのも、とにかく“色々なものを体験してほしい”との想いから入場料は徹底的に下げていますし、“暇だから行ってみよう”と思ってもらえるように親しみやすく、どのプログラムもハードルを下げています。ただ、ハードルは低いものの、その内容は濃いものばかりで、“こんな時間が過ごせるとは思わなかった”という感想はよくいただきます。帰り際に感謝の言葉をいただくときは、本当に嬉しい瞬間ですね。

大人も子どもとともに楽しみながら幅広い人と交流
大人も子どもとともに楽しみながら幅広い人と交流

時を刻む、文化を刻む

かなっくホール外観
かなっくホール外観

――「かなっくホール」のある東神奈川エリアについてですが、こちらはどのような街ですか?

齊藤さん:JR「東神奈川」駅と京浜急行「仲木戸」駅が近いこともさることながら、“人の温かさ”が感じられる街ですね。日本有数の規模を誇る「横浜」駅が近いのに、どこかゆったりとした時間がこの街には流れています。そこに加わる、開港後の歴史も外せない魅力です。

――地域における文化・芸術の拠点として、街への想いを聞かせてください。

齊藤さん:「みなとみらいホール」や「神奈川県民ホール」、「ミューザ川崎シンフォニーホール」も比較的近く、都心にもアクセスしやすいことからコンサートなどを楽しむ方も多いと思います。それを踏まえた上で、当ホールとしてはこれまで芸術に関心のなかった方や、楽しみ方が分からないという方を中心に、新たな層を開拓しながらより地域を意識した施設でありたいと思っています。

かなっくホール
かなっくホール

かなっくホール

事業担当 齊藤さん
所在地:神奈川県横浜市神奈川区東神奈川1-10-1
電話番号:045-440-1211
URL:http://kanack-hall.info/
※この情報は2018(平成30)年6月時点のものです。