スペシャルインタビュー

将来へと向けて発展し続ける「藤沢」駅周辺地区の整備事業と藤沢市の魅力を伝える「藤沢市 藤沢駅周辺地区整備担当」

子育て世帯に人気の高い藤沢市の中でも特に利便性に優れた「藤沢」駅周辺地区では、現在再開発が活発に進められている。駅北口広場のリニューアルや東西の地下通路の整備、2023(令和5)年から始まった南北自由通路の拡幅整備など、藤沢市の未来へとつながるさまざまな変化を肌で感じることができるだろう。

今回は「藤沢市役所」の「藤沢駅周辺地区整備担当」を訪ね、現在進行中の藤沢駅周辺地区整備事業の概要や進捗について話を伺うとともに、藤沢市の魅力やおすすめスポットについても教えていただいた。

今回取材にご協力いただいた、「藤沢市 藤沢駅周辺地区整備担当」戸村さん(左)、浅野さん(右)
今回取材にご協力いただいた、「藤沢市 藤沢駅周辺地区整備担当」戸村さん(左)、浅野さん(右)

「藤沢」駅周辺地区の活性化を目指す、進行中の整備事業計画

――「藤沢」駅周辺地区の整備について概要や経緯について簡単に教えていただけますでしょうか?

戸村さん:現在の「藤沢」駅周辺の街並みは昭和40年代から50年代にかけて完成したもので、そこから約40年間大きく変わることなく今に至ります。建物の老朽化やバリアフリーなどさまざまな課題もあり、時代のニーズに合わせ再活性化を目指すことを整備の目的としています。

2012(平成24)年に「藤沢駅周辺地区再整備構想・基本計画」が策定され、北口から順番に整備が進められている状況です。事業の内容や進捗については本市のHPでもご覧いただけますが、「藤沢駅北口通り線・藤沢駅北口東西線の整備」や「藤沢駅北口ペデストリアンデッキ(サンパール広場)のリニューアル」、「藤沢駅北口交通広場のリニューアル」、「東西方向の地下通路の整備」などが完了し、現在は南北自由通路の拡幅整備事業に取り組んでいるところです。最終的には、南口駅前広場の整備に取り組む計画です。

整備された「藤沢」駅北口のペデストリアンデッキ
整備された「藤沢」駅北口のペデストリアンデッキ

――北口駅前広場のリニューアルが完成してから5年ほど経過しますが、整備による効果や利用者の方の声などがあればお聞かせください。

戸村さん:以前は大きな木が生い茂っていて暗い雰囲気もありましたので、再整備をするにあたり人工芝のガーデンパークや藤棚のあるガーデンテラスなど人が集まる、広く、明るい空間を多く設けました。

リニューアル後、日中はご高齢の方や小さなお子さんを連れた方、夕方になると学生さんが芝生の広場に集まってそれぞれ活動する様子が伺えます。また夜になると社会人の方も立ち寄ってお話ししたり、お酒を飲んだりしています。時間帯によってさまざまな年代の方が訪れて、思い思いの時間を過ごしていらっしゃいます。

人工芝も敷かれた「サンパール広場」は、人々の憩いの場に
人工芝も敷かれた「サンパール広場」は、人々の憩いの場に

浅野さん:若い人たちが駅前に集まってみんなで歓談している様子は、市内の他の駅ではなかなか見られません。以前は駅を利用される方が休憩のためにベンチにちょっと腰をかけたり、公衆電話を利用するために立ち寄るくらいだったのですが、今は中学生や高校生くらいの子どもたちもいて、駅前広場を目的に来てくれているのを感じます。

今回お話をいただいた浅野さん
今回お話をいただいた浅野さん

初めて訪れる人にも利用しやすい、機能性や利便性の高い駅舎へ

――整備事業を進めるにあたり「湘南の玄関口」がキーワードになっているかと思いますが、藤沢市としてこれにはどのような思いがありますでしょうか?

戸村さん:「藤沢」駅は市民の方が通勤通学で利用するのはもちろん、観光で湘南の海を目的に訪れる方も多いため、そういった初めて訪れる方にとっても利用しやすい駅舎にしなければいけないと考えています。

現在、「藤沢」駅の南北自由通路の拡幅整備が進められていますが、約8mある自由通路を約16mまで拡幅する予定です。観光案内所の窓口のあたりがいったん取り壊され、自由通路の拡幅とともに新たな駅舎に建て替えられる予定です。その際、小田急線の改札口を自由通路のある2階に橋上化する計画もあり、乗り換えの利便性も向上すると思います。

自由通路拡幅工事の完成イメージ(出典:「藤沢駅周辺再整備まちづくりニュース 第10号」)
自由通路拡幅工事の完成イメージ(出典:「藤沢駅周辺再整備まちづくりニュース 第10号」)

戸村さん:さらに将来的には南口駅前広場の整備も控えているため、魅力ある空間にするためにデザインを含めどのようにしていくか、今まさに検討が進められているところです。

都市計画決定を受け、本格的に進み出した「藤沢駅南口391地区市街地再開発事業」

――駅前では大規模な再開発事業も進んでいるようですが、概要と期待されるポイントについてお聞かせください。

戸村さん:「藤沢」駅の南口に「フジサワ名店ビル」、「ダイヤモンドビル」、「CDビル」という3棟の建物が並んでいる区画がありまして、建物の老朽化が進んでいて建て替えの検討をする中で民間主導の再開発事業が進められることになりました。

「藤沢駅南口391地区市街地再開発事業」に該当するビル
「藤沢駅南口391地区市街地再開発事業」に該当するビル

戸村さん:2023(令和5)年6月に都市計画が決定され、「藤沢駅南口391地区市街地再開発事業」として今後本格的に事業が進んでいく予定です。

これまで駅前の商業ビルで大きな建て替えというのが無く、市としては今回の再開発事業をきっかけに、周辺地区の再活性化に向けた機運が高まるのを期待しているところです。

複合ビル完成イメージ(出典:「藤沢駅南口391地区に関する都市計画提案について」)
複合ビル完成イメージ(出典:「藤沢駅南口391地区に関する都市計画提案について」)

旧東海道藤沢宿として発展した、街の歴史を感じられるスポットが点在する本町周辺

――藤沢市本町周辺について、道路整備や開発計画など、将来的な街づくりに関することで注目すべき点はございますか?

戸村さん:本町周辺については、「藤沢本町」駅の近くにある踏切の改良工事が予定されています。橋上化しつつエレベーターの整備を進め、駅利用者の利便性が向上する見込みです。

また駅の横を通る道路も拡幅して歩行者や車両の通行をしやすくする計画で、交通渋滞等も解消されるのかなと思います。詳しくは市のHPにある「藤沢652号線道路計画検討会議について」をご覧いただくとより詳しい情報が載っています。

ご存知の通りこのあたりは旧東海道の宿場町として発展した地域になりますので、街並みの保全や建て替えをするときなど街並みへの配慮といった取り組みも進められています。

旧東海道藤沢宿の魅力を伝える「藤沢市ふじさわ宿交流館」
旧東海道藤沢宿の魅力を伝える「藤沢市ふじさわ宿交流館」

浅野さん:本町周辺には歴史を感じられるスポットが点在していまして、「遊行寺」という時宗のお寺や「桔梗屋」という当時の佇まいをそのまま保存した建物もあり、旧東海道藤沢宿の魅力を伝えられるような取り組みも行われています。他にも源義経を祀った「白旗神社」など、知れば知るほど歴史ある場所というのがお分かりになるかと思います。

「遊行寺」
「遊行寺」

海、山が身近な自然環境と利便性を兼ね備えた藤沢市

――藤沢市の中で、特におすすめのスポットはございますか?

戸村さん:私は駅の南の方に住んでいますが、近くにある公園や、江の島に行くこともあります。北の方には「湘南台市民センター」という施設もあって、そこにはプラネタリウムがあるんです。あとはアスレチックや自然の中でいろんな体験ができる「少年の森」など、多くの遊び場が近いことも藤沢市の特徴かなと思います。

「湘南台市民センター」
「湘南台市民センター」

戸村さん:他にもパナソニックの工場跡地にできた「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」という場所がありまして、湘南T-SITEという商業施設など、ゆったり過ごせるスポットが藤沢市内にあります。

また、藤沢市ではエリアマネジメントにも積極的に取り組んでいまして、再整備後の公共施設の活用について「(一般社団法人)藤沢駅周辺地区エリアマネジメント」に委託して取り組んでいます。週末になると北口駅前広場でイベントなども行っているので、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。

今回お話いただいた戸村さん
今回お話いただいた戸村さん

――「藤沢」駅周辺地区の整備事業や再開発も進み、期待感が高まっているかと思います。今後「藤沢」駅周辺に移り住もうと検討される方へ、メッセージをお願いします。

戸村さん:藤沢市が若い方や子育て世帯の方に選ばれているというのをよく聞きますが、湘南の海や市北部の湘南台には緑もあって、豊かな自然環境に恵まれているのが人気の理由のひとつかと思います。

また鉄道網も充実しているので都心部や横浜方面にも出やすく、通勤通学にも便利です。さらに駅周辺には大型商業施設やチェーン店、個人経営のお店もたくさんあって、あらゆるものがそろうバランスの良い街なのかなと思います。カフェやラーメン屋さんなど個性的なお店もたくさんあるので、お気に入りのお店を探して歩いてみるのも楽しいかなと思います。

また、駅から歩いて10分ほどの場所に「藤沢市民会館」という公共施設がありまして、現在再整備に向けた検討が進められています。公園やホール、図書館も生まれ変わる予定ですので、今後注目していただきたいスポットの一つです。

再整備に向けた検討が進められる「藤沢市民会館」
再整備に向けた検討が進められる「藤沢市民会館」

浅野さん:駅周辺地区もそうですし、街全体が大きく変わろうとしているのを感じます。私自身、以前は引っ越しが多く、全国のさまざまな街で暮らしてきましたけど、生活環境が抜群に良いので藤沢市に戻って来ることにしました。冬は暖かいし、夏も内陸ほど気温が上がらないので過ごしやすいです。

鉄道だけではなく、バスも含めた公共交通網もしっかりしているし、圏央道があるので車で各方面にアクセスするのも便利です。また横浜湘南道路への接続など将来的にも楽しみなところがあります。

あと市内には富士山が綺麗に見える場所がたくさんあって、高い場所に行けば裾野まで見えるところがありますし、本庁舎9階の展望デッキからも富士山がよく見えるんです。一般に開放されている場所ですので、気軽に立ち寄ってみてください。

本庁舎9階の展望デッキ
本庁舎9階の展望デッキ

戸村さん:藤沢市は施設を一般の方に開放する市民サービスにも力を入れていまして、本庁舎9階の展望デッキもそうですし、5階には屋上庭園や市民ラウンジもあって、憩いの場や打ち合わせの場として本庁舎を一般の方にご利用いただいています。

また学生が本庁舎の会議室を利用して勉強できるような仕組みもありまして、まるで図書館のように学生さんたちが気軽に足を運んで勉強できるようにしていますので、ぜひたくさんの方に足を運んでいただきたいなと思います。

「藤沢市役所」
「藤沢市役所」

藤沢市役所

戸村さん(左)、浅野さん(右)
所在地:神奈川県藤沢市朝日町1-1
電話番号:0466-25-1111
URL:https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/
※この情報は2024(令和6)年2月時点のものです。