イベントを通して地域の輪を広げる「ボーイズクラブ」の取り組み

神奈川県横浜市の北部に位置する青葉区は、東急田園都市線沿線に落ち着いた住宅街が広がるエリア。そんな青葉区のあざみ野は地区ごとのお祭りをはじめ、地域活動が盛んなエリアでもある。今回は、定年退職後の地域住民が集まり、様々な試みを行っている「ボーイズクラブ」の皆さんに、その活動内容とあざみ野エリアの魅力についてお話を伺った。

「ボーイズクラブ」とは

取材に応じてくれた「ボーイズクラブ」の皆さん
取材に応じてくれた「ボーイズクラブ」の皆さん

――まずは「ボーイズクラブ」という組織を立ち上げることになったきっかけや経緯を教えてください。

2015(平成27)年の夏に、山内地区センターの自主機関として立ち上げました。定年退職後の男性はあまり地域に関わりがなくなってしまうんです。ですので、退職した人たちに、趣味を活かしたり運動したりして地域でデビューしてもらおうというのがスタートでした。
地区センターを拠点に、既に体操やいろいろな趣味の団体が活動していました。そこで、そういった団体のリーダーを集めて会議をしたんです。そこで、「ここにこんなのありますよ。あんなのありますよ」と紹介してもらいました。皆さん趣味があるかもしれませんけど、一日、一週間、趣味だけじゃ時間は潰れませんよね。だから、いろんな団体を集めようとしたんです。でも、男性だけで集めるのって大変なんです。そこで、女性にも参加してもらって、地域参加型のいろいろなイベントを作っていこうということにしました。

定例会議の様子
定例会議の様子

――活動をはじめた頃は、どんな感じだったのでしょうか?

地区センターの主催でイベントを行いました。第一部として、趣味などを披露しました。でも、披露するだけでは地域には関わり合えないんですよ。ですので、第二部として、「みなさん参加しましょうよ。ここに来るとこんなのがありますよ。こんなこともやっていますよ。やってきて話してみませんか」といった団体の紹介をしたんです。
そのあとは、せっかくイベントでPRに来て下さった団体の方もいらっしゃいますし、1回で終わってしまったらもったいないよね、という地区センターさんのご意見もあり、定期的に集まって何かを考えていこうと誕生したのが最初です。ですので、最初は方向性もあまり決まっていませんでしたし、メンバーもたったの6、7人でした。今は20人くらいになりましたけどね。

4月に開催されたメンズシニア向けのファッション講座
4月に開催されたメンズシニア向けのファッション講座

――どういう方が集まっていらっしゃいますか?

あざみ野をはじめとした青葉区民が中心ですが、区民じゃなければダメということはありません。年齢も、平均すると70歳くらいです。名前は「ボーイズクラブ」ですが、女性も歓迎です。

――そもそも「ボーイズクラブ」という名前はどういう思いでつけられたのでしょうか?

最初は、男性の退職者を対象にしていたので、「おやじ」などいろんな言葉を考えたんです。そのときに「男の子」っていう言葉も出てきて、「ボーイズ」につながっていったんです。

様々なイベントを実施する「ボーイズクラブ」

「いまさら聞けない『スマホのいろは』」講座の様子
「いまさら聞けない『スマホのいろは』」講座の様子

――「Jack&Betty学園祭」というイベントを行っているようですが、詳しく教えてください。

昔の歌をみんなで歌おう!というイベントです。歌うのはグループ・サウンズ。ギターは外部から専門家が来て弾いてくださるんですが、みんなでたまプラーザの「3丁目カフェ」に集まって、生ギターの演奏で歌うんです。前回は60名くらい集まりました。今は年に2回ほど開催しています。
ところでどうして「Jack&Betty」というかわかりますか?じつは、私たちの年代は、みんな「Jack&Betty」という英語の教科書を使っていたんです。この名前を付ければ、同年代の方が気軽に参加しやすいかと思ったのがきっかけですね。

「Jack&Betty学園祭」のチラシ
「Jack&Betty学園祭」のチラシ

――ほかにどのようなイベントを開いていますか?また、今後開こうと考えていますか?

市場の見学に行くとか、エンディングノートの書き方を習うとか。今更聞けないなっていうようなのもいいですよね。スマホの使い方や裏技とか、タブレットの使い方とか。
この間はスマホ講座を開きましたが、20名の参加者に加え、キャンセル待ちが20人ほどいたくらい好評でした。
また、お酒のイベントなんかも開催したいとは思っていますが、お酒を出すようなものは公共の場所ではできないんですよね。いろんな方のニーズや調整を重ねてイベントを開催するのは大変ですが、できる範囲の中でいいイベントを開催していければと思っています。
今後のイベント予定としては、9月24日に「エンディングの言葉」を開催予定です。

キャンセル待ちが出るほど人気だったスマホ講座
キャンセル待ちが出るほど人気だったスマホ講座

――ほかの団体と連携したりすることはありますか?

地区センターと一緒にやっています。お互いにメリットがあるんですよ。私たちは地区センターと何かをやると広報に載せてもらえます。そうしないと宣伝ができませんからね。
逆に地区センターとしては、仲間を増やしたいんです。今、地区センターには3,300くらいの団体が登録しているようなのですが、だんだん高齢化してきているんです。ですので、我々が現在そういった団体に所属していない、地域との関わりあいが少ない方を紹介するということもやっているんですよ。そういったことは、まさに私たちの仕事ですからね。
ほかにもいろいろな団体と関わりがあります。先に述べた「Jack&Betty学園祭」では、最初に地域団体の紹介というコーナーを設けていて、そこで各団体にPRをしてもらいます。メンバーを増やすためにスカウトしたりする場にもなっているんです。

横浜市山内地区センター
横浜市山内地区センター

――今後の展開や目標はありますでしょうか?

今と変わりません。家で閉じこもっている人に外へ出てもらいたいと思っていますが、まだまだなんです。いろいろと試行錯誤を続けているところで、何をしたら地域へ引っ張り出せるかというのを、みんなで考えているんです。
でも、出てくる人というのは、やっぱり積極的な人なんですよ。
家に閉じこもっていて地域デビューの仕方がわからないという人たちは、この街を知らないんです。普段誰かと飲んだりするのは会社の近くだから、この街のことは知らないんです。会社と家だって電車で行き来しているのですから。特に男性は外に出ようとしない傾向があります。でもまずは、一歩踏み出すことが大切なんです。その一歩をどうやって出すかが問題だと考えています。
近所で顔を知ってはいたけれど、話したことがなかったというような人が、どこかへ出て、出会って初めて顔と名前とが一致した、ということも多いですからね。はじめは難しいところもあるかもしれないですが、そうやって地域の輪を広げていくことは、この地域にとっても重要だと思います。

運営やイベントの企画について話し合う
運営やイベントの企画について話し合う

――退職された方は、みなさん地域に出ることを望んでいらっしゃるのでしょうか?

たぶん潜在意識はあると思います。でも、何をやっているのか想像もつかないんです。実際はいろんな方面に活動の場があるのですが、意外とわからないんですよね。
ご婦人方には、子育て中にできたママ友達などがいらっしゃいますよね。そういった人と繋がっているから定年退職しても、「私ボランティアやってくるから」なんて言って出かけて行っちゃうんです。でも男性はあんまり知らない人と喋らないでしょう。女性はバスを待っている時でも「じゃあお先に!」なんて声をかけて乗っているのをよく見かけます。バスの中でちょっと隣同士になっただけで、いつまでも話していたりね。
ずっと会社勤めだった男性が、定年してから地域の仲間に入ろうと思ってもなかなか見つけられないんです。潜在意識はあっても、積極的なことはできないんですよね。

緑が多く人が元気な街・青葉区、あざみ野エリア

街路樹が茂り、緑豊かな街並み
街路樹が茂り、緑豊かな街並み

――この街に暮らしていて感じる魅力はどんなところでしょうか?

この辺りは昭和40年から50年にかけて開発された街で、とてもきれいに開発されています。街路樹が多く緑もたくさんあって、道も広く、公園もたくさんあります。その時に移ってきた人たちは非常に元気な人が多いです。かつて青葉区は長寿日本一の街になったこともあるのですが、確かに救急車の出動回数が少ないんです。皆とても健康にいい生活をしているのではないでしょうか。それに、相変わらず街の人気はずっと続いているので、空き家もほとんどないんです。空き店舗も少ないですね。
治安もいいですよ。犯罪件数ゼロの日というのが年に何十日もあるんです。空き巣などの事件も少ないですね。
また、街並みが近代的であるにも関わらず、昔ながらのものが残っているのも大きな魅力だと思います。

ボーイズクラブ
ボーイズクラブ

ボーイズクラブ

山内地区センター
所在地:神奈川県横浜市青葉区あざみ野2-3-2
電話番号:045-901-8010
URL:https://aobaboysclub.jimdo.com/
※この情報は2017(平成29)年6月時点のものです。